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新年は国内多難&海外金利上昇!「昇り竜」相場で新興・成長・高利回り株に期待!?

トウシル / 2024年1月4日 13時30分

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新年は国内多難&海外金利上昇!「昇り竜」相場で新興・成長・高利回り株に期待!?

 2024年の株式市場がスタートしました。

 国内では1月1日(月)に能登半島地震が発生し、今も甚大な被害を受けた被災地への救援活動が続いています。

 翌2日(火)には羽田空港で航空機の衝突炎上事故も発生し、新年とは思えない慌ただしい状況になっています。

 ただ、2024年の干支(えと)である辰(たつ)年の相場格言は「辰巳(たつみ)天井」。

 上昇相場が続く年といわれ、1950年以降の日経平均株価(225種)を見ても、辰年の年間上昇率が最大というデータもあるようです。

 2023年の日経平均株価は12月29日(金)大納会の終値が3万3,464円となり、前年比28.2%も上昇し、10年ぶりの上昇率となりました。

 今から約34年前の1989年末のバブル期最高値は3万8,915円ですから、あと16.3%ほど上昇すると史上最高値を更新できます。

 2024年も日本株上昇が続くかどうかは、やはり米国の景気がソフトランディング(軟着陸)し、年3回と見込まれる利下げが波乱なく行われ、世界の株式市場にお金が流れ込みやすい環境が整うかどうか。

 さらに2024年は世界的な選挙イヤーです。

 米国では11月5日に4年に1度の大統領選挙が行われます。

 二大政党の一つ、共和党の候補にトランプ前大統領が選出される可能性も高く、株式市場のかく乱要因になりそうです。

 また、2024年1月13日(土)には台湾総統選挙も行われます。

 親米与党の民進党、野党第一党で中国寄りの国民党、どちらの候補が勝利しても、米中の軍事・経済的な対立が激化する可能性がありそうです。

 3月のロシア大統領選で再選確実なプーチン大統領はウクライナ侵攻でも劣勢を挽回しつつあります。

 そう考えると、2024年は再び地政学的リスクの高まりが株式市場の不安要素になるかもしれません。

 国内では米国の金利低下や日本銀行の金融緩和策の転換で、どこまで円高トレンドが進むかも注目ポイントでしょう。

 そんな中、すでに取引を開始した米国では1月3日(水)、2023年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録が公開されました。

 3会合連続の金利据え置きと2024年中に3回の利下げ見通しを示したことが既に発表されていましたが、議事録では2024年に利下げが行われる可能性は高いものの、いつ引き下げるか、本当に引き下げるかについては「不確実性が異常に高まっている」といった内容でした。

 そのため、2024年の早期利下げを見込む超楽観論が後退し、米国の長期金利の指標である10年国債の金利が一時4%の大台まで再上昇。

 1月2日(火)、3日(水)の米国株は利益確定売りに押され、低調な出だしになりました。

 これを受け、4日(木)の新年最初の取引となる大発会を迎えた東京株式市場では、日経平均株価の終値は前年末比175円安の3万3,288円となりました。

 日経平均は能登半島地震や米国株安の影響を受けて、取引開始後に幅広い銘柄で売りが入り、主力のハイテク株の下げ幅が大きくなり、一時770円安となりました。

 その後、地震からの復旧・復興期待から建設株に買いが入ったほか、為替相場が年末の1ドル=141円台 から143円台後半まで円安が進み、自動車など輸出銘柄が買い戻され、下げ幅を縮めました。

先週:年初の米国株は下落スタート、任天堂が最高値更新で主役は成長株に交代!?

 2023年最終週(12月25~29日)は日経平均株価が前週比0.9%高で3週連続の上昇、機関投資家が運用指針にする米国のS&P500種指数が前週比0.32%高と実に9週連続も上昇して終わりました。

 しかし、新年2024年を迎え、米国市場では米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が3月にも早々に利下げを行うのではないかという超楽観論に対する懐疑的な見方が台頭。

 3日(水)発表の2023年12月FOMCの議事録も利下げが遅れる可能性を示唆する内容だったため、史上最高値更新が目前だったS&P500種指数など米国株は2日連続の下げに見舞われました。

 ただ、ここまで9週連続で上昇してきた反動の利益確定売り、短期的な調整にすぎない可能性も高そうです。

 実際、米国市場に上場する半導体メーカー30社で構成されるフィラデルフィア半導体指数(SOX指数とも呼ばれます)は2023年12月27日(水)に史上最高値を更新。

 米国市場で時価総額が1001位から3000位までの小型株を指数化した株価指数「ラッセル2000」も2023年11~12月の2カ月で10月末比20%超も上昇するなど勢いづいています。

