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台風19号被災者に総額50億円の緊急支援策を発表した日本財団。住宅再建のための新制度も

LIMO / 2019年10月23日 20時15分

台風19号被災者に総額50億円の緊急支援策を発表した日本財団。住宅再建のための新制度も

台風19号被災者に総額50億円の緊急支援策を発表した日本財団。住宅再建のための新制度も

10月12日、台風19号によって関東甲信越から東北地方を中心に日本全体を襲った記録的な大雨。鉄道や空路などの交通網のマヒだけでなく、21河川24か所もの決壊、溢水・越水氾濫、土砂崩れ、家屋の浸水など各地に甚大な被害をもたらしました。大雨から1週間以上が経った今なお、大勢の人が懸命な復旧作業に追われている状況です。

こうした深刻な状況を踏まえ、日本財団は大々的な支援策を緊急発表。10月17日には、緊急記者会見が行われました。

教育機関や学生ボランティアへ25億円を支援

日本財団は、公営競技である競艇の収益金を財源として社会福祉や教育など、さまざまな子ども支援、障害者支援、災害復興支援を行っている公益財団法人。これまで2011年の東日本大震災をはじめとして、1995年の阪神・淡路大震災以降、全国各地で発生した災害に対し延べ60回以上にわたり活動を行ってきました。

記者会見に臨んだ笹川陽平日本財団会長は、「今回は、特に保育園や幼稚園、小中学校、高校等の被災が目立った台風だった」と振り返り、教育環境の整備に20億円を充てることを説明しました。

具体的には、被災した保育園や幼稚園等2000の施設に対して、1園(校)あたり上限200万円分の教材を支援します。園児たちのお昼寝で必要な毛布や布団、学校で必要な教材、楽器、図書や体育用具などを購入し、一刻も早い教育機関の開園(校)を目指すのが目的。これは、子どもたちの遊び場や教育環境に対してはもちろんのこと、幼稚園や保育園が閉鎖されているために親が仕事に行けない状況になっていることを憂慮した上での判断のようです。

また現在、数多くのメディアで報道されているのが被災自治体で汗を流す地元の中学生や高校生、大学生のボランティア活動。彼らは被災した家庭を回って泥かきをしたり、物資の運搬作業をしたりして町の復興を目指しています。

日本財団ではそんな地元の学生や生徒のボランティア参加支援も発表しました。1校あたり上限50万円として1000校に、トータル5億円を拠出。長靴やマスクなど、復興作業で必要な備品の購入に充ててもらうことを目的とします。これには、「郷土を愛する気持ちから自発的に活動する若者のボランティアに、感動と勇気をもらった」と笹川会長は理由を説明しました。

被災者や災害関連死に対するさまざまな支援策も

また、被災者に対する支援として1億円を用意。今回の被災によって亡くなった方のご遺族に対する弔慰金として亡くなった方1人あたり10万円を支援します。これは長期間の避難所生活等によって心身状態が悪化することなどが原因の災害関連死も含むそう。

災害関連死の原因の一つでもある避難所の生活については、プライベート空間や衛生状況など様々な問題が指摘されています。日本財団ではこの災害関連死の防止施策として今回、避難所や福祉施設等で必要とされる1台約20万円の非常用トイレを500台配備することを発表しました。

すでに宮城県丸森町にはNPO法人災害医療ACT研究所を通じて10月15日に配備済。また、記者会見が行われた10月17日にも福島県と長野県に配備し、今後は各自治体や避難所等から要望があれば配備していくとのことです。

度重なる住宅被害に対する新制度を創設

これまでの自然災害と同様に、今回の台風19号でも、自宅の倒壊や浸水などで住めない状態になってしまった人が非常に多くなっています。住宅の再建は、復興作業の中でもとりわけ時間とお金がかかり、被災者の負担感が強いものです。

そんな中、今回日本財団では住まいや事業所の被災に対し、新たな融資制度を設立。詳細は今後、被災自治体と協議するとのことですが、住宅再建や事業資金を金融機関から借りた場合の利子を日本財団が補う内容で、20億円もの財源を充てる方針です。

自然災害による住宅の倒壊は、平成10年に成立した被災者生活再建支援法によって「被災者生活再建支援金」が支給されるようになっています。これは全壊世帯には100万円、大規模半壊世帯には50万円の「基礎支援金」に加え、住宅の建設や購入、補修等に応じて50万円~200万円の「加算支援金」がそれぞれ支給される仕組み。

また被災して家が倒壊したものの、払い終えていないローンがある場合には自治体ごとに「災害救助法」が適応され、被災ローン減免制度(自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン)で債務整理ができる場合もあります。

こうしたすでにある国の制度としての支援金や制度に加え、日本財団では独自の融資制度を設けることによって、被災者の一刻も早い住宅の再建をサポートする意向です。

おわりに

もはや毎年のように大災害が起こっており、河川から遠かろうが都心に住んでいようが、どこにいても被災する可能性がある日本。今回の台風で被災していない我々にできることは、ボランティアや募金等による被災地支援はもちろんのこと、ハザードマップの確認やいつか自分が被災してしまった場合の制度を念頭に入れるといった有益な情報や知識をたくさん持っておくことに尽きるでしょう。

そして、今まさに困っている人に今回の日本財団による支援のような情報を伝えてあげることも、1つの小さな支援になるのではないでしょうか。

今回の支援に関する申し込み方法や詳細等は日本財団HP(https://www.nippon-foundation.or.jp/)を確認してください。また、問い合わせ先はメール:saigai@ps.nippon-foundation.or.jp、電話:03-6229-5111(コールセンター)まで。

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