昭和から令和へ、お正月の風景から消えていったものは何?
LIMO / 2020年1月8日 20時15分
昭和から令和へ、お正月の風景から消えていったものは何?
令和初の正月も終わり、日常生活がスタートしましたね。年末年始に長時間子供達と過ごしていると、童心に返ったり、自分の子供時代を思い出すことがあります。「そういえば昭和や平成にはあった正月の風物詩が消えている」と感じることはないでしょうか。
そこで今回は、昔は当たり前だった正月の風物詩を振り返ってみます。
年末年始にフル回転した「プリントゴッコ」
パソコンが普及する前、カラーで手軽に年賀状が作れるプリントゴッコを愛用する方は多かったことでしょう。
普段は棚や押入れの中にしまい込まれているものの、12月に入ると年賀状のためににフル活動。プリントゴッコ専用の年賀状デザイン集が店頭に並び、「今年はどれにしようか」と悩んだものです。
町の文具店はデザインを転写させるときに使う豆電球やインクを取り扱っており、筆者もインクが足りなくなると親からおつかいを頼まれたことを覚えています。
昭和の終わりや平成初期にはワープロによる年賀状作成ができるようになりましたが、印刷は白黒だったため、色鮮やかなプリントゴッコは人気を集めていました。
しかし、Windows95の発売によるパソコンの普及、カラー印刷対応プリンターや筆まめなどの年賀状作成ソフトが家庭に浸透していった結果、プリントゴッコの出番は急激に減少。
2008年6月末に本体が販売終了、2012年には諸々の部品の販売も終了して製造元が事業終了を発表。一世を風靡したプリントゴッコは姿を消していきました。
全民放で放送されていた「ゆく年くる年」
子供の頃「大晦日の夜、寝ないで新年を迎えるぞ」と紅白歌合戦が終わった後も粘っているとき、民放のチャンネルを回すと同じ番組が流れているという経験をした方もいるはずです。
ゆく年くる年は、民放テレビ局が持ち回りで大晦日の午後11時40分や45分頃から元旦の午前1時から午前1時45分頃まで放送していた年末年始の名物番組の1つ。NHKのゆく年くる年とは趣が異なり、海外からの中継もあるなど華やかさを前面に出した番組でした。
大人になった今だから言えますが、当然ながら視聴者は大人であることが前提に作られており、親は楽しんでいるけれど子供が楽しめる構成ではありませんでした。そのため、筆者は毎年見ているうちに眠りに落ちたものです。
この民放テレビ局が制作したゆく年くる年は、1988年から1989年にかけての放送を最後に終わりを迎えました。
家庭用テレビの黎明期でもある昭和31年に始まり、テレビが全国津々浦々にまで浸透した昭和最後の年末年始に終了したのは、その後の平成期に各テレビ局が深夜帯で特色ある名物番組を作成することに繋がったといえるのではないでしょうか。
正月番組の定番「新春かくし芸大会」
正月のテレビ番組と言えば、新春かくし芸大会の名を上げる方は多いことでしょう。西軍と東軍(後期は紅白軍)の対抗戦で、当代の人気アイドルや芸人、俳優、女優そして大物タレントなどが手品や曲芸、コント、名作ドラマや映画のパロディーを披露する新春に相応しい豪華で大がかりな番組でした。
筆者が今でも鮮明に覚えているのが、井上順さんが演じる大人気映画「インディ・ジョーンズ」のパロディー、「インディ・ジューンズ」です。海外ロケもあったと記憶していますが、子供でもお金をかけていることが分かりました。
しかしテレビ史に燦然と輝く新春かくし芸大会も、昭和から平成へと時代が移り変わる中で視聴率が低下していきました。他局が「打倒かくし芸大会」を掲げ、視聴者の選択肢が増えたことも要因と考えられます。
視聴率低下の打開策が見つからぬまま、2010年元旦の放送を最後に47年間にわたる歴史に幕を閉じました。
正月飾りを付けている車
子供時代が昭和だと、誰もが目にしたことのあるのが正月飾りを付けている車ではないでしょうか。筆者が住んでいた町内でも、裕福な家庭ではそういった飾りを付けていることが多く、一種のステータスシンボルのように感じていました。
正月飾りを付けることに憧れを抱いていたものの、昭和が過ぎ平成に入るころには目にする機会が激減したのを記憶しています。
令和最初の今年の正月、筆者は一度も正月飾りを付けている車と出会いませんでした。車をあまり見ていないわけではありません。むしろ、子供時代の方が正月期間中に車を見る回数が少なかったのに、圧倒的に正月飾りを目撃することが多かったのです。
今では正月飾りをしなくても、ステッカー型など多種多様な車専用の御守りが売られています。取れないか心配する正月飾りより、ステッカーなどを貼っていた方が安心して運転に集中できるのでしょう。
時代は常に変化し正月の姿も変わる
こうして振り返ってみると、昭和や平成初期にかけて年末年始に欠かせなかったアイテムや番組が消えていることに気がつきます。あれだけ人気があったアイテムや番組も時代の流れや人々の嗜好の変化、そして新たに魅力的なコンテンツが登場すると、あっという間に廃れてしまうのです。
新春のおめでたい気分に浸っていた筆者は、昭和の正月を思い出すことで、どれだけ人々から支持されていても、何かのはずみで簡単に立場が揺らいでしまったり消えてしまう恐ろしさと隣り合わせだということを教えてもらった気がします。時代は常に変化するものです。令和になって初めて迎えた正月が過ぎても、気を緩めずに新たな年を歩んでいきましょう。
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