家賃や学費が払えない! 残業時間が半端ない… コロナが生活を直撃した人々の実態
LIMO / 2020年5月4日 20時0分
家賃や学費が払えない! 残業時間が半端ない… コロナが生活を直撃した人々の実態
新型コロナによる緊急事態宣言で外出自粛が続いています。感染拡大防止は大切なことですが、それゆえに働くことができなくなった人、逆に生活用品の販売のために残業時間の上限を超えてまで働かざるをえない人もいるようです。今回は新型コロナの影響を受けたという人たちに話を聞いてみました。
このままでは大学をやめないといけない
「このままでは大学を続けられない」と嘆くのは、大学2年生のAさんです。Aさんは東海地方のある県から東京の大学へ進学、同時に奨学金を借りました。両親の経済状況も考慮し、自分自身で一人暮らしの費用と学費を賄っていたのです。しかし、外出自粛のために生活費が稼げなくなってしまいました。
「時給が高いコールセンターと深夜まで入れる飲食店のアルバイトを掛け持ちしていた。けれど、飲食店は営業を一時停止、コールセンターは従業員数を減らして稼働している」のだそう。
「コールセンターは自宅にインターネット環境があって、ウイルス対策ソフトが入っているパソコンを持っていればリモートワークでも働けるようになりつつある。でも、私の家にはレポートを書くための安いパソコンしかないからウイルス対策ソフトなんて入っていない。ネット回線もない」と落ち込んだ声で話していました。
さらに「人を減らして営業しているので、自力で幅広い対応ができる人を優先的にシフトに入れている状態。でも、自分は仕事を始めて3カ月くらいで、やっと初歩的な応対ができるようになったばかり。会社の状況も理解できるからシフトに入れてくれともいえない」とのこと。
そのため、毎月の奨学金8万円と、週1~2回シフトに入れる分の月3万円のアルバイト代でしのがなければならないと言います。しかし、家賃4万円のほか、生活費や学費のやりくりはどう考えても厳しく、「両親もコロナの影響で収入が減っているというし、今はもう大学をやめて実家に帰るしかないかと思っている」と話していました。
バイトがなくなり家賃が払えない
続いても、専門学校の学生であるBさんです。美容専門学校に通っていたBさんは、カフェのアルバイトが続けられなくなり、家賃が支払えなくなっていると言います。
「月5万円の家賃が払えない。大家さんにも頼み込んでいるけれど、カフェが完全に休業する前から客足が減ったのでシフトが減らされていた。この状況がもう2カ月続いているので、大家さんを待たせるのも限界だと思う」と話します。
「大家さんも『こういう状況だからね』と言ってくれてはいるものの、外出自粛が解禁になってもすぐにアルバイトを増やせるわけじゃないし、この先ずっと滞納した数カ月分の家賃を払うためにお金を貯めていかなければならない。学校が始まれば実習でアルバイトができないくらい忙しいときもあるし、お先真っ暗。毎日お金のことを考えるのがとても辛い」と、ため息交じりに話してくれました。
どんなに待ってもらっても、何カ月分かの家賃をまとめて支払うのは学生にとってはかなり負担が重いものです。もともと父親がおらず、母親と弟を助けるために美容師として腕一本でやっていける仕事を、と思って専門学校を選んだというBさんが頼れる先はなく、学校をやめて働くことを考えていると言っていました。
派遣切りで無収入、帰省したくてもできない
イベント関連の広告会社で派遣事務職をしていたCさん。新型コロナの影響でイベントが相次いで中止になり、Cさんの働く広告会社の収益も激減したと言います。
「派遣社員や業務委託社員はリモートワークの対象外で、3月は感染が怖いと感じながら毎日出社。でも、ちょうど4月に入るときが契約更新だったのであっけなく切られてしまった。派遣はいつ切られても仕方ないとわかってはいたけれど、いざとなるとかなりキツイ。それに、この状況では派遣社員を雇おうという会社はなかなか見つからない」とのこと。
収入がなくなったCさんは現在仕事を探しているものの、貯金も底をつきそうだということで帰省を検討している様子。ただ、「ただ、感染者数が少ない県なので今すぐ東京から帰るわけにはいかない。県からも帰省自粛の要請が出ているというし…。このままだと居場所がなくなりそうで怖い」と途方に暮れていました。
スーパーは毎日大混乱
スーパーで働くDさんは、毎日大混乱の中で働いていると言います。「一時よりはだいぶマシになったけど、小学校の一斉休校でシフトに入れなくなったパートの人もいるし、体調不良のパートやアルバイトが出たらすぐに休むよう言わなければならない」と、人手が足りない状況を説明します。
「社員は近場の別店舗にヘルプに行くことも多くて、今日はあっちの店舗、明日はこっちの店舗という感じで毎日出勤先が異なることも。仕入れる商品もお客さんも多いし、特に衛生用品を売るフロアが本当に品切ればかりで、顧客のクレームもあり、パートでもやめる人が増えてしまった」と嘆きます。
「家族連れが多い店は毎日激混みで、疲労困憊の毎日。残業も月80時間をゆうに超えるのでタイムカードは偽装している。せっかく感染予防のために透明のシートをレジに設置しても、お年寄りを中心にそれを押し上げて話をしてくる人も。今は1人でも従業員が体調不良になったら店は回らない状況なのに、マスクなしで予防シートを押し上げてくるのはなんとかしてほしい」とため息をついていました。
おわりに
新型コロナの影響で生活が厳しくなっている人は少なくないと思います。今回話を聞いた4人の中でも、特に学生の2人は貯金も底をつきかけて、自粛が長引けば退学を余儀なくされる状況でした。この4月から、文部科学省が高等教育修学支援新制度をスタートさせていますが、対象となる条件を満たせるかどうかというハードルもあります。この状況がいつまで続くのかはわかりませんが、一刻も早く元の生活に戻れることを願うばかりです。
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