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【墓じまいを考えています】夫婦で実家の墓を継いだけれど、一人息子の負担になりそう。墓じまいの手続きや費用が知りたい!

LIMO / 2024年1月22日 15時14分

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【墓じまいを考えています】夫婦で実家の墓を継いだけれど、一人息子の負担になりそう。墓じまいの手続きや費用が知りたい!

SBIインシュアランスグループが、50歳以上の男女1069名を対象として実施した終活に関する調査によると、80.9%の人が終活の必要性を感じていると回答。すでに取り組んでいることや気になっていることのトップは「物の整理・片づけ」でした。

終活の一環として、自分自身が入るお墓の準備を意識する人もいるでしょう。一方で、すでにある先祖代々のお墓をどうするかが大きな課題となっているご家庭も少なくないはずです。

とはいえお墓はその性格上、簡単に「断捨離」を行えるようなものではありません。しかるべき手順や、注意点を知っておきたいものです。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

夫婦で実家の墓を継いだが、一人息子の負担になりそう

住宅地とは異なり、購入したお墓は不動産登記の対象ではありません。お墓の使用権を持つ人が維持管理費を支払い続けていくものになります。

先祖代々のお墓を引き継いだ、もしくは引き継ぐ予定の人の中には、「遠方で気軽にお墓参りができない」「この先、管理費用が負担になりそう」「お墓の跡継ぎがいない」などと悩むケースもあるでしょう。

少子化が進むいま。一人っ子同士が結婚し、その子どもがまた一人っ子となるケースは珍しくありません。夫婦がそれぞれの実家の墓守を任されていた場合、我が子への負担を考えると「墓じまい」という選択肢に行きつくことは決して不思議ではないでしょう。

「墓じまい」とは、墓石や墓所を更地にして管理者に返すこと。一般的には、そのあと別の供養に移す「改葬」までを含めて墓じまいと呼ばれることが多いですね。

いまのお墓をいったん「しまって」、関係者が通いやすい場所にお墓を引っ越ししたり、永代供養ができる合同墓地や納骨堂、自然葬(散骨や樹木葬)など、改葬先の選択肢は様々です。

改葬件数「2022年は過去最高に」

【グラフ1】改葬件数は1998年の2倍以上に

【グラフ1】改葬件数の推移

出所:衛生行政報告例(e-stat)をもとに筆者作成

1998(平成10)年 7万263件

2003(平成15)年 6万8579件

2008(平成20)年7万2483件

2013(平成25)年 8万8397件

2018(平成30)年 11万5384件

2019(令和元) 年12万4346件

2020(令和2)年 11万7772件

2021(令和3)年 11万8975件

2022(令和4)年 15万1076件

厚生労働省が2023年10月に公表した「令和4年度衛生行政報告例」によると、2022年度の全国の改葬件数は過去最高の15万1076件に。この四半世紀の間に倍増しているのです。

「墓じまい前提」でお墓を買う人も

近年増える「墓じまい」に関する意識調査の結果も見てみましょう。

【グラフ2】七回忌までで「墓じまい」派も27.8%

【グラフ2】お墓はいつまで使う?

出所:全石協「これからお墓を購入しようと考えている方の‟お墓の形態”と”お墓の使用期限”についてのアンケート調査」(PR TIMES)2022年9月19日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000015761.html)

全国石製品協同組合(全石協)の調査結果によると、お墓の購入予定者の48.9%が「七回忌まで」「三十三回忌まで」というように、お墓の使用期限を前もって考えている、つまり「墓じまい前提」であることが分かりました。

また、みんなが選ぶお墓のスタイルにも一定の傾向が見られます。

鎌倉新書が2023年3月に公表した「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)」によると、購入されたお墓の種類別で最も多かったのは「樹木葬(51.8%)」、次いで「納骨堂(20.2%)」。つまり、跡継ぎが要らない供養のスタイルに注目する人が多いのです。

墓じまいってお金がかかるの?

【グラフ3】改葬・墓じまいにかかった費用はどのくらい?

出所:鎌倉新書【第2回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)  ― 30代の改葬・墓じまい経験者は、お墓の跡継ぎが約9割。 早めの状況把握が安心に繋がる ―(@press)2020年1月22日(https://www.atpress.ne.jp/news/203692)

墓じまいを検討しているものの、費用がどのくらいかかるか心配だという人も多いでしょう。

鎌倉新書の調査では、改葬・墓じまい費用は「50万円以内」が40.8%、「51万円以上」が31.6%というデータが出ています。費用の主な内訳についても知っておきましょう。

【墓じまいにかかる費用】移転元での主な内訳

必要書類の発行手数料

墓石の撤去処分、区画整備代(墓じまいの場合)

遺骨の取り出し費用

お布施代

離檀料(檀家だった場合)

墓石運搬費用(移転先で使用する場合)

【墓じまいにかかる費用】移転先での主な内訳

永代使用料、事務手数料

新しい墓石代(新しい石碑を建てる場合)

建墓の基礎工事、据付工事費用

埋葬費用

お布施代

入檀料(移転先が寺院だった場合)

墓じまいにかかる費用総額は、移転元や改葬先となるお墓のスタイル、お墓の移転の方法などにより異なります。特に改葬先の墓所の管理者(霊園・お寺など)と相談することが大切です。

ちなみに、国民生活センターには、お墓の移転を知らせたところ、お寺から請求された離壇料が高額だったというトラブルも報告されています。

心穏やかに墓じまいが進むケースばかりではない点も、知っておきたいところですね。

まとめにかえて

墓じまいに伴う改葬を行う際には、自治体が発行する改葬許可証などが必要となります。具体的なルールは自治体やお墓を管理する団体に確認しましょう。

家族や地域が大切にしてきた慣習を尊重しながら、関係者の合意を得たうえで、心を込めて墓じまいを進めていけたら理想的。ゆかりのある人たちの中に禍根を残すようなトラブルは、避けたいものですね。

参考資料

SBIインシュアランスグループ【SBIいきいき少短】“終活・葬儀”に関するアンケート調査を実施(2023年度)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000208.000098438.html)

e-GOV法令検索「昭和二十三年厚生省令第二十四号 墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323M40000100024_20221209_504M60000100165)

衛生行政報告例/平成10年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000002491554)

衛生行政報告例/平成15年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000002483120)

衛生行政報告例/平成20年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000005253487)

衛生行政報告例/平成25年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000027241478)

衛生行政報告例/平成30年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000031873712)

衛生行政報告例/令和元年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000032045151)

衛生行政報告例/令和2年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000032155775)

衛生行政報告例/令和3年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000032155775)

衛生行政報告例/令和4年度衛生行政報告例/統計表/年度報(e-stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E6%94%B9%E8%91%AC&layout=dataset&stat_infid=000040111952)

鎌倉新書「第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)当社の調査史上初「樹木葬」のシェアが過半数を突破、納骨堂も人気高まる」(PR TIMES)2023年3月(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000009951.html)

全石協「これからお墓を購入しようと考えている方の‟お墓の形態”と”お墓の使用期限”についてのアンケート調査」(PR TIMES)2022年9月19日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000015761.html)

鎌倉新書【第2回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)  ― 30代の改葬・墓じまい経験者は、お墓の跡継ぎが約9割。 早めの状況把握が安心に繋がる ―(@press)2020年1月22日(https://www.atpress.ne.jp/news/203692)

独立行政法人国民生活センター「墓を引っ越しする」と言ったら、寺から高額な費用を要求された(https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen286.html)

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