みんなはいくら貯めている?20代~70代の貯蓄と負債の状況
LIMO / 2020年6月15日 18時45分
みんなはいくら貯めている?20代~70代の貯蓄と負債の状況
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で経済活動が制限され、各国の株式市場・為替市場・商品市場は乱高下を繰り返しています。「将来の生活はどうなってしまうのか」「老後資金は足りるだろうか」と不安を感じている人は少なくありません。
こんなときだからこそ、自分の資産を作る方法を知っておくことが大切です。老後のために今からできることを考えてみましょう。
年齢別の貯蓄と負債状況
はじめに、年齢別の貯蓄と負債状況についてご紹介します。総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)によると、二人以上世帯の貯蓄現在高は1,755万円で、このうち通貨性および定期性預貯金は1,138万円です。負債現在高は570万円となっています。
世帯主の年齢階級別にみた貯蓄現在高と通貨性および定期性預貯金、負債現在高は以下の通りです。
貯蓄現在高
29歳未満:354万円
30~39歳:730万円
40~49歳:1,076万円
50~59歳:1,704万円
60~69歳:2,330万円
70歳以上:2,253万円
通貨性および定期性預貯金
29歳未満:234万円
30~39歳:513万円
40~49歳:681万円
50~59歳:1,016万円
60~69歳:1,464万円
70歳以上:1,542万円
負債現在高
29歳未満:877万円
30~39歳:1,395万円
40~49歳:1,124万円
50~59歳:652万円
60~69歳:250万円
70歳以上:70万円
40歳未満では、負債現在高が貯蓄現在高の2倍ほどに上ります。働きざかりといわれる40代の貯蓄現在高と負債現在高は、ほぼ同額です。これらの年代には、「住宅ローンや子どもの教育にお金がかかり、なかなか貯蓄に回す余裕がない」という人が少なくありません。
50代になると、ようやく貯蓄現在高が増えはじめます。通貨性および定期性預貯金は1,000万円を突破し、有価証券や生命保険などの金融資産を含めた合計は1,704万円に達します。
一方、負債現在高は652万円です。住宅ローンが残っている人もまだ多いということでしょう。定年退職が間近に迫り、「このまま老後に突入するのは不安だ」と感じる人もいるのではないでしょうか。
退職金をもらう人も多い60代では、負債現在高が250万円にまで減り、貯蓄現在高は2,330万円に達します。このうち、通貨性および定期性預貯金は1,464万円です。60代は「資産運用難民」ともいわれ、資産運用の選択肢が非常に限られてしまいます。これまで作ってきた資産をできるだけ減らさないことが求められます。
若いうちに資産運用をはじめよう
じつは、50代からできる資産運用法も決して多くありません。健康上の理由などから保険には次第に入りにくくなり、不動産投資をするための資金も借りにくくなります。個人で作る年金として知られる「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の資金拠出ができるのも、60歳までです(2020年6月時点)。
十分な老後資金を作るためには、30~40代の若いうちから準備をはじめる必要がありそうです。そのポイントは「収入を増やすこと」と「生活費を抑えること」、そして「資産運用をはじめること」の3つです。
収入を増やす
スキルアップやキャリアアップで給料を増やすことが収入アップの基本ですが、副業が認められているなら週末や休日を利用して自分ができることをはじめてみませんか。働き方改革の影響で残業が減った人は、ダラダラと時間を過ごすのではなく有効活用しましょう。
生活費を抑える
無駄な支出をカットすることも重要なポイントの一つです。スマートフォンを格安スマホに変えたり、インターネットのプランを見直してみたりするのも効果的です。過去に契約したサブスクリプションに、もう使っていないサービスはありませんか。ストレスにならない範囲で、無駄遣いを減らす習慣を身につけましょう。
資産運用をはじめる
「NISA」と「iDeCo」は、30~40代にもはじめやすい資産運用法です。長期的な資産形成のために国が整備した制度で、どちらも非課税枠が利用できます。
「iDeCo」は個人型確定拠出年金と呼ばれる仕組みです。原則60歳までお金を引き出せないため、確実に老後資金を作りたい人に向いています。積立資金は全額所得控除となり、住民税と所得税が軽減されます。運用益も非課税です。
「NISA」は、上場株式や投資信託に投資する仕組みで、配当金や分配金、売却益にかかる税金が非課税になります。商品によっては月額100円からはじめられるものもあり、いつでも購入した金融商品を売却して現金化できます。
資産運用で最も大切なポイントは「続けること」です。長い期間をかけてコツコツと積み立てていきましょう。まずは、負担にならない程度の少額を資産運用に回すところからはじめてみてはいかがでしょうか。
参考
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)総務省統計局
「みんなの老後資金はどれくらい?年齢別の貯蓄と負債」(https://limo.media/articles/-/17364)LIMO
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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