悪口をいうときの免罪符!?「根はいい人」って葉っぱや茎は悪い人ってこと？

ある人の言動で傷ついた、不快な思いをした、といった内容を他の人に愚痴ると「あ～でも、あの人根はいい人だから…」なんて言われた経験ありませんか？

発言者からすると、「きっとその人は何の気なく言っただけだから、気にしない方がいいよ」というフォローのつもりなのかもしれませんが、言われた方にすれば「だからどうしたの？」という気持ちになってしまいます。

「根はいい人」って本当にいい人なの!?

やたらと問題発言を繰り返したり、自分勝手な行動をしたりする人に我慢ができず、「あの人、なんであんなに無神経なんだろう…」と思わずこぼすと、「でもねあの人、根はいい人なのよ」という返答。

筆者はこう返されるとドッと疲れて「もうこの人と、このことについて話すのはやめよう」と思ってしまいます。果たして人はどうして「あの人、根はいい人なんだけどね…」なんてフォローにもならないフォローをするのでしょうか。

ひとつ考えられるのは「波風立てたくない」という心理。確かに話にあがっている人物は、人の気持ちを考えずにズケズケ物を言う人だ。相手が腹を立てる気持ちもよくわかる。でも、愚痴に同調するのはちょっと気が引ける。かといって「そんなことはない」と否定して、その場が気まずくなるのもなぁ…という意識から、ついつい「根はいい人なんだけど、そういう面も多々あるよね」というどっちつかずな発言になってしまうパターン。

もうひとつは「ただ単に不器用なだけなんだよ」ということを相手に知ってほしくて「根はいい人なんだけどね」というセリフを使うパターン。正直で融通がきかないけれど、他人にも厳しい分自分にも厳しい。そんな人を称して「根はいい人なんだけどね」という場合もあります。

しかし、言われた方は「そっか～根はいい人なのか、じゃあ仕方ないね！」とはならないもの。「だからなんなの？」とモヤモヤしてしまうだけなんです。果たして「根はいい人」って本当にいい人なのでしょうか？中には「根っこはいい人、って葉っぱや茎は悪い人ってことじゃん！」なんて考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

正解は自分の心の中にある…？

ここで少し、視点を変えてみましょう。あなたが「あの人、根はいい人なんだけどね」と思わず発言してしまう…それはどんなときでしょう。

ある人のことの愚痴をさんざんこぼした後に、「でも、いいところもあるし、ちょっと言い過ぎたかな…」なんて罪悪感にかられて「根はいい人なんだよね」とこぼしてしまうケース。もしくは、これからも付き合いは続いて行くから、悪い人だとは思いたくない、いいところがあるから自分はこれからも付き合っていくんだ…という意思表示として「根はいい人なんだよ」と発言する場合もあるかもしれません。

いずれにせよ、相手のことを悪く言いっぱなしで終えるのは、本意ではない…という場合や、フォローしたいけれど上手い言葉が見つからない、というときに「根はいい人なんだけど」という言葉を使ってしまうような気がします。

ということは、曲がりなりにも「根がいい人」と（一応？）フォローされる人は、どこかに魅力を兼ね備えている人、ということなのかもしれません。

もし、あなたが「あの人は根がいい人なんだから」と言われたときは、「根がいい、としかフォロー仕様がないような、印象通りの嫌な人なんだな」と思うのか、「根がいい人、というくらいなのだから、もしかしたら自分が気付いていない魅力がどこかにあるのかも。もう少しあの人の言動を寛大に受けとめて見ようか」と思うのか。それはあなたの自由。つまり、正解はあなたの心次第、ということなのかもしれません。

ただし、友人知人に対して「根はいい人だから、我慢して付き合おう」と思うようになったら要注意。「今はすごく一緒にいるのはしんどいし、ストレスがたまっているけれど、根はいい人だから…」と自分に無理矢理言い聞かせているだけ。そんな関係に未来はありません。友人知人にそんな思いを抱くようになったら、距離を置くのが吉だと筆者は考えます。

深く受けとめる必要のないセリフ

「根はいい人」って、ある意味免罪符みたいなものだと筆者は考えます。悪口を言ったとき、聞かされたときに、その場をおおごとにしないための魔法の言葉。

確かにその言葉に納得がいかずにモヤモヤすることも多々ありますが、その言葉自体に重きを置いている人は少ないのかもしれません。そう思うと「根はいい人」という言葉にいちいち振り回される必要はないのかな…なんて思うのです。