見守るつもりが見張っている!?子供に「いらない」といわれる毒親にならないために
LIMO / 2019年10月22日 9時15分
見守るつもりが見張っている!?子供に「いらない」といわれる毒親にならないために
近年、世間的にもだいぶ定着してきた「毒親」という言葉。子供たちによくない影響を及ぼす親をひとくくりに呼ぶその言葉ですが、ひとことに毒親といってもタイプはさまざま。
誰が見ても明らかなものから、実は自分も毒親に該当している?というようなものまで実はタイプがあるようです。
タイプ別に見る毒親
精神科医の斎藤学氏は、毒親を4タイプに分類しています。
・過干渉、統制タイプ 何でも先回りしてしまい、子供に指示を出す
・無視タイプ ネグレクト(育児放棄)や、ワーカホリズム(仕事依存)の親など
・ケダモノのようなタイプ 暴言・暴力などの虐待や性的虐待など
・病気の親 精神障害や反社会性人格を持つ親など
どれも子供にとって、深刻な状況を作ってしまう問題です。この4つを比べてみると、他の3つと少し違うのが「過干渉、統制タイプ」。実は、一見「子供のことをよく見ているいいお母さん」などとみられることも多く、毒親なことを見落とされがちなのがこのタイプなのです。
※「病気の親」について、斎藤氏は「(双極性障害やうつなどの)親のもとに生まれた子どもたちには、できる限りの支援と保護が必要である。しかし、精神病を持った親もまた周囲の適切な支援と保護が必要な患者なのである。」としています。
ヘリコプターペアレンツと呼ばれる過干渉な親たち
子供を悪影響なものに関わらせたくない、自分の管理下に置いておきたいという思いのあまり、子供の頭上でホバリングをするかのように監視している親を、ヘリコプターペアレンツと呼びます。一見、このタイプは子供を守るために一生懸命な愛情深い親にも見えてしまうため、周囲が毒親であることに気づかず、親を褒めてしまい子供を傷つけていることも。
子供が困難に立ち向かうことは、悪い事ばかりではありません。しかし、このタイプの親は事前に困難を遠ざけ、子供が自分で考える以前に安全な道を指示してしまいます。結果、子供の学ぶ機会を奪い成長や思考力を止めてしまう、なんとも皮肉な状況を生んでいるようです。
子供にも自尊心がある
子供を心配する親と、干渉する親の違いはどこにあるのでしょうか。私たちはついつい「まだ子供で分別がつかない」と考えてしまいがちです。しかし、いくら子供であっても、一人一人に人権があります。大人になるとそのことを忘れてしまい、経済的・体力的・精神的に優位な自分との差から「自分の方が上なので、この判断は正しい」と意見を押し付け、子供の人権を軽視する結果を作り出してしまっているのです。
自分の考えを奪われ、失敗する経験をしてこなかった子供は、大人になって社会に出た際その経験を奪っていたのが、実は親だったことに気づき愕然とします。愛しているからこそ口を出さずにそっと見守る、というのは、案外難しいことです。しかし、「相手はあくまで対等な一人の人間」と考えることで、子供を支配してしまう考え方から脱却できるのではないでしょうか。
毒親家庭で育ったら
過干渉の親に悩んでいるのは、未成年だけではありません。成人して就職・結婚後も親の干渉や口出しに頭を悩ませている人は存在します。いくつになっても親を悲しませてはいけない、親に意見をするのは悪いことだ、という罪悪感からその支配から逃れられない人は、親と距離を取ることは決して悪いことではないことを知ってください。
距離を置くことで自分自身を大切にしたり、親自身もその束縛に気づくことができるいいきっかけになるかもしれません。毒親に育てられたことで、自分の人生を諦めないよう考えることが大切です。
まとめ
いつまでも子供と思っていても、子供たちは知らないうちに成長していくものです。危険なことや失敗をして欲しくない、そんな親心もわかりますが子供が転んだ際に一緒に立ち上がれるよう考え、見守ることこそ、親にとって大切なことではないでしょうか。
知らず知らずのうちに子供を支配してしまっていないか、改めて見直すことで、子供の成長を発見できるかもしれません。
参考:『毒親と子どもたち(https://www.hitachi-zaidan.org/mirai/02/paper/pdf/saito_treatise.pdf)』斎藤学
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