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消費増税とキャッシュレス化 後編:軽減税率、キャッシュレス化で得する業種、損する業種

トウシル / 2018年12月19日 14時7分

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消費増税とキャッシュレス化 後編:軽減税率、キャッシュレス化で得する業種、損する業種

「前編:増税で損しないための3つの方法」では、政府の軽減税率やポイント還元策の見込みのほか、大手企業の独自のポイント還元策実施の可能性について述べました。では、上場企業の業績にはどのような影響が発生するのでしょうか? まとめると以下のようになります。

業績へのポジティブな効果が期待できるセクター

軽減税率の恩恵に期待

業績へのネガティブな影響が懸念されるセクター

 

軽減税率の恩恵に期待できるスーパー、宅配、食品製造、コンビニエンスストア

 現時点で増税の影響を緩和する施策は流動的な状況ですが、消費者の生活を守る意味合いの強い軽減税率は実施される可能性が高いです。軽減税率の対象は持ち帰りの食品や宅配となる見通しのため、スーパー、宅配、食品製造、コンビニエンスストアはその恩恵を受ける余地があります。これらの業態にとって、来年後半は外食から顧客を奪う好機になるでしょう。

食品スーパー

 飲食品の持ち帰りが基本の食品スーパーは有利な立場になるでしょう。食品メーカーが、自宅で簡単に調理できる加工食品や冷凍食品を訴求することによって、スーパーの惣菜以外のコーナーも魅力度が高まりそうです。食品スーパーのなかでも、ヤオコー(8279)ベルク(9974)に期待しています。両社は相対的に消費環境が有利な地域を基盤にしていることに加え、独自の付加価値を消費者に提供しています。詳細は、5月31日「優待だけじゃない!イオン、ヤオコー、ベルク…スーパーストア業界に変化の兆し」で詳しく述べています。


宅配

 宅配も恩恵を受けるでしょう。近年、節約志向が高まるなかでも、外食および調理食品へのニーズが強く、日本の消費者は手軽さや時間の効率化に価値を見出していると考えられます。この時短ニーズを、外食から奪うチャンスです。宅配サービスでは、オイシックス・ラ・大地(3182)に注目しています。食材にこだわりのある消費者のニーズをつかんでいるほか、共働き世帯を中心にミールキットが支持されています。

 

食品製造

節約志向が高まれば、調味料や加工食品が買われそうです。代表的な銘柄として、日清食品HD(2897)キッコーマン(2801)が挙げられます。

 

コンビニエンスストア

 お弁当や惣菜を扱うコンビニエンスストアにも注目しています。各社キャッシュレス対応が充実していることから、日用品などについてもポイント還元の恩恵も受けられそうです。しかし、直営店についてはポイント還元分を自社で負担するリスクがあります。

 

ネガティブな影響が懸念される外食

 政府のキャッシュレス決済を通じたポイント還元案は、中小の店舗が5%、大手チェーンが2%になる見通しと報道されています。これに危機感を感じた大手企業が、中小の小売に対抗するために、自己負担で追加のポイントを還元する動きが広がれば、上場企業の利益は圧迫されるでしょう。

 特に、外食業界は厳しい展開が予想されます。全く同じ商品を販売する場合、大規模に店舗を展開している大手企業に価格競争力があると言えます。しかし、外食の場合、価格だけではなく食材や雰囲気なども含めて総合的に店舗が評価されると考えられるため、必ずしも大手に値ごろ感があるとは言えないからです。個人経営の外食であれば、5%ポイント還元であるのに、大手外食チェーンであれば還元率が2%との報道を受けて、消費者が近所の中小店舗に好んで足を向ける可能性があります。

 利益率の低い外食業界は、大企業であっても、キャッシュレス決済が進んでおらず、その対応に追われるリスクも考える必要があります。しかし、日本マクドナルドHD(2702)ロイヤルHD(8179)については、既にさまざまなキャッシュレス決済に対応できています。その利便性が消費者から評価されれば、他の外食の需要を奪うチャンスとなるでしょう。

 

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(松村 梨加)

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