【公的施設の老人ホーム】費用や入居条件とは。減免制度も解説
LIMO / 2023年1月18日 5時50分

【公的施設の老人ホーム】費用や入居条件とは。減免制度も解説
「特養・老健・介護医療院」の入居条件や費用とは
「年金だけで入居しやすい老人ホームはある?」「費用の安い老人ホームを知りたい」と思う方もいるのではないでしょうか。
実際には年金の受給額に個人差がありますが、今回は老人ホームの中でも比較的費用を抑えて入居しやすい公的施設の「特養・老健・介護医療院」についてご紹介します。
また、入居費用を抑えたい場合に利用できる減免制度もケアマネジャーである筆者がご紹介しますので、新しい1年がはじまった今参考にしてください。
老人ホームの入居にかかる費用は2つ
まずは老人ホームの入居にかかる費用を確認しましょう。入居時に必要な費用は大きく分けて以下の2つです。
初期費用
月額費用
老人ホームの入居費用1. 初期費用
初期費用は、老人ホームへ入居する際に支払う費用です。入居金や入居一時金と呼ばれ、一定期間分の家賃を前払いします。
老人ホームの入居費用2.月額費用
月額費用とは、老人ホームで生活を送るために必要な毎月の費用です。その内訳は、基本料金(施設サービス費)や食費、居住費、日用品費などがあります。
老人ホームには公的施設と民間施設がある
老人ホームには、地方公共団体や社会福祉法人などの公的機関が運営する「公的施設」と、民間企業が運営する「民間施設」の2種類があります。
以下は、公的施設と民間施設の費用相場の目安です。

出所:厚生労働省「特定施設入居者生活介護」「介護報酬の算定構造」をもとに筆者作成
公的施設は公費で設立・運営されるため、月額で5~20万円程度と比較的費用が安く抑えられます。
一方で、民間施設は営利目的で運営されるため、10~数十万円と費用は高めに設定されています。
できるだけ年金で入居したいのなら公的施設
できるだけ公的年金で老人ホームの費用をまかないたい方は、費用負担の少ない公的施設への入居がいいでしょう。
ここでは、3つの公的施設をご紹介します。
特別養護老人ホーム(特養)
特養の特徴
要介護高齢者のための生活施設です。
食事・入浴・排泄などの日常生活上の介護や機能訓練などのサービスを提供しています。認知症の方も入居可能で、看取りまで行うところが多い傾向です。
特養の入居条件
基本的に要介護3以上
特養の費用の目安
特別養護老人ホームでは初期費用は必要ありません。
月額費用は、要介護度と部屋タイプで基本料金が異なります。要介護度が上がるほど基本料金が高くなる仕組みです。
また、部屋タイプはユニット型の個室は料金が高く、多床室が一番割安となっています。
以下の表は、利用者負担1割で1日あたりの基本料金です。

出所:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
たとえば要介護3で多床室の場合、1日につき695円(利用者負担1割)です。
介護老人保健施設(老健)
老健の施設の特徴
自宅へ帰ることを目指して、医療ケアやリハビリなどが受けられる施設です。入居期間は原則3〜6カ月と限定されています。
老健の入居条件
要介護1以上
老健の費用の目安
介護老人保健施設では初期費用は必要ありません。
月額費用は、施設の種類や要介護度、部屋タイプで基本が異なります。以下の表は、利用者負担1割で1日あたりの基本料金です。

出所:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
たとえば介護保険施設サービス費Ⅰで要介護3、基本型(i)の場合、1日につき804円(利用者負担1割)です。
介護医療院
介護医療院の施設の特徴
長期にわたる療養機能と生活施設としての役割をあわせ持っている施設です。医療ニーズの高い方や看取りの方も利用可能です。
介護医療院の入居条件
要介護1以上
介護医療院の費用の目安
介護医療院では初期費用は必要ありません。
月額費用は、施設の種類や要介護度、部屋タイプで基本が異なります。
以下の表は、利用者負担1割で1日あたりの基本料金です。

出所:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
たとえばⅠ型介護医療院サービス費(Ⅰ)で要介護3、従来型個室の場合、1日につき1035円(利用者負担1割)です。
老人ホームで利用できる減免制度2つ
年金だけで入居が難しい場合には、以下の軽減制度を利用すると毎月の費用を抑えることができます。
負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)
高額介護サービス費
減免制度1.負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)
負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)とは、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給される制度です。
負担限度額認定はお住まいの市区町村への申請が必要です。

出所:厚生労働省「サービスにかかる利用料」をもとに筆者作成
減免制度2.高額介護サービス費
同じ月に利用した介護サービスの、利用者負担の合計額が高額になり一定額を超えたときに、超過分が「高額介護サービス費等」として支給される制度です。
負担上限額は所得に応じて6段階に分かれており、一般的な所得の方では月額4万4000円となっています。
該当する人はサービス利用後に自治体から通知書と申請書が届くため、受け取ったら速やかに申請手続きが必要です。
まとめにかえて
費用を抑えて老人ホームに入居したい場合には、特別養護老人ホームなどの公的施設を選ぶと良いでしょう。
公的施設であれば入居一時金などの初期費用がかからない場合が多く、月額費用も安く抑えられています。
また、減免制度を利用することで毎月の費用を抑えることもできます。
早めに情報収集をしたり、入居計画を立てたりしておくといいでしょう。
参考資料
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html)
厚生労働省「サービスにかかる利用料」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html)
厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額」(https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf)
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