【住宅ローン】繰り上げ返済と住宅ローン控除はどっちが得?タイミングと注意点も解説
LIMO / 2022年5月25日 17時50分
【住宅ローン】繰り上げ返済と住宅ローン控除はどっちが得?タイミングと注意点も解説
2022年度に改正された住宅ローン控除の変更ポイントとは
「繰り上げ返済と住宅ローン控除、どちらを使ったほうがいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
どちらも住宅ローンの返済負担を軽減する効果がありますが、どちらを使うとよりお得になるかは状況によって異なります。
本記事では、繰り上げ返済と住宅ローン控除どちらを優先すべきか解説します。
繰り上げ返済と住宅ローン控除はどっちが得なのか
繰り上げ返済と住宅ローン控除のどちらがお得になるかは、借入の金利によって異なります。
住宅ローン控除とは、年末時点の住宅ローン残高または住宅取得対価のうち、いずれか少ない方の金額に対して、所定の割合を所得税や住民税から控除する制度です。
所定の割合は、2021年までは1%、2022年以降は0.7%です。本記事の解説では1%を基準としております。
住宅ローン控除をフルに活用する場合、控除期間中に繰り上げ返済すると控除される金額も少なくなります。よって、住宅ローン控除の期間が終了した後に繰り上げ返済するのが一般的です。
ただし借入の金利が1%以上の場合は、繰り上げ返済で利息を減らした方がお得になる可能性があります。
単純に借入金利が高いと、住宅ローン控除の減税額より利息の支払額が大きくなります。控除率1%より借入金利が高い時は、繰り上げ返済を検討しましょう。
住宅ローン繰り上げ返済の前に確認しておきたい注意点
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際は、次の4点に注意しましょう。
家計の圧迫が懸念される
別途手数料がかかる場合がある
返済期間が10年を下回ると住宅ローン控除の適用外になる
金利予測が難しい場合もある
1. 家計の圧迫が懸念される
繰り上げ返済は早めに実施するほど利息軽減効果が高くなりますが、返済額が大きいため家計の負担につながります。
家族構成によって将来必要となる費用はさまざまです。繰り上げ返済後に困らないよう、今後の生活費は最低限残しておきましょう。
2. 別途手数料がかかる場合がある
繰り上げ返済には別途手数料がかかる可能性もあるため、返済前に必ず確認してください。
特に金融機関窓口で手続きする場合、手数料が高くなる傾向にあります。
3. 返済期間が10年を下回ると住宅ローン控除の適用外になる
繰り上げ返済後の返済期間が10年を下回ると、住宅ローン控除が適用されなくなります。
安易に期間短縮型を選択しないよう注意しましょう。
4. 金利予測が難しい場合もある
変動金利や数年間のみ固定金利で借入する場合は金利予測が難しいため、返済の負担が増す可能性があります。
繰り上げ返済のタイミングはプロと相談し、最適な時期をよく確認しておきましょう。
【2022年度】住宅ローン控除の変更ポイントを確認
住宅ローンの借入を検討している方は、住宅ローン控除の制度変更について確認しましょう。
主な変更点は次のとおりです。
【2022年以降の住宅ローン控除適用条件および優遇措置】
住宅ローン返済期間が10年以上(繰り上げ返済後に10年未満になると控除が適用されない)
居住用物件であること
一定基準を満たした住宅には、控除対象となる年末の借入残高の上限が優遇される
<2022年〜2023年入居の優遇措置>
長期優良住宅・低炭素住宅:5000万円
ZEH水準省エネ住宅:4500万円
省エネ基準適合住宅:4000万円
その他の住宅:3000万円
<2024年〜2025年入居の優遇措置>
長期優良住宅・低炭素住宅:4500万円
ZEH水準省エネ住宅:3500万円
省エネ基準適合住宅:3000万円
その他の住宅:0円
※既存住宅は残高上限に変更点なし
特に大きな変更点としては、控除率が一律0.7%に引き下げられた点です。控除される税額は小さくなりますが、控除期間は最大で13年間に延長されています。
2022年以降に借入して繰り上げ返済と住宅ローン控除を活用する場合、借入金利は0.7%を基準に考えましょう。
0.7%以上なら早めの繰り上げ返済、0.7%以下なら住宅ローン控除期間終了まで待つとお得になる可能性があります。
各家庭に合った返済計画を
繰り上げ返済のタイミングは借入条件によって異なります。それに伴い、住宅ローン控除とどちらを優先させるかも検討しておかなければなりません。
返済計画を立てる際は、一度プロに相談してみると良いでしょう。
参考資料
自民党・公明党「令和4年度税制改正大綱」(https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/202382_1.pdf)
一般社団法人住宅金融普及協会「金利について」(https://www.sumai-info.com/information/loan_basis_rate.html)
国土交通省「住宅ローン減税等が延長されます!~環境性能等に応じた上乗せ措置等が新設されます~」(https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000172.html)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「変動ではなく固定」「借り換えは早いと不利」 金利と住宅価格が上昇する今、知っておきたい住宅ローンの新常識
MONEYPLUS / 2024年11月20日 11時30分
-
「年収600万円」で妻と娘が2人。変動型住宅ローン「3500万円」を35年で借りたばかりです。「金利が上がる」とニュースで見たのですが、すぐに返済額が増えるのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月14日 5時0分
-
実家をリフォームして二世帯住宅にする予定です。リフォームでも住宅ローンを組んで控除も受けられますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月11日 5時0分
-
コツコツ貯めた「500万円」が普通預金口座にあります。ローンの繰り上げ返済や投資に使うのはやめた方がよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月3日 2時20分
-
今年ようやく「住宅ローン」を完済! ローンを組んだ頃は「利率4%」でしたが、最近は「1%」ですよね? 3000万円を借りた場合、利息はどれだけ差が出たでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月1日 5時10分
ランキング
-
1円上昇、一時150円45銭 1カ月ぶり円高ドル安水準
共同通信 / 2024年11月28日 7時45分
-
2車載電池向け電解銅箔メーカー、日本電解(株)(茨城)が民事再生、今年初めての上場企業倒産
東京商工リサーチ / 2024年11月27日 20時40分
-
3お父さん、ちょっとアフリカに行ってくる…〈60歳定年で退職金2,500万円〉〈65歳で年金月19万円〉、堅実に生きてきた55歳父が突然の早期退職。仰天行動に家族が絶句「うっ、うそでしょ⁉」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 5時15分
-
4大失速の日産「ゴーンの呪い」いまだ抜け出せず? V字回復に向けた急務とは
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月28日 5時45分
-
5生クリーム9割の「スイーツ缶」、なぜ人気? がむしゃらに売らず30万缶突破の秘密
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月28日 6時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください