円高を予想するのはまだ早い?ドルを押し目買いすべき理由とは?
トウシル / 2022年12月30日 10時35分
円高を予想するのはまだ早い?ドルを押し目買いすべき理由とは?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは135.45円
↓下値メドは131.20円
FRB:量的引締めは2023年半ばに終了。米国経済はリセッション入りへ
IMF:世界経済の1/3が来年マイナス成長に。不動産市場が最も打撃受ける
スイス:SNB「失業率が上昇しても利上げを続ける」
中国経済:来年の中国市場に強気の見方、徐々に増える
中国共産党:金融市場は投資の場所ではなく、安全保障の脅威とみなす
雇用統計:人員削減の多くはウェストコーストのIT部門。採用拡大部業種も少なくない。
中国経済:人民銀行総裁、2023年中国のリセッションを警戒
中国コロナ: 80歳以上の成人の90%に1月末までに最低1回のワクチン接種を目標
中国コロナ:中国政府、コロナ分類の引き下げ決定
中国コロナ:ゼロコロナ政策緩和を急ぐのは、外需不振で内需を拡大する必要があるため
2022年のドル/円の安値は1月24日の113.47円、高値は10月21日につけた151.95円。高値と安値の50%(半値)は132.71円。この日の終値は133.03円。9ヵ月間かけて積み上げた円安貯金の半分がたった2ヵ月で消えてしまった。
12月29日(木曜)のドル/円は「円高」。
1日のレンジは132.87円から134.41円。値幅は1.43円。
2022年259営業日目は134.36円からスタート。高値は東京時間朝につけた134.41円で、上値は限られた。前日の高値(134.50円)も超えられなかった。
この日発表された米雇用関連の経済指標は冴えなかった。「悪いデータは良いニュース」でNY株式市場は上昇した一方、ドル/円は下落(円は上昇)。明け方には一時133円を割り132.87円まで円高に動いた。終値は133.03円(前日比▲1.43円)。
今週は薄い相場のなか132円から134円まで円安が進んできたが、年末のポジション調整もあって、この2日間の上昇分をほぼすべて戻した。
レジスタンス:
134.41円(12/29)
134.50円(12/28)
137.48円(12/20)
サポート:
133.35円(200時間移動平均)
132.87円(12/29)
132.63円(12/27)
2022年のユーロ/円の安値は3月7日の124.39円、高値は10月21日につけた148.40円。高値と安値の50%(半値)は136.40円。29日の終値は141.83円。2021年終値から約10円のユーロ高/円安。
レジスタンス:
142.68円(12/29)
142.94円(12/28)
145.84円(12/20)
サポート:
141.65円(200時間移動平均)
141.58円(12/29)
141.10円(12/27)
2022年の豪ドル/円の安値は1月28日の80.37円、高値は9月13日につけた98.67円。高値と安値の50%(半値)は89.52円。29日の終値は89.89円。2021年終値から約5円の豪ドル高/円安。
レジスタンス:
90.59円(12/29)
91.05円(12/28)
92.40円(12/16)
サポート:
89.63円(12/29)
89.55円(200時間移動平均)
89.13円(12/27)
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
ディーラーは3日やれば止められない
The Final Countdown
マーケットでは日々様々な材料が登場しているが、どう計算しても答えは「ドル高」になる。
欧州では、エネルギー不足の深刻化で来年の景気後退入りはもはや避けられない状態だ。ウクライナ戦争は停戦の道筋が全く見えないどころか、ロシアは核や生物化学兵器を使用する可能性があるなかで地政学リスクは一段と高まっている。
英国では今年、MMT(現代貨幣理論)的経済政策を掲げたトラス首相はあっという間に辞任に追い込まれた。後任にスナク元財務相が就任して、英国の財政政策は先進国で最も「緊縮的」になるといわれる。前首相のジョンソン氏は今回の立候補を断念したが、いまだ保守党内の最大派閥であり、自分を裏切ったスナク新首相との関係は良好とはいえないようだ。英国の政治不安もまだ終わりそうにない。
経済構造の変革期にはアンチ政党や単一政策政党に支持が集まる傾向があるが、欧州ではイタリアやスウェーデンに極右内閣が誕生した。移民政策やロシア制裁を巡って欧州内の足並みが乱れるおそれがある。
海外需要が縮小するなか、国内経済に頼るしかなくなった中国は、唐突にゼロコロナ政策を放棄した。高速鉄道脱線事故が起きた時に車両を地面に埋めて隠してしまったくらいだから、新型コロナも初めから存在しなかったことにするのかもしれない。
世界経済の3割以上が、来年までに景気後退に陥る」と、IMFは警告する。世界がエネルギー不足に苦しむ姿を傍目にOPEC+は大幅減産を断行して、世界的インフレをさらに悪化させることに一役買っている。景気不安は社会不安につながる。今年の世界各地での暴動は昨年の2倍以上に増えてた。
それに比べると米国の経済は堅調である。たしかに高止まりするインフレ率は問題だ。とはいえ、米国のインフレは「需要インフレ」であって、欧州や日本のような「供給(輸入)インフレ」とは違う。つまり米国の経済の元気が良すぎることが原因なのだ。FRB(米連邦準備制度理事会)の連続大幅利上げでも米国の労働市場は強さを維持している。
金利の低い国からお金を借りて金利の高い国に預ける。弱い国の通貨を売って強い国の通貨を買う。これは合理的な取引である。ドルは唯一無二のセーブヘブン通貨だ。
今週と来週の 注目経済指標
今日の注目通貨:ドル/円
予想レンジ ↑141.19円 ↓125.98円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は133.59円。
133.59円より上ならばドル買い優勢、133.59円より下ならばドル売り優勢。
2022年現時点の高値は151.95円、安値は113.47円。平均値は132.71円。
1日の最大値幅は6.90円、平均値幅は1.39円。
2022年の値幅は38.48円。
2021年の終値(115.09円)に比べて17.71円の円安。
148.82円 : 11月 高値
144.10円 : 第4レジスタンス(HBO)
141.19円 : 第3レジスタンス
138.29円 : 第2レジスタンス
138.17円 : 12月 高値
137.49円 : 11月 安値
137.39円 : 第1レジスタンス
134.37円 : 12月 平均値
133.59円 : ピボット
132.71円 : 2022年 平均値
130.57円 : 12月 安値
129.78円 : 第1サポート
128.89円 : 第2サポート
125.98円 : 第3サポート
123.08円 : 第4サポート(LBO)
2022年 ドル/円データ
(荒地 潤)
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