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共働き主流も35年間フルタイム女性は増えず。2022年10月パートの厚生年金の適用拡大へ

LIMO / 2022年2月15日 14時50分

共働き主流も35年間フルタイム女性は増えず。2022年10月パートの厚生年金の適用拡大へ

共働き主流も35年間フルタイム女性は増えず。2022年10月パートの厚生年金の適用拡大へ

2022年10月に適用が拡大される、パートの社会保険(健康保険・厚生年金)加入。健康保険に加入すれば傷病手当金や出産手当金の保障がついたり、厚生年金に加入すれば将来の年金額が増えたりといったメリットもあります。

一方で、いま育児をしながらパートで働く女性は、扶養内で働くように調整している方も多いでしょう。共働きが主流の現代ですが、フルタイムで働く女性はここ35年ほど増えていません。

共働き・専業主婦世帯の現代の家族の姿を確認しながら、厚生年金の適用拡大についても確認していきましょう。

35年間、フルタイム女性は増えず

総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)」によれば、2020年は共働き世帯が1240万世帯で、専業主婦世帯が571万世帯です。1980(昭和55)年には専業主婦世帯1114万世帯、共働き世帯614万世帯でしたが、1990年代には逆転しました。

共働きが主流の現代ですが、フルタイムで働く女性が増えたのかというと、1985(昭和60)年から2020(令和2)年まで、基本的には400万台世帯で推移しています。下記で詳しく確認しましょう。

出典:内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」

1985(昭和60)年から2020(令和2)年までの推移を見ると、専業主婦世帯では952万世帯から571万世帯へ減少。

一方で、共働き世帯(妻がパート(週35時間未満))は229万世帯から668万世帯へ増加しています。ただし共働き世帯(妻がフルタイム(週35時間以上))は、462万世帯から483万世帯とほぼ変化がみられません。

女性が育児と仕事を両立するには、誰かの手助けが必要になります。それはパートナーであり同じ親である夫であったり、また保育園や幼稚園、学童、ベビーシッター、夫以外の家族だったりするでしょう。

同時に、家事への協力や負担を減らす必要もあります。

しかし現在の育児環境では、「パートタイムでは働けるけれど、フルタイムで働くのは厳しい」という女性が多いと分かりました。

なぜ非正規雇用を選んでいるのか、その理由は?

より詳しく非正規で働く理由をみるために、内閣府の「日本経済2021―2022」より、「非正規雇用を選択する理由」を「男女計・65歳以上」「女性・25~34歳」「女性・45~54歳」に分けてみてみましょう。

出典:内閣府「日本経済2021―2022」

非正規雇用で働く理由について、まず「男女計・65歳以上」では多い順に「自分の都合のよい時間に働きたいから」「家計の補助・学費等を得たいから」「専門的な技能等をいかせるから」です(以下、2019年・その他を除く)。

乳幼児や小学生を育てる年代が多い「女性・25~34歳」の場合は、「家事・育児・介護等と両立しやすいから」と「自分の都合のよい時間に働きたいから」が同程度で、次に「正規の職員・従業員の仕事がないから」。

中学生~大学生を育てる方が多い「女性・45~54歳」は「家計の補助・学費等を得たいから」と「自分の都合のよい時間に働きたいから」が同程度で、「家事・育児・介護等と両立しやすいから」と続きます。

育児世代の女性が非正規を選ぶ理由は、やはり家事や育児、介護との両立が多いようです。家事・育児でやることが多いのに加えて、看病等で急に休む必要があったり、子どもの習い事が平日だったり、心身の余裕を保つためにもパートが良いと感じたりするのでしょう。

「正規の職員・従業員の仕事がないから」は、いずれの世代でも2013年に比べれば減少しています。とはいえ、「女性・25~34歳」では3番目に挙がっている点についても留意しておきたいところです。

2022年10月からパートの社会保険の適用が拡大へ

育児中にパートで働く女性が増える中、2016年10月からパートの社会保険の適用拡大が進んでいます。2022年10月からは、従業員101人以上の特定適用事業所で働き、以下の一定要件を満たせば社会保険へ加入できます。

週の所定労働時間が20時間以上であること

雇用期間が継続して2カ月を超えて見込まれること

賃金の月額が8万8000円以上であること

学生でないこと

はじめにご紹介した通り、社会保険の加入にはさまざまなメリットがあります。

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金の年金月額は全体平均で14万4366円。しかし男性の平均月額は16万4742円、女性の平均月額は10万3808円と男女差が約6万円あります。

これは厚生年金が加入月数や、収入に応じて納めた保険料で受給額が変わることが影響しています。女性の場合は離職したり、扶養内で働いたりする方が多いため、男性に比べると受給額は低い傾向にあるでしょう。厚生年金に加入すれば、将来の受給額アップに繋がります。

ただ、「今が大変で将来のことまで考えられない」方が多いのも事実。引き続き扶養内でおさめたい方もいるでしょう。

一方で、育児に余裕が生まれて「働く時間を増やしたい」「パートだけど厚生年金に加入したい」方にとってはメリットもあります。先ほどの内閣府の調査で「女性・45~54歳」は「家計の補助・学費等を得たいから」が1位でしたが、子どもが成長すると収入を増やしたい女性も多いでしょう。

ご家庭の家事・育児環境に加えて、子どもの成長やご自身の体力などのタイミングを見て検討するのもいいですね。

参考資料

独立行政法人労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」 (https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)

内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」(https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/1st/pdf/5.pdf)

内閣府「日本経済2021―2022」(https://www5.cao.go.jp/keizai3/2021/0207nk/keizai2021-2022pdf.html)

日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html)

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