結婚、キャリア、出産…令和でも「女30歳」の人生設計が難しい理由とは
LIMO / 2022年3月5日 14時50分
結婚、キャリア、出産…令和でも「女30歳」の人生設計が難しい理由とは
1月13日からABEMAでスタートしたドラマ『30までにとうるさくて』の最終話が配信されました。29歳の独身女性4人が結婚、キャリア、出産等の理想と現実に向き合いながら葛藤するストーリーに、共感される方も多かったでしょう。
令和であっても、女性にとって30歳は大きな節目なよう。それまで仕事をしたり独身生活を楽しんだりしていたものの、結婚するのかしないか、子どもを産むのか産まないかといった問題に悩む女性が多い年齢です。
実際に30代以降の女性はどのような道を生きる方々が多いのか、統計を見ながら現代女性の結婚・キャリア・出産について考えましょう。
女性の初婚年齢は平均29.6歳、第1子出産は平均30.7歳
現代は晩婚化が進んでいると言われていますが、内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると2019年の女性の平均初婚年齢は29.6歳です。下記の表を見ると、1980年の25.2歳に比べて約4歳上がっています。
現代女性にとって29歳は周りで結婚を決める友人も多く、自分は結婚するのかという悩みもピークになると考えられます。
ドラマ『30までにとうるさくて』では、子どもは欲しいけれど恋愛・結婚をしたくない女性が悩んだ末に選択的シングルマザーを決断する場面も描かれていました。上記より、出産の平均年齢について1980年と2019年で比較してみましょう。
出産の平均年齢(1980年/2019年)
第1子:27.8歳/30.7歳
第2子:28.7歳/32.7歳
第3子:30.6歳/33.8歳
1980年は第1子出産の平均年齢が27歳でしたが、2019年には30歳とおよそ3歳上がっています。2019年は第2子が32.7歳、第3子が33.8歳という結果に。出産年齢が上がれば、第2子以降の年齢差はより考えるものでしょう。
何歳で出産するのが良いのかという答えはありませんし、結婚は縁によるところも大きいもので好きなように人生設計できるわけではありません。ただ自身の体力やキャリアを考えると、出産年齢は悩むものです。
フルタイムで働く子育て女性は35年間増えず
4月からは男性の育休が段階的に施行されます。産後も女性が働きやすくなるよう社会は変わりつつありますが、まだ自由にキャリアや出産のタイミングを選べるところまではきていません。
女性が産後フルタイムで働くには保育園へ預けられること、子どもの看病や通院など突発的な休みが取れること、育児との両立ができる仕事環境であること、夫の協力が得られることなどが必要となりますが、環境的には厳しい部分もあるでしょう。
共働きが主流と言われている現代ですが、子育てをしながらフルタイムで働く女性はここ35年間増えていません。
1985年から2020年の共働き世帯の推移を見ると、妻がパートの共働き世帯は229万世帯から668万世帯へ増加。一方で妻がフルタイムの共働き世帯は、462万世帯から483万世帯へと横ばいです。
現状の仕事・育児環境では「パートタイムでは働けるけれどフルタイムで働くのは難しい」と判断するご家庭が多いと考えられます。
産後、職場に復帰できたとしても、産前と同じように仕事ができるかは分からない場合もあります。作中では産後に産前とは違う部署へ配属になった女性の先輩の話も出てきました。
また、保育園時代は仕事ができても、小学校への入学でパートに転換したり仕事を辞めたりする場合もあります。いわゆる「小1の壁」ですが、小学生だと学童への迎え時間が早くなることが多く、また宿題を見たりする必要もあるため仕事と育児の両立が難しくなります。
20代までは好きにキャリアが選べても、産後は自由にキャリアが選べないかもしれない。仕事と育児の両立は大変だけど、キャリアダウンしたりブランクがあれば元のような働き方はできないかもしれない。生活の基盤となる仕事の部分が不確定になれば、不安も感じますよね。
いずれにせよ、結婚、出産、キャリアともに経験しなければわからない部分もあるため、まだまだ女性の30歳の人生設計は難しいといえます。
年齢は目安に、譲れないものを手にしていく
時代は変わるとはいえ、今は変化の最中。自分の置かれている環境が急激に変わるわけでもありません。
そのような中でも年齢は重ねるし、周囲は結婚・出産をするので焦ることもあるでしょう。ただ、結婚・出産ともにゴールではなくスタートです。結婚や出産の喜びや楽しみもありますが、それだけの責任が伴い、また想像していなかったことも起こるでしょう。
出産・育児を考えると年齢は目安として考えたいところではありますが、自分の本心からブレたものを手にしてしまうと後で問題が起きる可能性も高まります。焦る気持ちを抑えて、自分が譲れないものを明確にすること。そして、それを手にしていくための方法を考え、行動していきたいですね。
参考資料
ABEMA『30までにとうるさくて』(https://abema.tv/video/title/90-1620)
内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」(https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/1st/pdf/5.pdf)
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