【宗教・親族・お金】元葬儀社社員に聞いた「お墓・葬式・法事のトラブル」あるある3連発
LIMO / 2024年1月23日 19時55分
【宗教・親族・お金】元葬儀社社員に聞いた「お墓・葬式・法事のトラブル」あるある3連発
お墓購入にかかる費用の一覧表つき
葬式・法事は、亡くなった方を供養するための大切な行事です。それと同時に、残された遺族の気持ちを整理する場でもあります。
しかし、葬式も法事も、多くの方にとって非日常の行事であるため、何かとトラブルも発生しやすいのが実情です。
また近年は「墓じまい」がブームになるほどお墓に関する関心が高まっていますが、どのようにお墓を立てるのか、墓じまいをするのか、一般人には難しい問題ですよね。
今回は、元葬儀会社社員の葬祭ディレクターに聞いた、お墓・葬式・法事のトラブル3例を紹介します。よくあるトラブルを知っておくと、いざという時のために備えることが可能です。
あるあるトラブル その1【宗教】宗派がわからない!
日本のお葬式の大多数を占めるのが仏教式ということは、みなさんの多くがご存じでしょう。
ここで頻繁に遭遇するのが「自分の家の宗派・菩提寺がわからない」というケース。
近年は葬儀の簡素化により、この檀家制度が崩壊しつつありますが、葬儀は所属する菩提寺にお願いするのが従来の常識なのですが……。
親もしくは祖父母が若い頃に引っ越してきて、それ以来葬儀も法事もしたことがない、という喪家では、宗派すらわからないというケースは結構あるのです。
「仏教なのは間違いないけれど、真言宗だったかな、日蓮宗だったかな、そもそも宗派の違いって何?」というところからスタートするおたくも。
それまで関係のなかったお寺に気軽に葬儀をお願いするのは、葬儀社が勝手にテリトリーを荒らすようなもの。喪家にとって、今後のお寺とのお付き合いを考えたときに、決して良いものではありません。
葬祭ディレクターは、おうちのお仏壇をチェックしたり、親戚に確認してもらったり、お経のフレーズを口ずさんだりして、どうにかして宗派・菩提寺を特定していくこともあります。
菩提寺に葬儀をお願いすることは、とてもたいせつです。葬儀の簡素化により、「一見さん」として葬儀をお願いされる喪家も増えてきましたが、葬儀社は慎重に慎重を重ねて、一見さんとしてのお願いが可能かどうかを判断します。
場合によっては、檀家を外されてしまうようなトラブルになりかねないからです。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
あるあるトラブルその2 【親族】身内のトラブル
葬式や法事は、普段あまり集まることのない親族が一堂に会する場です。
家族、親族の皆さまの関係が良好であれば良いものであれば問題ないのですが、すべての家庭がそうとは限りませんご当家がそうではありません。
些細ないさかいから、親族関係がこじれやすくなりがちです。
【葬祭ディレクターが見た、お葬式での親族トラブル】
あるおうちでお父様がなくなり、長男が喪主を務めることになりました。喪主と打ち合わせをし、葬式の詳細を取り決め、通夜の日がやってきました。
通夜の前に式場に集まり始める親族。亡くなったお父様の妹が来られると、祭壇や料理に口を挟み始めます。
普段ほとんど関与してこないくせに、あれこれと口を出す叔母に心底腹を立てた喪主。
「もう知らない、勝手にしろ!」と、周りの制止を振り切り、通夜を前に帰ってしまいました。
その後、親族が説得に行くものの、警察を呼んで追い出す始末。葬式は急遽、別の親族が務め、形式上は無事に終えることができました。
結局長男は葬式が終わるまで、さらには法事にも、顔を出すことはありませんでした。その後も、関係はこじれたままだといいます。
これは極端なお話ですが、実際にあったエピソード。
故人に思いをはせるがゆえに、それぞれがこうしてあげたい、という気持ちを持っています。しかし、それが原因で親族関係がもつれてしまうことを、故人は望んでいないでしょう。
まずは喪家の意見を最優先し、折り合いをつけていくことが大切です。
あるあるトラブルその3【お金】納骨費用が出せない……。
人が亡くなって、一番お金がかかるのはほぼ確実に葬式ですが、人が亡くなってからの行事の流れは、葬式で終わりではありません。
人が亡くなったら、葬式から納骨するまでが一連の流れです。
近年はお墓も墓じまいがブームですが、それでもお墓・もしくは納骨する場所が必要なことに変わりはありません。
納骨も、それなりに多額の費用がか掛かります。葬式にお金をかけたせいで、またはかかったせいで、お墓を建てるお金がない、というのは時々あるケースです。
そのような場合には、葬儀社が納骨の延期を提案することも。
納骨は、仏教であれば49日、神道であれば50日を目安としての納骨が一般的です。しかし、いつまでに納骨しなければならない、という規則はありません。
しばらくの間おうちでお祀りし、お墓を建立できるようになった段階で納骨してもいいのです。
また、お金の問題とは別に、大切な方が亡くなった事実に対する気持ちが追いつかない場合、上記の方法をおすすめすることもあります。
葬式で少しでも良いプランを提供して儲けたいのが葬儀社の考えですが、葬式の後のお墓についても念頭に置いて、打ち合わせに臨む必要があるのです。
さいごに、お墓にかかるお金について、鎌倉新書の調査結果からデータを紹介します。
お墓購入にかかるお金【一覧表】※グラフ参照
一般墓:158万7000円
納骨堂:83万6000円
樹木葬:69万6000円
【宗教・親族・お金】のトラブルは避けたい!「終活」のスタートは早めに
お墓・葬式・法事のトラブルは、おおむね「宗教・親族・お金」に分類されます。
終活スタートのタイミングは人それぞれですが、家族や親族が元気なうちに話し合って、いざという時に揉めないよう、しっかり備えておけたら理想的ですね。
参考資料
株式会社鎌倉新書 第14回 お墓の消費者全国実態調査(2023年)当社の調査史上初「樹木葬」のシェアが過半数を突破、納骨堂も人気高まる(PR TIMES)2023年3月17日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000009951.html)
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