老後の「最低日常生活費」は22万円!人生100年時代、「いつ」までに「いくら」貯めるべきか
LIMO / 2019年10月11日 19時15分
老後の「最低日常生活費」は22万円!人生100年時代、「いつ」までに「いくら」貯めるべきか
『老後2000万円問題』は記憶に新しいところですが、さて、自分自身の「老後」を考えた場合、「本当にそんなに貯蓄は必要?」と思った人も多いのではないでしょうか?
とはいえ、私たちはいつか働き続けることが難しくなります。本当に2000万円もの貯蓄が必要になるかどうかは別として、「老後のために貯蓄が必要」いうことは間違いありません。
そこで今回は、老後資金貯蓄の目標額について考えてみることにしましょう。
まずは老後のライフプランを考えよう
老後のための貯蓄額を決めるにあたり、まず、「何歳から老後資金を切り崩すのか」をイメージしてみましょう。そこで、参考になるのが、公益財団法人・生命保険文化センターが公表した「公的年金や退職金以外に準備した資金を使い始める年齢(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/1.html)」に関するデータです。
59歳以下・・・1.8%
60歳・・・・・18.4%
61~64歳・・・2.2%
65歳・・・・・39.5%
66~69歳・・・2.2%
70歳・・・・・18.2
71歳以上・・・3.3%
わからない・・14.4%
これより、老後資金を生活費として使い始める平均年齢は65.1歳であることが分かります。
定年退職や公的年金の支給開始の時期には個人差があるため、今のうちから「自分は『老後』のスタートをいつ切るのか」という点を、はっきりとさせておいたほうがよいでしょう。
老後に向けた貯蓄の目安は?
老後資金の目安は、「老後の収入」から「老後に必要な生活費」を引いて考えることができます。まずは、2019年に生命保険文化センターが公開した『令和元年度「生活保障に関する調査(速報版)」(http://www.jili.or.jp/press/2019/nwl4.html)』をもとに、老後の生活費からチェックしていきましょう。
この調査の結果、「老後の最低日常生活費」の平均額は22.1万円となりました。その一方、「老後のゆとりのための上乗せ額」の平均額は14.0万円と示されています。先ほどの「老後の最低日常生活費」と足すと、月額平均36.1万円となります。
続いて、老後の収入について見ていきます。定年退職を迎えた後は、年金が主な収入源となるでしょう。
2019年1月に厚生労働省が発表した『平成31年度の年金額改定についてお知らせします(https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000468259.pdf)』
をもとに、新規裁定者(67歳以下)の公的年金の受給例をみていきましょう。
国民年金の場合は、満額受給者1人あたり月額6万5008円です。一方、厚生年金のモデル世帯では月額22万1504円が受け取れます。
※モデル世帯とは、「夫が平均月収42.8万円で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯」で、実際の年金額は夫の平均月収や妻の就業状況によっても変わってきます。
ゆとりのある老後生活に必要な費用は36.1万円であるため、モデル世帯の場合、毎月約14万円が不足すると考えられます。
仮に60歳で定年を迎え、90歳まで生存したとすると、30年間の老後資金を用意しなければなりません。
14万円×12か月×30年間=5040万円
30年間で5000万円以上の生活費が不足すると算出されました。ただし、世帯によって年金の支給額や生活費は異なります。あくまでも目安として捉えておきましょう。
『おひとりさま』の老後は?
先ほどは、夫婦のケースを例に挙げて考えてみましたが、なかには「独身のまま老後を迎えることになるかも…」という人もいるでしょう。そういう場合は、当然、自分ひとりの力で老後資金を用意しなければなりません。しかし、自力で多くの貯蓄を用意するのは、なかなか厳しい道のりといえるでしょう。
その場合、考えたほうがよいのは、「この先、自分が結婚する可能性があるか?」という点です。可能性が限りなく低いということであれば、思い切って婚活を辞めてみるのも1つの方法です。
婚活イベントの参加料や毎回のデート代は、積み重なるとかなりの出費になってしまうことも。早々に独身でいると決め、婚活にかかる費用を貯蓄に充てるようにすれば、その分余裕を持って、老後資金を準備することができます。
まとめ
思っていたよりも多くの老後資金が必要になると知り、焦りを感じた方もいるのではないでしょうか。退職金や年金だけに頼ろうとしていると、「思いのほか、生活が厳しい」という事態に陥ってしまう可能性も。「いつ使い始めるのか」を念頭に置き、それまでに必要な金額が準備できるよう、計画的に貯蓄しておくことをおすすめします。
【参考】
『「老後」とはいつから?』生命保険文化センター
『令和元年度「生活保障に関する調査(速報版)」』生命保険文化センター
『平成31年度の年金額改定についてお知らせします』厚生労働省
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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