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「倍返し」は人生を台無しに!? 防衛が許されるための5つの要件

LIMO / 2020年9月5日 16時0分

「倍返し」は人生を台無しに!? 防衛が許されるための5つの要件

「倍返し」は人生を台無しに!? 防衛が許されるための5つの要件

テレビドラマ『半沢直樹』が好調です。最終回に42.2%という驚異の高視聴率を記録した前シーズンから7年を経た今シーズンも毎回22%を超え、25.5%(第5話)、24.7%(第7話)という人気ぶりです。景気のいい話題にめったに出合えなくなった今日この頃、元気になれる話題は貴重。さらなる好視聴率を期待するところです。

このドラマが人気を得た最大の理由は、やはり「倍返し」ではないでしょうか。どう見てもズルいとしか思えない人、調子だけいい人、口先だけの人が咎められるどころか、もてはやされたりすることがあります。絶対正しいと思うことがスルーされたりするなど、納得のいかないことが珍しくない世の中です。

鬱屈した思いを、倍返しで一気に晴らしてくれる半沢直樹。ドラマとはいえ、胸のすく気分になります。その快感をもう一度味わいたくてチャンネルを合わせてしまう気持ち、痛いほど共感します。

ところで、この「倍返し」には大きなキケンが潜んでいることをご存じでしょうか。

『タケシ弁護士』が警鐘を鳴らす「倍返し」

ユーチューバーのタケシ弁護士(岡野武志)さんは、8月21日付けの動画(https://www.youtube.com/watch?v=3nY2ONgCOjw)(半沢直樹 ツッコミ解説)で、倍返しのキケンを発信しています。

曰く、二倍返しは問題外。一倍返しでも犯罪になりかねない。法律上、許されるのは防衛の範囲まで…。つまり、悔しい思いをしたからといって、相手にも同じ思いをさせようとすると、警察のご厄介になりかねないということです。

”そんなのあり!? 悪いのは相手なのに、どうして我慢しなくちゃいけないの!” と思う人もいるでしょう。

その気持ち、よくわかります。だからといって犯罪者になってしまっては元も子もありません。人生を台無しにしかねませんし、社会安寧のためにも困りものです。

防衛として許されるための、5つの要件

法律上、許されるのは、相手の攻撃から身を守るための行動のみ。つまり、防衛です。絶対的なルールが存在しない国際社会と異なり、国内にはほぼ絶対といっていいルールが存在しています。個人的な憤怒を、個人的に解消するのは社会的なルール違反というわけです。

刑法36条の正当防衛を参考に防衛の範囲を考えると、5つのことが必要です。①自分あるいは誰かが、②危害を被っている状態が続いていて、③その危害から免れようとして、④ほかに方法がなく、⑤やむなくした行動であることです。

すでに終わった行為がムカつくので、仕返しをしようとして行動するのは正当防衛ではありません。昨日殴られたのが悔しいからというので、今日、殴り返したというのは正当防衛にはなりません。さらに素手で殴った相手に、ナイフで脅すなどというのは論外。悪質な犯罪になってしまいかねません。

ドラマや映画の主人公になり切る前に

以前、離婚ドラマや映画の監修をやっていた弁護士が言っていました。

「法律的に変だなと思う部分がけっこうあるんだけど、法律に合わせようとすると、『それじゃドラマにならない』って言われるんですよ。フィクションの世界だからいいかなと思うので、あまり追及はしないことにしているんだけどね」

筆者の甥は幼いころ、「ウルトラマンになる」のが夢でした。いい年をした大人が同じことを考えるとは思えませんが、ドラマや英語の主人公になり切ってしまうなんてことは、ありがちです。

半沢直樹がカッコよく倍返しをしたからといって、自分も同じことをしようというのはキケンです。ドラマや映画はフィクションとして楽しむのが身のためといえそうです。

憤怒の気持ちを和らげるかもしれない、2つの言葉

憤怒の思いはいたるところで発生するものです。前述の弁護士タケシさんは、自分を守るためには「逃げる」のが賢明だと言っています。もちろん逃げたところで憤怒の気持ちはそう簡単に消えてはくれないものです。その結果、勉強や仕事にも悪影響が出てしまうこともないとはいえません。

そんなとき筆者が思い出すのは、2つの言葉です。まずはコメディアンの明石家さんまさんです。

「生きてるだけで丸儲け」

努力や投資をして生まれてきたわけでもない。そう思えば、少しですが気持ちはラクになります。

もう一つは、老弁護士が何かにつけてつぶやいていた言葉です。

「みんなが少しずつ損してるなと思うところが、実際にはトントンではないでしょうかね」

自分が得をしたことには鈍感なのに比べて、損をしたことは過敏に反応してしまうものです。全部をひっくるめて足し引きしていけば、そう損をしていない。クライアントの感情をもてあましたときに発せられる言葉でしたが、当を得ているように思えるのです。その結果、憤怒の感情も和らいでくれます。

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