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「孫の教育」への口出しがツラい…価値観が違う祖父母との付き合い方

LIMO / 2021年7月1日 19時35分

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「孫の教育」への口出しがツラい…価値観が違う祖父母との付き合い方

少子化の影響で、孫の存在は特別なものになっています。「才能を引き出そう」「しっかり勉強する子になってほしい」と、親以上に前のめりになる祖父母も珍しくありません。

コロナ禍以前の2019年のことですが、塾の説明会に祖父母が聞きに来ている家庭を見かけたことがあります。テキストの中身を真剣にチェックする、その姿に驚いたものです。

孫を思ってくれる気持ちは嬉しい反面、あまりに介入されるとストレスにもなります。なぜ祖父母が孫の教育に前のめりになってしまうのか、その背景および付き合い方について考えます。

孫の存在感が高まっている

昭和や平成前半は、孫が大勢いるのは珍しくはありませんでした。しかし、核家族化や少子化に晩婚化、そして未婚率の上昇に伴い、おのずと孫の数は減少しています。双方の祖父母にとって孫が1人または2人、ということも今は少なくないでしょう。

ひと昔前なら、祖父母の思いもたくさんいる孫の間で分散していました。もちろん、祖父母も人間です。特定の孫をかわいがることもあったでしょうが、現代社会では数少ない孫に関心が”一点集中”する傾向が強まっています。

さらに、経済的に余裕のある祖父母による教育費支援も世に浸透しつつあります。

2013年度の税制改正では、子や孫への教育資金贈与が上限付きで非課税となる制度「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」が採用されました。

これは期間限定で始まったもので、今年の3月で終了となる予定でしたが、2023年3月末まで制度の延長が決定しています。期限が伸びたのは、祖父母の孫への資金援助にニーズがあるからと考えられます。

ただ、お金を出すとなると、アレコレ口出しをしたくなるのも人の常。孫の成長や教育に対して良かれと思ってのことだとしても、結果的に感情的なトラブルに発展してしまうこともあります。

祖父母からの資金援助を受ける側の親としては、メリットとデメリット両方があることを理解しつつ「どこまで頼る/関与してもらう」の線引きを決めておくことを忘れてはいけないでしょう。

孫自慢でマウントをとるシニア女性たち

また、少子化が進むなか、「孫がいる」のはシニア女性の世界で大きな自慢の種になるようです。

筆者の母はコロナ禍前まで長年プールに通っていましたが、そこで知り合った同世代の女性たちの間では、子どもの結婚事情や孫のことがよく話題に持ち上がっていたようです。

そのためなのか、筆者が結婚してほんの数か月後に「孫はまだか」と真剣な表情で聞いてきたときは、飲んでいたお茶を吹き出しそうになるほど驚きました。それほどシニア世代では孫自慢でマウントをとり合っているということに気がつき、あ然としたものです。

その後、第1子誕生からの1年間は習い事や教育について矢継ぎ早に「どういう風に育てるつもり」と聞いてきたので、距離を置いた時期もありました。筆者の子ども時代はやや放置気味に育てられていたこともあり、孫の育児に口を出してくることに少々腹立たしさを感じることもあったのです。

このように「祖父母が孫の育児や教育に口出ししてくる」経験を持つ方は少なくないでしょう。

経験者としてアドバイスしてくれているのはわかっても、白湯や抱っこ癖のように昔と今では考え方が異なる育児法を押し付けられても困ります。また、長男を特別視する昭和的な態度も、今の子育てとはそぐわないこともあるでしょう。

そして祖父母の口出しを我慢し続けていると、最後に忍耐袋の緒が切れて爆発してしまうのは目に見えています。「良かれと思って言ってくれるのはありがたいが、子育ての責任を持つのはあくまで私たち」というスタンスを早々に表明しておくことが賢明です。

日本経済の栄光の日々を知るシニア層

例外はあるものの、現在の「小学生ぐらいまでの孫がいるシニア層」の多くは高度経済成長期を経験し、バブル時代やその後の不景気といった日本経済の浮き沈みを身近で見ていた世代です。

そして子ども時代にそろばんやピアノ、書道といった習い事をしていた人がいる一方で、家庭の事情で習い事はもちろんのこと高卒以後の進学を断念せざるを得なかった人もいます。

裏を返せば、学歴のある人が幅を利かせる社会を経験し、浮き沈みのある生活への恐怖心を感じているといえるかもしれません。

学歴が社会に出た後の大きな武器になると考えるのは、決して悪いことではありません。また、孫の人生の成功を望むことも間違いではありません。

しかし、祖父母から学歴至上主義的な態度を取られたり、世間的な評価ばかり気にされると、親の立場としてストレスが溜まるだけでなく、孫本人がうっとうしく感じるようになってしまうこともあるでしょう。

何をもって成功かという定義は世代によって変化していますし、さらに個人個人で異なります。親が考える教育方針について話し合いをしたり、祖父母世代の価値観を押し付けることなく孫の成長を見守ってほしいと率直に伝えることが大切かもしれません。

コロナ禍で思うように会えない日々が終わったら…

筆者宅の場合、今年の夏を迎えると2年以上祖父母に会っていないことになります。コロナ禍では電話で近況を伝えあったり、スマホで子どもの写真を送り成長した姿を見せることが精一杯。そのため、口出しをされる機会は減っています。

こうして距離をおく時間が長いと孫に対してアレコレ指図をしてくることもなく、内心ほっとしているというのが正直なところ。その反面、あっという間に成長する子どもたちの姿を見て「実家の両親と会う頃には向こうは浦島太郎の気分になるのでは?」と、時おり切なさを感じる時もあります。

新型コロナウイルスが収束すれば祖父母との交流が再開するという家庭は多いことでしょう。そのこと自体は嬉しいものの、会えない期間に溜まっていた祖父母の孫に対する熱い思いが一気に押し寄せてくるかもしれません。

肉親だからこそ、一度ギクシャクすると互いに意固地になって修復不可能になることもあります。良好な関係を保てる距離感を維持したいですね。

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