他人を非難したい人が多すぎる!? 正義感を暴走させる大人たちが怖い
LIMO / 2020年8月31日 8時0分
他人を非難したい人が多すぎる!? 正義感を暴走させる大人たちが怖い
悪いことをした人間は罰せられるべきである——。それは確かに正論なのですが、「あいつは悪いことをしたのだから、みんなで傷つけてもいい」「あの人は昔、こんな酷いことをしたのだから、我々が強く非難し続けるべきだ」とばかりに、完膚なきまでに叩きのめしてしまうのはいかがなものでしょうか。
正義感も行き過ぎると、恐るべき「悪」となる…最近そんなケースが多発しているように思います。
ほんのはずみで「悪い子」にされたCちゃん
先日、筆者の知人がこんな話をしてくれました。
彼女には小学2年生の娘、Cちゃんがいます。Cちゃんには、仲の良いクラスメイトの女の子がいるのですが、そのクラスメイトは少々強引なところがあるそうです。
「たとえば、うちの子は休み時間に本が読みたいのに、その子は『縄跳びしたいから外へ行こう』と無理矢理引っ張って連れていく、という風に、一事が万事その子が主導権を握っていて。うちの子はそれがストレスだったみたい」
「私は自分の好きなことがしたいのに」とこぼすCちゃんに、知人は「じゃあ、はっきりと『私は今、コレがしたいから、ごめんね』と言いなさい」とアドバイスをしたそうです。
翌日、案の定「お外で遊ぼう」と声をかけてきた彼女に、Cちゃんは「ごめんね、私本を読みたいから行かないね」と告げたそう。すると彼女は「なんで!? 行こうよ!」と強引にCちゃんの腕をひっぱりました。
思わず「やめて」と手を振り払うと、たまたまCちゃんの手が彼女の目元に当たり、彼女はシクシクと泣き出したのです。
クラスメイトたちからの猛攻撃
穏やかならぬ雰囲気に、続々と他の生徒たちが集まり「どうしたの?」「なんで泣いているの?」とたずねます。すると、彼女は泣きながら「Cちゃんにお外で遊ぼう、って言ったら『嫌だ』って腕を強く払われた」と答えたそうです。
するとその話を聞いた子供たちが口々に「何それ、最低」「かわいそうじゃん、謝りなよ」とCちゃんを責め立てます。
あまりの展開に何も言えなかったCちゃん、すると周りの子が、泣きじゃくるクラスメイトの肩を抱きかかえて「酷いよね、先生に言いに行こう」と先生の元へ報告に行きました。周りの雰囲気に気圧され、先生に事情を聞かれても何も言えず黙っているCちゃん。
するとまた周りの生徒たちは「Cちゃんって酷い!」「なんで謝れないの!」と強い口調で責め立てたそう。
声をふりしぼって「ごめんなさい」と言ったCちゃん、帰宅するなり声を上げて泣き出したそうです。
「もちろん先生には真実を伝えて、翌日うちの子と相手の子で話し合って事態は収束したけれど…。うちの子は『周りの子がすごくキツく怒ってきたのが嫌だった』と言ってた。それ以来、学校を休みがちになっているの」
「正義」は人を守るもののはずでは…?
知人のエピソードを聞いたときに、筆者の脳裏に浮かんだのは、SNS上で起きる行き過ぎたバッシング。
芸能人が不倫した、テレビ番組で感じの悪い態度をとっていた、不謹慎な発言をした…。すると、SNSには当人を非難するおびただしい数のコメントが寄せられます。あまりにも激しく非難され、収拾がつかなくなり、活動自粛に追い込まれた人もいれば、非難の数々に耐えられなくなり、自ら命を落とすという悲しい結末を選んだ人もいます。
話をCちゃんに戻しましょう。
子供たちが「Cちゃんがクラスの子を泣かした=Cちゃんが悪い」と判断し、そして「悪い子は謝らなければいけない」という結論に至り、正しい行動をしているつもりでCちゃんを責めた…という流れであったことは想像に難くありません。
子供というのは自分の目で見たものをすべてだととらえ、そこに至る背景までは深く考えたりしないものです。
しかし、成長するにつれ、「もしかしたら何か事情があるかもしれない」と考えるようになり、さらには「当人にしかわからない何かがあるかもしれないから、外野は黙っておこう」と配慮できるようにもなります。それが大人です。
しかし、昨今の炎上騒動や、コロナ禍の「他県ナンバー狩り」「自粛警察」騒動を見ていると、なんと大人になり切れていない人が多いのか…と考えることしきりです。
誤解を恐れずに言えば、「自分軸の正義感で他人を攻撃することによりマウントをとっている、あるいはストレス解消をしている」人が非常に多いように見えるのです。
まとめ
安全な場所から誰かを攻撃するために、他人の過失に目を光らせる…。それが果たして「正義」といえるのか、筆者は疑問に思います。都合のいい「正義」を振りかざし、行き過ぎたバッシングをすることで、はからずも自分が加害者になる可能性もあるのです。
昔から「罪を憎んで人を憎まず」とよく言われます。その言葉の意味を今一度、じっくりと考えるべき時が来ているのではないでしょうか。
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