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インド株式はなぜ堅調?高成長国への投資方法

トウシル / 2022年8月19日 8時0分

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インド株式はなぜ堅調?高成長国への投資方法

世界市場の中でインド株式の優勢が目立っている

 米国市場では、S&P500種指数が年初来の下げ幅の半分を埋め戻し、「半値戻しは全値戻し」との相場格言を期待させる回復基調をみせてきました。とは言っても、次回(9月)FOMC(米連邦公開市場委員会)に向けたインフレ指標やイベント(ジャクソンホール講演など)を巡る不透明感はいまだ根強く、ショートカバー(売り方の買い戻し)一巡後に押し目形成を余儀なくされる可能性はあります。また、米国経済の景気後退入り観測が業績不安につながる可能性も否定できず、米国株の戻り機運が順調に続くことを楽観視はできません。

 こうした中、本稿では「国際分散投資」を拡充する観点でインド株式に注目したいと思います。図表1は、2020年初を100とした場合のインド、米国、日本、中国のMSCI株価指数の推移を比較したものです(現地通貨ベース)。結果として、主要市場の中でインド株式が優勢を維持してきた点が目立っています。

 特に同じ新興国(大国)である中国株と比較すると、インド株式の堅調が際立っていると言えるでしょう。農業大国であるインドは、エネルギー資源の輸入大国でもあります。最近の原油相場(WTI先物)の下落基調は、インド経済の下支え要因と考えられます。なお、インドのナレンドラ・モディ首相は8月15日(独立記念日)に行った演説で、「25年後(2047年)までに先進国入りを目指す」と宣言しました。以下では、インド株式堅調の背景、投資魅力、具体的な投資方法についてご紹介したいと思います。

<図表1>主要市場との比較でインド株式の堅調が目立つ

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年初~2022年8月17日)

インド株式堅調の背景に高い成長期待あり

 インド株式が相対的に堅調である要因として、世界の主要国の中でもインドの経済成長期待が比較的高いことがあります。2020年には「コロナ危機」の影響でインドの実質GDP(国内総生産)成長率は▲8.0%と落ち込みましたが、IMF(国際通貨基金)の最新経済見通しによると、2021年の+8.7に続き、2022年には+7.4%、2023年も+6.1%と相対的に高い成長率への回復軌道が見込まれています(World Economic Outlook of July 2022)。コロナ禍からの回復に加え、労働人口増加、平均所得(収入)増加、個人消費拡大、インフラ整備に伴う外資企業の進出増加、生産性改善という好循環を要因とする高成長が期待されています。

<図表2>インドの成長率予想は相対的に高い

出所)IMFの最新経済見通しより楽天証券経済研究所作成(2022年7月)

 本来、インドは潜在的に高い経済成長が見込まれています。総人口は2023年に14億人強と中国を抜いて世界最多になると見込まれています。国連の推計によると、2050年に16億人強まで増加するとの見方もあります。

 また、経済成長の原動力として注目されているのは、生産年齢人口(15歳以上64歳以下の人口)の高い伸びと総人口における割合の増加傾向です。所得格差(貧富の差)の問題はあるにせよ、一人当り平均GDP(≒平均所得)はいまだ2185ドル程度(2021年/IMF推計)と低く、平均年齢が若い(28歳)ことで、「インドの高度経済成長期はこれからが本番」とされます。

 こうして、2030年代には名目GDPで米国や中国に次ぎ世界3位となる可能性も予想されています。モディ首相は、8月15日(独立記念日)に演説を行い、25年後までに(英国からの独立後100年となる2047年までに)先進国入りを目指す決意を表明しました。同首相は、「インドは世界の製造業の拠点に成長している」と述べ、汚職撲滅を進めることで外国からの資本を呼び込み、地場産業底上げをはかり、デジタル化や若者・女性の労働参加を促すことで、ものづくり国家の実現を目指す「メイク・イン・インディア」構想を推し進めていく姿勢を強調しました。

インド株式への分散投資を資産形成に取り込むには

 実際にインドへの投資を検討するにあたっては、個別銘柄のリスクや比較的高い取引コストの壁があります。そこで、具体的な分散投資ツールとしてインド株式全体の成長に沿う投資成果を目指す東証上場ETF(1678)をご紹介します(図表3)。

 本ETF(上場投資信託)のベンチマークはインドのCNX Nifty 50指数(円換算)です。インドのナショナル証券取引所に上場する企業のうち時価総額、流動性、浮動株比率などで選定された主要50銘柄で構成されています。同ETFは売買コストが高い現物株式に投資するのではなく、シンガポールで取引されているNifty50指数先物に投資している点が特徴です。同ETFの運用純資産は約147億円となっています(運用:野村アセットマネジメント)。売買単位は100口単位となっており、直近の単価269.70円(17日終値)をもとに試算すると、売買金額として2万7千円程度からインド株式に分散投資するのと同じ効果が期待できるポートフォリオを保有できます。

 なお、同ETFの「過去3年騰落率(年率平均)」は+21.9%となっています(17日時点)。長期目線に立った国際分散投資の「コア・サテライト戦略」におけるサテライト部分(新興国株式への分散投資)の役割を担う手軽なツールとして注目したいと思います。

<図表3>インド株式への分散投資効果を目指すETFに注目

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年1月初~2022年8月17日)


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(香川 睦)

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