FRBの追加利上げの確率が50%以上に? 9月米雇用統計レビュー
トウシル / 2023年10月10日 9時41分
FRBの追加利上げの確率が50%以上に? 9月米雇用統計レビュー
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは149.15円
↓下値メドは148.20円
NY株式:投資家の半数が「7月の株価が今年のピーク」
経済スパイ:ベルギー当局、アリババの物流拠点監視 「スパイ活動」懸念で
中国景気:投資家の50%が「中国経済の急速な回復は期待薄」
ECB利上げ:利上げ効果低い。インフレ要因のほとんどが金利反応度低いため
ECB利上げ:カザークス・ラトビア中銀総裁「追加利上げにオープン」
米スト:ビッグ3の工場でスト、4年で40%の賃上げ要求
市況
今月のドル/円の高値は、3日のNY市場でつけた年初来高値となる150.16円。今月の安値は、その直後に「介入的な動き」によって急落してつけた147.29円。レンジの中心値は148.725円。現在の水準はそれよりやや円高に位置している。
2023年201営業日目のドル/円は、前日比0.76円の「円高」。24時間のレンジは0.80円。
10月9日(月曜)は149.08円でオープン。東京時間朝に149.23円まで円安に動いたが、先週金曜日(6日)の米9月雇用統計発表後につけた高値149.53円には届かなかった。
欧州市場では中東の地政学リスクを理由とした円買いが優勢となった。NY市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)高官が、追加利上げに慎重な発言をしたことがドル売りにつながり、149円を下に抜けると明け方には148.43円まで一気に円高に動いた。終値は148.52円。
レジスタンス:
149.23円(10/09)
149.53円(10/06)
150.16円(10/03)
サポート:
148.43円(10/09)
148.35円(10/06)
148.20円(10/05)
2023年 騰落表
今日の為替ウォーキング
今日の一言
救いようのない投資家は、心地よいときにだけ株を買う。そして新聞の見出しで吐きそうな時に、いそいそと売り払ってしまう – アメリカの相場格言
Carnival
米国経済のサマリーが雇用統計だとするならば、9月の雇用統計は、米国経済がFRB(米連邦準備制度理事会)やマーケットが考えている以上に力強いことをはっきりと示した。
BLS(米労働省労働統計局)が10月6日に発表した9月の雇用統計では、NFP(非農業部門の就業者数)は前月比で33万6000人増加して、市場予想の17万人を大幅に上回った。ハリウッドの脚本家組合と製作会社が新労働協約で暫定合意したことや、自動車業界のストライキが終結したことなども伸びた要因だ。さらに7月と8月の就業者は上方修正され、当初発表より合わせて11.9万人増えた。
失業率は3.8%で前月と変わらず、過去50年間で最も低い水準を維持した。労働参加率は62.8%で横ばいだった。平均時給は前月比で0.2%上昇し、前年同月比では4.2%上昇した。賃金の上昇ペースは2021年半ば以来の低い伸びとなった。
FRBが「ちょうどよい」と考える就業者数のレンジは10万人から20万人程度といわれている。ところが9月の雇用者数は、月30万人を超え、さらに過去分だけでも12万人増えた。
FRBが、金融政策は十分に引締め状態なのかを自問したならば、答えは「まだまだ足りていない」となる。その意味するところは、11月あるいは12月の利上げが、50%以上の確率で起きるということだ。
それだけではなく、来年の「利下げ」の開始時期はさらに後ずれし、さらに下げ幅も狭くなるだろう。金利市場もその予想を受け入れ、米10年債利回りが、2007年以来の高水準となる4.80%まで上昇している。
高金利でも企業の採用は拡大を続け、高インフレでも消費の勢いは止まらない。世界の他地域との格差は開くばかりだ。まさに「アメリカ例外主義」である。ドルの天下は今しばらく続くだろう。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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