大相撲は崖っぷち? 新元号になる5月場所に横綱不在の可能性も
LIMO / 2019年1月19日 6時0分
大相撲は崖っぷち? 新元号になる5月場所に横綱不在の可能性も
稀勢の里引退だけではない懸念点
ついに横綱・稀勢の里が引退、在任わずか2年
大相撲初場所(1月場所)、初日から3連敗を喫した横綱・稀勢の里が引退することとなりました。稀勢の里が横綱に昇進したのは、今から約2年前の2017年1月場所後のこと。約19年ぶりとなる日本人横綱が誕生したということで、相撲界だけでなく日本全体が大きく盛り上がったのが昨日のことのようです。
しかし、ケガの後遺症で本来の相撲が取れず、あっという間に引退を余儀なくされたのは残念の一言に尽きます。
冷静に振り返れば、引退は時間の問題だった?
しかし、冷静に振り返ってみると、2年間も横綱の地位にいたこと自体が疑問だったと言えます。何しろ、横綱に昇進した2017年春場所(3月場所)以降の11場所(注:今回の1月場所を含まず)において、千秋楽まで皆勤したのがわずか2場所しかありませんでした。つまり、11場所のうち9場所も休場(全休4場所を含む)していたわけです。
確かに、貴乃花のように7場所連続の全休という“前例”があるとはいえ、昇進後の稀勢の里の状況ならば、横綱審議委員会(以下「横審」)から「引退勧告」が出ても不思議ではありませんでした。ところが、昨年末には引退勧告どころか、横審から満場一致で「激励」の決議を受けたのです。
新元号の下での日本人横綱の土俵入りは夢と消える
日本相撲協会と横審がここまで稀勢の里に肩入れした理由は、新元号の下で行われる夏場所(5月場所)において、日本人横綱の土俵入りを行うことだと推察されます。
ご存じの通り、今年5月1日の天皇譲位による新元号制定は、事実上初とも言える“慶事”としての行事です。今まで、少なくとも直近202年間は、新元号の制定は天皇崩御に伴う“弔事”でした。実際、昭和天皇の崩御直後に迎えた平成元年の初場所(1月場所)は、初日が1日延期になったばかりでなく、大入袋・懸賞金・優勝パレード・各部屋の千秋楽打ち上げ等が全て自粛される厳かな雰囲気でした。
しかし、今回は違います。その慶事としての新元号制定後に、初めて迎える大相撲場所(5月場所)は大いに華やかな雰囲気になることが予想されます。その華やかな大相撲場所で、日本人横綱の土俵入りを敢行したいという相撲協会や横審の願いは理解できます。ただ、その願いが叶うことは事実上、不可能になったと言えましょう。
既にピークを大きく過ぎている白鵬と鶴竜の2横綱
日本人横綱どころか、5月場所には“横綱不在”という最悪事態の可能性も現実味を帯びてきました。現在進行中の1月場所で、横綱・鶴竜は5日目を終わって2勝3敗と黒星が先行しているばかりでなく、あっけなく負ける相撲が多過ぎます。結局、6日目から休場になりました。休場は2場所連続です。今後の成り行き次第では、3月場所で引退に追い込まれる懸念も拭えません。
また、頼みの綱である白鵬も、全勝こそキープしてはいるものの、既に3敗くらいしていても不思議でない相撲内容です。日々相撲を観ている人は、筆者の見解に納得してくれるのではないでしょうか。大横綱と称される白鵬も、全盛期を過ぎているのは誰の目にも明らかであり、5月場所まで横綱に留まっているとは言い切れなくなりました。
こう書くと、“まさか! 白鵬は大丈夫だろう”と訝る人が多いかもしれません。しかし、2年前に稀勢の里が横綱に昇進した時、今回の引退を予想した人はほとんどいなかったはずです。白鵬と鶴竜は、横綱としての相撲が取れなくなった時点で、新元号制定や慶事とは関係なく、自ら引退の道を選ぶのではないでしょうか。
大関陣は横綱以上に深刻な事態、5月場所に何人残っているのか?
さらに、稀勢の里の進退に注目が集まった今場所は、大関陣も不甲斐ない相撲ばかりです。
栃ノ心は初日から4連敗で5日目から休場(来場所はカド番)、豪栄道も4連敗後にようやく初日が出るありさまで、大関の相撲とは到底言えません。また、高安も黒星が先行する不安定な相撲が目立っています。ある意味では、横綱よりもこれら大関陣のほうが深刻です。
こうした現状を踏まえると、決して悲観論を煽るわけではありませんが、4カ月後には現在の横綱・大関の5力士(稀勢の里引退後)が1~2力士になっている可能性も浮上しているのです。
やはり、史上7度目(年間6場所制になった1958年以降)となった4横綱時代がピークとなり、前例に倣ってボトムを付けに行くのでしょうか。過去6回の4横綱時代は、いずれもその後に衰退の時期を迎えています。
着実に育ってきている次世代を担う若手力士
ただ、こうした横綱・大関陣の不振は、裏を返せば、勢いのある若手力士が多く登場してきたことを意味しています。今すぐ横綱になることは不可能としても、昨年に幕内優勝経験を積んだ御嶽海や貴景勝は、来場所(3月場所)の成績次第では、大関に昇進する可能性は十分あると言えましょう。
また、大関までには時間がかかりそうですが、場所ごとに強くなっている錦木や阿武咲のほか、逸ノ城も復活の兆しを見せています。次世代を担うであろう若手力士は着実に力を付けていることは確かです。
今後は、こうした点に着目して大相撲を楽しむのが良いのかもしれません。
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