ブラック企業は二度とゴメン! 仕事をやめた過酷な状況と転職時の注意点
LIMO / 2019年10月5日 20時15分

ブラック企業は二度とゴメン! 仕事をやめた過酷な状況と転職時の注意点
ここはブラック企業だった!と、入社してから気づいて後悔したという人もいるかもしれません。そんな経験をした人は、何に打ちのめされて会社をやめたのでしょうか。また、なかなか入社前に企業の内情を知ることは難しいですが、ブラックかどうかを見分けるにはどんな方法があるのでしょうか。
ブラック企業の定義と見分け方
厚生労働省の委託事業者である安全衛生優良企業マーク推進機構によると、ブラック企業とは「コンプライアンス(法令や規則)を遵守していない企業のこと」とされています。その一般的な特徴としては、労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、サービス残業やパワハラが横行するといったことがあげられるのではないでしょうか。
また、最近では違法な長時間労働を繰り返している企業に対し、厚生労働省は「全社的な早期是正について指導するとともに、その事実を公表する」としています。ただ、対象基準の一つが「社会的に影響力の大きい企業であること」とされているため、実質的に中小企業は含まれていません。
そうしたブラック企業を入社前に見分ける手がかりの一つは離職率です。そもそも居心地の良い会社であれば、社員は会社を辞めないものです。離職率が高いところは常に人手不足で長時間労働が当たり前になっていたり、ノルマが多くパワハラの問題などがあったりする可能性が高いと言えます。
就職四季報(東洋経済新報社)には3年後離職率が載っていますが、公表されていない場合は、面接時に聞いてみるといいでしょう。面接で答えをはぐらかされた場合は離職率の高さを知られたくないのかもしれませんので、注意が必要です。
他にも、最近では企業で実際に働いている(働いていた)人の生の声を知ることができる企業クチコミサイトもあります。企業や転職エージェントからの情報は表面的なことが多いので、このようなサイトやブラック企業大賞のサイトなどをチェックしてみることも大切です。
ブラック企業から転職した人のエピソード
上述のように、ブラック企業では「極端な長時間労働やノルマ」「サービス残業やパワハラ」が横行するという状況があります。次に、そんな職場をやめることになった人のエピソードを紹介します。
先輩のパワハラでうつ状態に
金融機関で働いていたAさんは、異動先で席が隣り合わせになった先輩からのパワハラでダメージを受けたといいます。
大声で怒鳴られることから始まり、次第に「なんでそんなに頭が悪いの?」「一回死んで人生やり直して来い」などという人格否定発言へとエスカレート。Aさんは朝起きられなくなったり通勤途中に気分が悪くなるような状態に陥り、周囲のすすめで心療内科を受診したところ、うつ病一歩手前と診断されて退職を決めました。今は休養期間を経て転職しています。
残業や休日出勤が多すぎて疲労困憊
Bさんが務めていた建設系の会社は、残業や休日出勤が当たり前。夜勤シフトを巧みに使って1か月で32連勤などという事態になることもあったそうです。
現場監督のBさんは、人手不足のため自分も一緒に手を動かす毎日。そんな中で休みが取れず、心身ともに限界だと感じて上司に休みを申請したところ、「この忙しい時期に休むのか、周りのことを考えろ。別にやめてもいい、お前の代わりはいくらでもいる」と言われて転職を決意したといいます。転職先も同じ建築系ではあるものの、仕事の環境は大幅に改善したそうです。
転職で失敗しないために
ブラック企業から転職をするのであれば、次こそは自分の適性に合い、きちんと評価してくれる会社に転職し、転職先でもうまくやっていきたいものです。では、どんなことに注意すればいいのでしょうか。
そもそも転職の場合は即戦力を期待されるので、転職してすぐに力を発揮できなければ「使えない人が来た」と思われてしまいます。まずは、自己分析に加え、周りの人に評価してもらう他己分析もして自分の得意なことを見極めましょう。その上で、自分の力を発揮できそうな会社・部署・職種に転職できるようにアプローチすれば、転職後のギャップも少なくなるのではないでしょうか。
また、どんなに自信があっても謙虚でいられることも大切です。日本企業の多くは終身雇用制度が前提であったため、新卒(プロパー社員)にその企業独特の文化を叩きこむ風土が非常に強いもの。転職者から見て非効率に感じることがあっても、前職ではこうだった、ああだったと言いすぎると、異分子として疎まれてしまいます。人間関係を含め、その会社にある程度慣れて働きやすい環境を築いてから、自分の意見を出していくのが賢明でしょう。
おわりに
自分が働いている企業がブラックかも?と思ったら、厚生労働省の労働条件に関する総合情報サイト「確かめよう労働条件」を参照してみてください。相談機関の紹介ページ(https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/)もあります。また、安全衛生優良企業マーク推進機構のサイトで、ブラック企業簡易診断のページ(https://shem.or.jp/yujiro/black?gclid=Cj0KCQjw-b7qBRDPARIsADVbUbW3FvIU2Nv2RuuugsGwJFM33qY6_zWAuADuyrxGw8MVWQ0dzvYVRp4aAkX7EALw_wcB)を見てみるのも良いでしょう。精神的・肉体的に辛い労働環境であれば、無理に我慢することはありません。周囲の信頼できる人やしかるべき機関に相談し、早めに手を打ちましょう。
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