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子どもの頃の体験は将来に影響大!18年に及ぶ追跡調査からみえてきたこと

LIMO / 2022年2月26日 17時50分

子どもの頃の体験は将来に影響大!18年に及ぶ追跡調査からみえてきたこと

子どもの頃の体験は将来に影響大!18年に及ぶ追跡調査からみえてきたこと

一般的に、スポーツや自然体験といった体験学習は、子供の成長を促しプラスに働くと考えられています。

何となく「子どもの頃の体験は将来に影響がある」とは予想できるものの、日頃の忙しさからあまり時間をかけてあげられない保護者の方も多いかもしれません。

文部科学省が2020年度に発表した「青少年の体験活動に関する調査研究結果報告」では、2001年度生まれの2万人以上の子どもとその保護者を対象に18年間追跡調査し、分析した結果が載っています。

日本の公的機関による18年という長期間の追跡調査事例は多くはなく、極めて貴重な調査研究といえるでしょう。

18年に及ぶ大規模追跡調査からみえた「子どもの体験」の重要性

文部科学省は、「青少年の体験活動に関する調査研究」の目的として「子供の頃の体験がその後の成長に及ぼす影響を明らかにすること」としています。

調査データは「サンプル数が各年約2.4万から4.7万、調査頻度は0歳から18歳まで年1回」と大規模なものになりました。サンプル数が大きければ大きいほどデータの信頼性が高まります。

幼児期や小学生の頃の自然体験や文化体験の多さと、高校生になってからの自己肯定感との関連性をみる調査ですが、成長段階に合わせて以下のように回答データを集めました。

子供が0歳から5歳の時期に保護者が回答した「家庭による背景・環境、属性等」(世帯類型、父母の収入、親子のかかわり・しつけ等)に関する回答データ

子供が6歳から12歳の時期に保護者が回答した子供の「体験」(体験活動、遊び、読書、お手伝い)に関する回答データ

子供が12歳から18歳の時期に子供本人が回答した現在の「意識等」(自尊感情、向学校的な意識、外向性、精神的回復力、心の健康)に関する回答データ

就学前・小学生時代は保護者が回答し、中学生以降は子ども本人が回答。3つの段階を設けたことで、より家庭環境と体験そして子ども本人の精神状態の関係性を把握することができます。

年収に関わらず体験の多い子は自尊感情が高め

体験活動のうち、小6年生頃の自然体験(キャンプ、登山、川遊び、ウインタースポーツなど)の多さは、高校2年生での自尊感情の得点でも差がみられています。

自然体験が少なかった子 27.9点

自然体験がやや少ない子 28.5点

自然体験がやや多い子  28.9点

自然体験が多い子    29.4点

経験が多い子ほど高い得点となっています。さらに、この自尊感情は年収の影響ではなく「経験の多さ」に左右されていることが分かりました。

調査では小学2年生頃の自然体験の多さを年収別に分類していますが、たとえ家庭年収が高くても経験に乏しければ高校2年生時点での自尊感情が低くなっています。

収入水準が高いグループ

自然体験が少なかった子 27.9点

自然体験がやや少ない子 28.5点

自然体験がやや多い子  28.9点

自然体験が多い子    29.5点

収入水準が低いグループ

自然体験が少なかった子 27.4点

自然体験がやや少ない子 27.6点

自然体験がやや多い子  28.4点

自然体験が多い子    29.6点

子どもの学力や自己肯定感の高低は家庭の年収の影響が大きいと考えられますが、文部科学省の調査からは自然体験の効果の高さがみえてきます。

学校以外の場での体験をいかに作るか

学校での体験学習は家庭に関係なく子ども達が経験できるものです。祖父母宅が自然豊かな環境であれば、長期休暇で夜空を見上げたり虫取りをするだけでも大きな経験になります。

しかし、全ての子ども達がそういった環境下にいるわけではありません。学校外での経験は家庭により差が出やすくなります。調査結果からも自然体験がもたらすメリットは非常に期待でき、どのように機会を設けるかが課題となってきます。

たとえば春から初秋にかけては、コロナ禍の影響で人気が高まっているキャンプも家族でできる自然体験の定番です。ひと昔前に比べれば、キャンプ用品もネットで購入したり中古品も手に入れやすくなっているため、キャンプを始めるハードルが低くなっています。

そして冬といえば真っ先に思い浮かぶのがスキーです。スポーツと自然体験、技術を学ぶなど一度にたくさんのことを経験できます。

スキーやスノーボードを経験している保護者は多いが

アクトインディ株式会社が運営する「いこーよ」がユーザー309人を対象に実施したアンケート調査「家族のスキーに関するアンケート」(2022年1月4日~2022年1月10日実施、2022年1月21日公表)によると、以下の通りとなりました。

出所:いこーよ総研「家族のスキーに関するアンケート」

保護者2人ともスキーやスノーボードの経験がある  55%

自分は経験あるが相手はないもしくはわからない    23%

自分は経験ないが相手はあるもしくは分からない    12% 

どちらも未経験                   10%  

どちらかがスキーやスノーボードを経験しているのは全体の78%と高い数値となりました。しかし、子どもと一緒にスキー場に行ったのは24%と低くなっています。

家族でスキー場に行かない理由のトップ3は「子どもがまだ小さくてスキーやスノーボードができない」「スキー場が遠くて行くのが大変」「板やウェアなどのスノーグッズの購入やレンタルにお金がかかる」となりました。

出所:いこーよ総研「家族のスキーに関するアンケート」

フル装備をし家族総出で行くとなると、まとまったお金が必要になります。 スキーやスノーボードの体験をさせる場合は、自治体が主催するスキー教室に参加するなど、支出を抑えられる方法を考えてみる必要もあります。

幼児期から学童期の自然体験は子どもの精神面にプラスに働くことは文部科学省の調査からも明らかになっているため、意識して体験を増やしていきたいですね。

参考資料

文部科学省「令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告 ~21世紀出生児縦断調査を活用した体験活動の効果等分析結果について~」(https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00738.html)

文部科学省「令和2年度 青少年の体験活動の推進に関する調査研究 報告パンフレット(概要)」(https://www.mext.go.jp/content/20210908-mxt_chisui01-100003338_1.pdf)

いこーよ「家族のスキーに関するアンケート」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000268.000026954.html)

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