 2024年は世界的な金利低下が追い風になる、米国のラッセル2000や東証グロース市場250指数に代表される中小型の新興成長株が注目を浴びそうです。

 12月29日(金)の大納会の日には、大型株の中でもとりわけ成長性の面で注目されることが多い任天堂(7974)が上場来高値を更新。

 同社は2024年後半に次世代「Nintendo Switch」の発売もうわさされていることから、2024年の花形株の有力候補かもしれません。ただ、4日の大発会では、利益確定売りに押されました。

 また2024年1月から始まった新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)では、成長投資枠の年間最大240万円(非課税限度保有額は最大1,200万円)の投資対象として、個人投資家に人気が高い高配当株が有力視されています。

 業績が安定し、配当利回りの高い携帯キャリア株や銀行・保険株、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでいて、今後も積極的な株主還元策に期待できる割安高配当株の人気が高くなりそうです。

今週と来週:最重要の米国雇用・物価指標発表、辰年株高期待も円高や台湾選挙に注意!

 1月4日(木)から来週の連休明け9日(火)~12日(金)の株式市場は早くも米国の重要な雇用・物価指数が発表になります。

 すでに3日(水)には、米国でISM(全米供給管理協会)の12月製造業景況指数が発表され、前月に比べて、わずかながら予想以上に上昇。

 同日発表のJOLTS(雇用動態調査)の11月求人件数は予想を下回る3カ月連続の減少になり、米国の旺盛な求人需要が若干、沈静化してきたことを示しました。

 今後、4日(木)には、米国の給与計算代行会社ADP(オートマティック・データ・プロセッシング社)の2023年12月民間雇用統計、翌5日(金)には米国の12月雇用統計も発表されます。

 前月の11月雇用統計は予想を上回り、高金利政策でも米国の堅調な雇用状況が持続していることが判明しました。

 12月の農業部門以外の新規雇用者数は市場では17.0万人増、平均時給は前月比0.3%の伸びが予想されています。

 FRBが利上げ打ち止めの姿勢を鮮明にしているため、予想を多少上振れする程度なら、米国経済のソフトランディングを裏付けるものとして好感されそうです。

 逆に予想を大きく下回ると、米国経済の先行きに暗雲が広がるため、昨年2023年11月以降、上昇を続けた株価が急落するかもしれません。

 新年早々の1~2月に関しては、その前年に株価が順調に上昇した翌年などに限って、大きな株価急落に見舞われることも多いので注意が必要です。

 来週11日(木)には12月の米国CPI(消費者物価指数)も発表されます。

 市場予想では、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアCPIが11月の前年同月比4.0%の伸びから、12月にはようやく3.8%と、4%を切る予想になっています。

 また12日(金)には12月PPI(卸売物価指数)も発表に。

 CPIをはじめとした米国物価指標は昨年2023年に一貫して上昇率が鈍化したこともあり、株価上昇の原動力になってきました。

 しかし、12月のFOMCで利上げ終了と2024年中の利下げ再開が示唆されたこともあり、今後は高金利政策のもと、米国経済が本当にソフトランディングできるかどうかを示す景気・雇用関連指標の注目度の方が増すかもしれません。

 また、2024年早々には、英国金融機関のバークレイズがiPhoneの需要低迷を理由にアップル(AAPL)の投資判断を引き下げ、アップル株は2日(火)、前年末比で3.58%も下げ、3日(水)も続落しています。

 時価総額世界一でS&P500種指数の組み入れ比率No.1のアップルは2023年7-9月期まで4期連続の減収が続いたものの、2023年の上昇率は前年比48.2%でした。

 5割近く上昇したので上出来(じょうでき)といいたいところですが、ライバルのマイクロソフト(MSFT)は前年比56.8%の上昇とアップルを上回っています。

 マイクロソフトの方が買われている理由は、生成AI(人工知能)の「ChatGPT」を開発したオープンAI社(非上場)と提携し、同社のOffice製品やクラウドサービス「Azure」などにも横断的に使える生成AI機能「Copilot(コパイロット)」をスタートさせるなど、AI関連事業で先行していることもあるようです。

 そう考えると、2024年は米国巨大IT産業の「主役交代」が始まる可能性も高いでしょう。

 また、2024年は新NISAがスタートする記念すべき年です。

 非課税保有限度枠1,800万円までは投資にかかる税金が一生涯、非課税になります。

 裏金問題に揺れる自民党・岸田政権の低支持率やいつまでたっても日銀が異次元の金融緩和策を方針転換できない国内の賃金・経済状況が心配ですが、新NISA制度が大いに盛り上がるためにも、2024年の日本株が「昇り竜(のぼりりゅう)」で上昇することに期待したいものです。

 1月9日(火)の連載は休載させていただきます。次回は1月15日(月)となります。

(トウシル編集チーム)

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