自分が食べる野菜は自分で作る。今、家庭菜園が流行るワケ
LIMO / 2020年8月23日 11時15分
自分が食べる野菜は自分で作る。今、家庭菜園が流行るワケ
「とれたてのキュウリとトマトを氷水で冷やして、キンキンに冷えたビールと一緒に味噌やマヨネーズをつけて食べる」都市部にいても家庭菜園は、夢でないかもしれません。
昨今、外出自粛やテレワークで自宅にいる時間が増えたことで、家庭菜園に取り組む人が増えているそうです。
実態はどのようになっているのでしょうか?実際に区民農園で野菜を栽培しているAさんのエピソードとともに、ご紹介します。
市民農園は、全国にどれくらいあるの?
区民農園など区画単位で借りられる農園は全国にどれくらいあるのでしょうか?農林水産省「都市農業の振興・市民農園について(https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/index.html#citizen_farm)」の市民農園開設状況一覧(開設主体より了承を得たもののみ)によると、平成31年3月末時点で全国に2750件の市民農園があり、東京都の特別区(23区)にも135か所の区民農園があるそうです。
園芸用品の売上も増えている⁈
「自分の食べるものを、世の中の動きに関係なく自分で賄いたい」アフターコロナの時代、そんな思いを持つ人います。2020年6月の経済産業省「商業動態統計(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result-2/index.html)」によると、ホームセンターの園芸・エクステリア2020年5月の販売額は792億円で2014年1月からの統計の中で最多の販売額になっています。
区民農園で野菜を栽培するAさんの例
東京23区内在住のAさんは、区民農園を2020年の3月から利用しています。畑を借りる費用は、2年間で約2万円ですが、掛かる費用はそれだけはありません。苗やタネだけでなく、肥料、支柱、不織布など育てるための「資材」も必要で、初期投資が思いのほかかさみました。
Aさんが集計した2020年3月から7月まで畑関連で掛かった費用概算は下記のとおりです。
タネ・苗代:7千726円
肥料代:3千847円
資材代:1万2090円
薬剤代:1千683円
合計:2万5346円
肥料は、牛ふん、ようりん、苦土石灰などを使います。資材は、寒いときに保温のためにかける不織布、虫や鳥よけの寒冷紗、トマトやキュウリやナスの茎を支える支柱や留め具、キュウリのツルを絡めるためのネット、雑草防止や保温に使う黒いマルチなどです。また、薬剤はトマトの実の付きをよくするトマトトーンや防虫剤などです。
畑を借りる費用と併せると5万円近い出費になり、コスパだけ考えるとも割高とも思えます。しかしAさんは「自粛期間に土に触れられたことは、精神安定剤になりました。3月中旬に蒔いた種が4月に芽が出た時の喜びはひとしおでした」と振り返ります。
さらに「収穫の喜びや食べるときの満足感を考えると、コストパフォーマンスはそれほど悪くない」といいます。資材などの初期投資はかさみますが、一度買えば使いまわせますし、農園の水道が使えるので水道代は掛かりません。家庭菜園は、子供が親離れしていくときのココロの隙間を埋めるには最適だとも思ったそうです。
半年弱でこんなに多くの野菜を収穫
Aさんは、キュウリを100本近く、トマトやジャガイモも70個近く収穫しています。「普通、そんなにうまくいかないんじゃないかしら?」と思います。Aさんに秘訣を聞いてみると「本に書いてある通りに愚直にやりました。娘の友達のお父さんに畑仕事が得意な人がいて、NHKの「趣味の園芸 やさいの時間」という本を貸してくれ熟読しました。
助言もしてもらったことも幸いしているかもしれません。」とのことでした。ネットにも多く情報がありますし、図書館で本を借りれば費用は掛からずに済みます。
ちなみに、いままで育てた野菜は下記のとおりです。
小松菜
ほうれん草
カブ
トマト
きゅうり
ピーマン
じゃがいも
なす
細ねぎ
大葉
バジル
パクチー
枝豆
ワケギ
パセリ
こんなの多くの野菜を半年弱の間に収穫できたそうです。
料理の最中に「あ、パセリを取りに行こう!」と思い立ちソテーのトッピングに加えたり、「そうめんの薬味がないから」と大葉と細ねぎを畑まで取りに行ったりして、とれたて野菜の醍醐味を味わっているそうです。また、キュウリはすぐに大きくなるため自分のうちでは食べきれずに、ご近所や会社の同僚にも配ったそうで、そのお返しもチラホラもらえて秘かに喜んでいたAさんでした。
自分で作った野菜を食べる安心感
Aさんは、自粛期間に買い物に行くことすら控えなければならないというムードだったときに「自分の畑さえあれば、なんとか生き延びられる」と感じたそうです。普段、私たちが口にしている食材は誰かが畑で作ってくれたものです。そんな「買わないと得られない食材」が、自分で野菜を作ったことで安心感が得られ、気持ちが落ち着いたそうです。
Aさん曰く「家庭菜園は、野菜に手を掛ければその分応えてくれますが、反対に手を抜けばそれなりの結果になります。また、夏場は水やりを怠れないので長期の旅行は難しいです。」とのこと。新しい生活様式時代、手をかけ目をかけ自分の食べるものを育てる家庭菜園は、新しい生活スタイルの一つになるのかもしれません。
【参考】
農林水産省「都市農業の振興・市民農園について(https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/index.html#citizen_farm)」
経済産業省「商業動態統計(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result-2/index.html)」
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