CMOSセンサー各社、中華スマホに再び熱視線
LIMO / 2020年11月27日 1時0分
CMOSセンサー各社、中華スマホに再び熱視線
21年以降のシェア左右、サムスンが現状優位の展開
CMOSイメージセンサー(CIS)市場において、中華圏スマートフォンメーカーの動向に再び注目が集まっている。中国ファーウェイへの制裁強化により、オッポ(Oppo)やビーボ(Vivo)などの同業他社が積極的な事業計画を打ち出しているためだ。2021年からスマホメーカーの本格的なシェア変動が予想されており、この動きは当然のことながらCIS分野にも波及することになりそうだ。
OVX、足元で積極的な部品調達
ファーウェイがスマホ市場から実質的に締め出されたことで、Oppo、Vivo、Xiaomi(シャオミー)の3社からなる「OVX」の勢いが増している。3社は21年の販売台数に関して、いずれも前年比で1.5~2倍をターゲットと位置づけており、足元でも積極的な部品調達を行っている。
近年、スマホ市場はカメラの高機能化が一段と進んでおり、その牽引役がファーウェイであった。社内に優秀なカメラ技術者を抱え、積極的に先端技術を導入。カメラを複数個搭載して機能向上を図る多眼化に関しても、アップルよりもいち早く市場に対応機種を投入して、市場をリードする立場にあった。
ソニーは見通し引き下げ
そのファーウェイがスマホ市場での存在感を急速に落とすなかで、影響を大きく受けているのがソニーだ。同社は第2四半期決算において、イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上・利益について、8月時点の見通しを引き下げた。
これまでイメージセンサーの売上高の2~3割を構成していたファーウェイ向けの収益は下期に見込んでおらず、9月末に在庫などの評価減175億円を計上した。
最大顧客であるアップル向けは、iPhone新機種の売れ行きが好調で需要自体は堅調だが、21年度に向けては、ファーウェイ以外の顧客基盤を広げることが求められている。
サムスンはCIS投資拡大
ターゲットとなるOVXにおいては、競合のサムスン電子、オムニビジョンテクノロジーズのシェアが高い。特にサムスン電子は近年、中華圏スマホからの需要拡大が成長ドライバーとなっていた。
ただ、OVXはファーウェイに比べてカメラ技術の水準は一段落ちると目されており、CISの単価も相対的に低い。ソニーもこの点について、決算時にコメントしており、「21年度は汎用品を中心に顧客基盤とシェアの拡大に取り組み、22年度にカスタム品の増加で収益を回復させる」としている。
サムスン電子もOVXからの需要拡大に伴い、21年以降のCIS事業の拡大が期待されている。18年に華城地区でDRAM生産を行っていた第11ラインをCIS向けに転換(S4ラインに名称変更)。20年以降は、同じくDRAMのレガシーラインであった第13ラインの転換投資に着手しており、足元のキャパシティーは月産7万枚程度まで高まったと見られている。
今後も需要増を見据えて、積極的な能力増強を図っていくものと見られているが、積層ロジック部のキャパ不足が一部で指摘されている。
ギャラクシーコアは一部工程内製化
一方のソニーは、設備投資計画は見直す。18~20年度で約6500億円を計画していたが、400億円程度減額する。20年度の設備投資額も2600億円から2350億円へ引き下げたが、20年度中にウエハー投入能力を300mm換算で13.8万枚まで高める計画については維持する。
ただし、21年4月に稼働を開始する予定の長崎新工場は、稼働予定に変更はないものの、その後の設備増設ペースは見直すと説明しており、導入スケジュールを後ろ倒しする考え。
ソニー、サムスン以外の供給メーカーも今後の需要拡大を見据え、積極的な投資計画を打ち出している。SKハイニックスはM10ラインを活用した300mmウエハーによる生産を強化していくほか、これまでファブレス企業であった中国ギャラクシーコアも上海エリアに自前で工場建設を開始。OCF(オンチップ・カラーフィルター)およびBSI(裏面照射型)工程に限り、自社生産を開始していく構え。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
第4四半期スマホ出荷、アップル・サムスン減少 中国勢と競争激化
ロイター / 2025年1月14日 7時57分
-
横浜ゴム、ファーウェイと北京汽車の共同開発EVに高性能タイヤ納入開始
レスポンス / 2025年1月6日 17時45分
-
まるで“中国版iPhone”の「vivo X200 Pro mini」を試す iPhoneを超えたコスパに衝撃
ITmedia Mobile / 2025年1月2日 10時45分
-
2024年のスマホを総括 生成AIの浸透/カメラは完成形の域に/メーカーの勢力図に変化も
ITmedia Mobile / 2024年12月31日 10時0分
-
韓国企業に勝って「世界一」を獲るにはこれしかない…東芝が泣く泣く売った成長株「キオクシア」上場で起きること
プレジデントオンライン / 2024年12月30日 9時15分
ランキング
-
11時間半の山越えバスが“タダ”!? 岐阜山間部の2大都市を結ぶ無料シャトルバス運行
乗りものニュース / 2025年1月15日 14時12分
-
2裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
3「来週会合で利上げ判断」=米新政権政策、賃上げ注視―植田日銀総裁
時事通信 / 2025年1月15日 16時8分
-
4悪質なデータ復旧事業者「レスキュー商法」の手口 多発する「納得できない作業結果と費用請求」
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分
-
5松屋が「本気のガチ中華」で投入した商品の"正体" 「中華一番」の作者も唸る「水煮牛肉」の実力
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください