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「TODOリスト」は無意味か?効率を上げる条件とは

LIMO / 2020年8月8日 21時15分

「TODOリスト」は無意味か?効率を上げる条件とは

「TODOリスト」は無意味か?効率を上げる条件とは

在宅ワークは働き方に柔軟性をもたらすと同時に、仕事とプライベートの境目が曖昧にもなりがちです。結局、1日のやることが増え、焦燥感に駆られるという方も少なくないようです。

今さら言うまでもありませんが、多忙な生活の中で多くの人がTODOリストを活用しているようです。しかし、TODOリストを作ることで効率を上がる人もいれば、そうでない人もいるようです。また、TODOリストが性に合わないと言う人もいます。

じつは、TODOリストを書き出すことで、焦燥感を軽減する効果もあるそうです。しかし、ただ書き出しているだけでは裏目に出ることもあるというのです。「ウィズコロナ」で生活環境が変化する今、改めてTODOリストの活用について考えてみませんか。

TODOリストの心理的効果

ニュースメディア、The Guardian(※1)(http://%EF%BC%91%EF%BC%8E%09https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/may/10/the-psychology-of-the-to-do-list-why-your-brain-loves-ordered-tasks)が、TODOリストの心理的な効果について記事を掲載していたので、紹介します。

心理学者のデビッド・コーエン博士は、「TODOリストを書き出すことは、無秩序で多忙な生活の焦燥感を軽減し、目的達成への骨組みやプランを確認でき、最終的に達成感を味わえる」と、多くの人がTODOリストを活用する理由を3つ上げています。

また、心理学者、ボーマイスター博士とマシカンポ博士は2人の共同研究から、人はやるべきタスクが完了できていない間、それに固執し気がかりになり、他の事への集中力が低下する傾向があることが分かったといいます。

しかし、タスクを完了するための具体的なプランを書き出すことで、心の重荷が軽くなりタスク完了への効率を上げることも分かったということです。

とはいえ、「TODOリストは創造性を制限するし、就業時間中に柔軟性を持つことを妨げる」とTODOリストに反感を抱く人もいるようです。クリエイティブな仕事をしている人などには、自由な発想の妨げになるのかもしれません。

「先延ばしの心理」

また、TODOリストはあまり効果がないという人もいます。効果がでない理由の1つは、短期間に沢山のタスクをこなそうと欲張りなリストを作ってしまうことではないかという意見を散見します。心理学専門サイトPsych Centralの記事(※2)(http://%EF%BC%92%EF%BC%8E%09https://psychcentral.com/blog/how-to-write-an-effective-to-do-list/)では欲張りなリストと「先延ばし心理」との関係を指摘しています。

同記事では「先延ばし研究」の第一人者として知られる、カナダのカールトン大学の心理学教授ティム・ピチル博士の「タスクを書き出すことで、それを完了していなくても、達成感を覚え、脳に成功を見せかける」という主張を引用しています。書き出すことで完了してもいないのに達成感を得てしまい、次々に書き足し膨大なリストになってしまう。そして、結局は「先延ばし」になるということです。

ボーマイスター博士とマシカンポ博士が言うように、タスク完了のために具体的なプランを書き出すことで焦燥感は軽くなり、効率が上がることもあるといえます。一方で、成功に似た満足感を得てしまうことで、いつまでも実際に行動を行さなくなる可能性もあるということなのでしょう。

TODOリストは欲張らず具体的に、余裕も大切

このように、TODOリストは心理的な反応で効果が変わるようですが、どのようなTODOリストならばうまくいくのでしょうか。

一般的に日々のTODOリストでは、前述したように、あまり欲張り過ぎないほうがいいようです。欲張り過ぎは結局、「先延ばし癖」に繋がる可能性があります。 

また、なるべく具体的に書き出すといいともよく聞きます。例えば、「Aさんに電話する」だけではなく、「Aさんに電話して、○○と、xxについて聞く」というように詳細を書いておくと、電話する前に電話の目的を再確認でき、「聞き忘れたのでまた電話」という無駄も省けます。 

筆者個人的な方法は、中期的な目標を思い付いた時に手帳に書き出しておき、それを細分化して、日々の優先TODOリストの都合に応じて入れていきます

例えば、「棚のペンキを塗り替える」と中期目標をたてます。それをするためには、①どんな色にするかどの店で買うか等のリサーチ、②ペンキを買いに行く、と少なくても2つの小さなタスクがあります。その小さなタスクを、「今日は、仕事が早く片付きそうだから、色のリサーチだけしておこう」、「先日色を決めたペンキを今日は外出するからそのついでに買ってこよう」など、その日の都合に合わせ、徐々に進ませていくというやり方です。

個人的には、このように余裕を持った具体的なTODOリストが効率良く物事を片付けられるように思います。特に最近、半自粛生活をいかに有効に使おうと色んな目標を立て過ぎて、焦燥感に駆られたり、あまり物事が進まない自分を「怠けてる」と責めてしまう人もいるようです。

COVID-19に翻弄される今、既に誰もが何かしらのストレスを抱えています。あまり自分を追い詰めすぎず、計画通りに行かなくても受け入れ、柔軟性を持ちリラックスすることも大切だと多くの精神衛生の専門家は話しています。自分に優しい余裕を持ったTODOリストを工夫してみてはいかがでしょうか。

参考

(※1)The Guardian” The psychology of the to-do list – why your brain loves ordered tasks”(http://%EF%BC%91%EF%BC%8E%09https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/may/10/the-psychology-of-the-to-do-list-why-your-brain-loves-ordered-tasks)
(※2)PsychCentral“How to Write an Effective To-Do List”(http://%EF%BC%92%EF%BC%8E%09https://psychcentral.com/blog/how-to-write-an-effective-to-do-list/)

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