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ふるさと納税とiDeCoは併用できる?元銀行員が解説

LIMO / 2021年11月21日 11時15分

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ふるさと納税とiDeCoは併用できる?元銀行員が解説

年末も近づき、会社では年末調整の時期となっています。
年末調整や確定申告による還付金が楽しみですね。

税金の還付金を受けるためには、控除の活用を申請します。
毎年の保険料の支払いがあれば生命保険料控除、住宅ローンがあれば、住宅借入金等特別控除、iDeCoなど加入していれば小規模企業救済等掛金控除…と色々な控除があります。

また「ふるさと納税」についても同様に税金の還付が受けられる仕組みとなっています。

今回は、所得控除のある「iDeCo」や「ふるさと納税」の仕組みや併用の可否、注意点などを解説していきます。

「ふるさと納税」とは?

総務省のふるさと納税ポータルサイトを参考に見ていきましょう。

ふるさと納税は2008年からスタートしました。

どんな理念のために作られたかというと、「自分が生まれ育った故郷に恩返し」となります。

生まれ育った故郷から生活の場を移転すると、故郷の自治体は税収を得ることができなくなります。

そこで先程の理念のもと「ふるさと納税」の制度ができ、故郷に納税という名の「寄附」ができるようになりました。

ちなみにこの故郷も「生まれ育った故郷」でも「応援したい自治体」でも自分で選ぶことができます。寄附のお礼でもある特産品次第で寄付先を決めている方もいるでしょう。

「寄附」をすると、寄付金の一部が所得税及び住民税が控除されます。

控除額は「ふるさと納税(寄付金)-2000円」となりますが、全額控除したい場合には収入と家族構成によって上限がありますので、注意が必要です。

ふるさと納税の上限はいくらぐらい?

ここからは、ふるさと納税額の上限の目安を見ていきましょう。

【ふるさと納税額(年間上限)目安】(年収と家族構成)

独身又は共働き

年収300万円⇒2万8000円

年収400万円⇒4万2000円

年収500万円⇒6万1000円

年収700万円⇒10万8000円

年収1000万円⇒17万6000円

夫婦

年収300万円⇒1万9000円

年収400万円⇒3万3000円

年収500万円⇒4万9000円

年収700万円⇒8万6000円

年収1000万円⇒16万6000円

夫婦+子1人(高校生)

年収300万円⇒1万1000円

年収400万円⇒2万5000円

年収500万円⇒4万0000円

年収700万円⇒7万8000円

年収1000万円⇒15万7000円

夫婦+子2人(大学生と高校生)

年収300万円⇒なし

年収400万円⇒1万2000円

年収500万円⇒2万8000円

年収700万円⇒6万6000円

年収1000万円⇒14万4000円

※「共働き」は、ふるさと納税を行う方本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていないケース
※「夫婦」は、ふるさと納税を行う方の配偶者に収入がないケース
※「高校生」は「16歳から18歳の扶養親族」、「大学生」は「19歳から22歳の特定扶養親族」
※中学生以下の子供は(控除額に影響がないため)、計算に入れず

ふるさと納税の上限は扶養家族が少ないほど、また年収が高いほど上限が高くなります。

「iDeCo」とは?

資産運用のきっかけとして、つみたてNISAと並んで良く耳にするのが「iDeCo」です。iDeCoは「individual-type Defined Contribution pension plan」の略称で、和訳で「個人型確定拠出年金」という意味になります。また最初の一文字の「i」には「私」という意味が込められているそうです。

iDeCoは自分でお金を出し、運用し、年金または一時金として受取る仕組みです。

掛け金は加入資格によって異なります。

自営業(第1号被保険者):月額6.8万円(年額81万6000円)
※国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠
会社員・公務員(第2号被保険者):月額1.2万円~2.3万円(年額14万4000円~27万6000円)
※企業型確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)に加入、公務員といったパターンによって、掛け金が変動。
専業主婦(第3号被保険者):月額2.3万円(年額27万6000円)

また掛け金は全額所得控除となり、所得税や住民税が軽減されます。

【iDeCoに加入した場合の所得税・住民税負担軽減額】

(年額14万4000円の場合)

課税所得195万円以下:2万1600円

課税所得195万円超~330万円以下:2万8800円

課税所得330万円超~695万円以下:4万3200円

課税所得695万円超~900万円以下:4万7520円

(年額27万6000円の場合)

課税所得195万円以下:4万1400円

課税所得195万円超~330万円以下:5万5200円

課税所得330万円超~695万円以下:8万2800円

課税所得695万円超~900万円以下:9万1080円

(年額81万6000円の場合)

課税所得195万円以下:12万2400円

課税所得195万円超~330万円以下:16万3200円

課税所得330万円超~695万円以下:24万4800円

課税所得695万円超~900万円以下:26万9280円

【出典:国税庁】

運用方法は「定期預金、保険、投資信託」の3つに大別

運用期間は一般的には60歳までとなり、その間の利益については非課税となります。
ただし、60歳になるまで、お金が必要であっても引き出すことは原則できませんので注意が必要です。

年金受取時は「公的年金等控除」、退職金受取時は「退職所得控除」が適用

ただし、同年に退職金を受け取っていた場合には退職金とiDeCoの合算金額に対しての退職所得控除となるため、税負担が大きくなります。

「ふるさと納税」と「iDeCo」の併用は可能?併用時の注意点は?

これまで「ふるさと納税」と「iDeCo」の仕組みをお話してきました。

この2つの制度の併用は可能ですが、注意があります。iDeCoを活用すると、ふるさと納税の控除額上限が減ることになります。よって上限金額にはくれぐれもご注意を。

例:年収500万円(独身)、企業年金なしの会社に勤務、iDeCo(毎月2.3万円)

【ふるさと納税上限額】

iDeCo未加入:6万1000円

iDeCo加入:5万4000円

iDeCoを併用するとふるさと納税上限額が▲7千円となります。

ただしふるさと納税上限額は減るものの、「ふるさと納税のみ」の節税額と「ふるさと納税+iDeCo」の節税額には差があります。

【節税額】

ふるさと納税のみ:6万1000円-2000円=5万9000円

ふるさと納税+iDeCo:(5万4000円-2000円)+5万5200円※=10万7200円

※課税所得195万円超~330万円以下参照

併用の場合のほうが、約5万円多く節税できます。

最後に、節税も大事ですがiDeCoについては金融機関や運用の中身を決めることも重要です。また金融機関によって取り扱いの商品の種類やコストが違いますので、しっかり吟味してからスタートしましょう。

参考資料

総務省 ふるさと納税ポータルサイト 「ふるさと納税のしくみ」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/)

厚生労働省 個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決定しました(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000136983.html)

iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/)

りそなグループ 「確定拠出年金でどのくらい税負担を軽減できる?気になる税制優遇金額をシミュレーションしてみた」(https://www.resonabank.co.jp/nenkin/ideco/column/tax-saving-simulation.html)

auアセットマネジメント株式会社「iDeCoとふるさと納税併用シミュレーション」(https://ideco.kddi-am.com/simulation/ideco_furusato/)

国税庁 「公的年金等の課税関係」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm)

国税庁 「退職金を受け取ったとき(退職所得)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm)

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