1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

年末に進む円安!ドル/円、116円はあるのか? 年末年始の上下のメドは?

トウシル / 2021年12月30日 10時10分

写真

年末に進む円安!ドル/円、116円はあるのか? 年末年始の上下のメドは?

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは115.45

下値メドは114.40

[用語]  BNPL(Buy Now Pay Later)とは,オンラインショッピングに最適として世界各国で広がる新しい支払い方法。後払い決済サービスで、クレジットカード不要。分割払いに手数料なし、与信審査なし。

 29日(水曜)のドル/円は「円安」。高値115.04円,安値114.66円,1日の値幅0.38円。

 この日は114.79円からスタート。夜の初め頃(欧州時間)にオミクロン変異株による急落後初めてとなる115円台にのせ、115.04円をつける。ただその後は売り戻されて、日本時間未明(NY時間)に114.66円まで下落。終値は114.98円(前日比+0.17円)

 クロス円でも円安は進み、ユーロ/円はこの日130.56円、豪ドル/円も83.49円まで上昇してそれぞれ12月の高値を更新。2021年はまだあと2日残っています。ドル/円が年初来高値を更新するチャンスはまだあります。年末年始の上下のメドは今日の注目通貨をご覧ください。

 ただ、円安イコールドル高ではなく、ユーロ/ドルは12月の上限付近1.1369ドルまで戻し、豪ドルは0.7272をつけて12月の高値を更新。円以外の通貨では「ドル安」になっています。

 米国でオミクロン変異株の感染者が急増していることも懸念材料ですが、その問題は別にして、バイデン民主党の肝いりの政策である1兆7,500億ドル規模(約200兆円)の「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」法案の可決が難航していることがドル高にブレーキをかけています。

 株式市場は、FRB(米連邦準備理事会)の利上げというマイナス材料」を、米政府の積極的な財政政策による米国経済成長期待という「プラス材料」で打ち消してきたところがありますが、BBB(BBB=より良い再建)歳出法案が大幅に縮小されることになれば、ドル高を見直す必要に迫られます。またFRBの人事で、銀行監督担当副議長に、金融規制に積極的な考えを持つラスキン元FRB理事の起用をバイデン大統領が検討していることも株式市場にとっては不安材料になりました。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

※次回の「毎ヨミ! 為替Walker」は、2022年1月7日(金)掲載です。

今日の為替トレッキング

今日の一言

自分が大切なことを成し遂げたいと思うならば、他人が助けてくれることを期待してはいけない

I'll Follow The Sun

 2021年後半の世界の中央銀行そして投資家にとって、最大の注目ポイントは「インフレ」だったといっても過言ではないでしょう。

 インフレはグローバルな事象ではなく、各国の経済事情によって異なるローカルなイシューといわれていますが、このインフレは、米国だけではなく、欧州、英国、中国と、世界同時多発的に発生しています。日本では今のところ顕著な物価上昇は観察されていませんが、11月の国内企業物価指数は41年ぶりの上昇を示すなど、その兆候はすでに表れていて、物価上昇が始まるのは時間の問題と思われます。

 2021年のインフレはどのようにして起こったのか。その原因をつくったのは、新型コロナでした。2020年3月、新型コロナ感染の大流行によって世界の主要都市が次々とロックダウンを導入。多くの人々は仕事を失い、移動の自由を奪われるなかで、政府は景気下支えのため現金を配りました。

 2021年になってコロナワクチンが普及し、この1年で米国では73%、日本では80%、世界全体でも50%が部分接種を完了。ワクチンの普及によって移動制限が緩和され、人々が自由に外出できるようになると、「リベンジ消費」と呼ばれる、時間差での消費需要が発生しました。

 需要はいちどきに発生し、またロックダウン後の小売店は在庫が品薄だったことも重なって、流通網に多大な負荷をかけた結果インフレが大発生しました。つまり、需給のバランスが崩れたことがインフレの原因だったのです。別の見方をすると、2021年後半の経済は、ロックダウンや緊急事態宣言などで使う機会がなかったお金を財源とした、熱狂的な消費者需要に支えられたともいえます。

 しかし、貯金はいつか底をつく。2022年は異常な需要がおさまり、インフレも時間差で落ち着いて行くでしょう。今がまさに、異常から正常への転換点に立っているのかもしれません。

 急速に感染が拡大しているオミクロン変異株に対して、各国の政府がロックダウン再導入を決断し、景気対策でまた現金を給付するならば、これは2020年の繰り返しで、オミクロン変異株はインフレ要因となります。

 しかし、政府の財源は無限ではない。現金給付金なしで厳しい移動制限を強制するならば、需要は後退し、特に旅行などサービス産業がダメージを受けることになるでしょう。この場合、オミクロン変異株はデフレ要因となります。

今日の注目通貨:ドル/円

今週の予想レンジ ↑115.83円 ↓113.65円

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は114.74円。
114.74円より上ならばドル買い優勢、114.74円より下ならばドル売り優勢。

 2021年これまでの高値は115.52円,安値は102.59円。平均値は109.06円。
1日の最大値動きは2.32円,最小値動きは0.18円。平均値動きは0.59円。
2021年のこれまでの値幅は12.92円。

116.25円 :     第4レジスタンス(HBO)

115.83円 :     第3レジスタンス
115.52円 :     2021年 高値 
115.42円 :     第2レジスタンス 
115.29円 :     第1レジスタンス
115.04円 :     12月 高値

114.74円 : ピボット

114.20円 :     第1サポート
114.09円 :     12月 61.8%
114.07円 :     第2サポート

113.80円 :     12月 平均値
113.65円 :     第3サポート
113.51円 :     12月 38.2%
113.24円 :     第4サポート(LBO)

112.56円 :     12月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ドル/円データ

※次回の「毎ヨミ! 為替Walker」は、2022年1月7日(金)掲載です。 

(荒地 潤)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください