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今買いたい日本株:9月配当、高配当×好業績のお宝株5選

トウシル / 2024年8月27日 17時59分

今買いたい日本株:9月配当、高配当×好業績のお宝株5選

今買いたい日本株:9月配当、高配当×好業績のお宝株5選

日経平均は3万8,000円台を回復、今後の懸念は?

 2024年8月は歴史に残る乱高下となりましたが、8月27日の日経平均株価終値は3万8,288円と暴落前の水準をほぼ回復しています。1987年10月に発生したブラックマンデーのような「二番底」への警戒感は強かったのですが、いったんは落ち着きを取り戻した格好です。

 落ち着きを取り戻した背景は、何といっても日本銀行の「やっぱりハト派」方針でしょう。

 8月23日に行われた衆議院財務金融委員会の閉会中審査にて、植田和男日銀総裁は「引き続き金融市場は不安定な状況にある」「当面はその動向を極めて高い緊張感をもって注視していく」と述べたほか「経済・物価の見通しが我々の思っている姿通りに実現する確度が高まると確認できれば、今後、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な姿勢に変わりない」と説明しました。

 市場に一定の配慮は見せましたが、7月31日の日銀金融政策決定会合後の記者会見での発言とほぼ変わらない内容だったことから、為替市場、株式市場ともに警戒感がやや強まりました。

 ただ、同日午後の参議院財政金融委員会にて「(内田真一日銀副総裁の金融政策の考えと)違いはない」と説明したことから、植田日銀総裁も「ハト派」なスタンスであることが確認できました。市場では安心感が広がり、「日銀が段階的な利上げを行う」といった過度な警戒感はようやく後退しました。

 また、もう一つ注目された米ワイオミング州の避暑地であるジャクソンホールで開催された会合(ジャクソンホール会合)では、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「政策を調整すべき時が来た」と述べ、次回9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)における利下げを強く示唆しました。

 この発言を受けて、23日の米国市場では10年債利回りは低下し、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数、S&P500種指数の主要3株価指数はそろって上昇。NYダウ、S&P500は史上最高値更新が迫っています。為替は1ドル144円台と円高ドル安に振れていますが、米国株高は日本株の下支えとなるでしょう。

 一方、パウエルFRB議長の発言の中で懸念材料もあります。パウエルFRB議長は「強い労働市場を支えるためにできることを何でもする」と語ったことから、9月上旬に発表される米雇用関連の経済指標が市場予想を大きく下回る内容となった場合、0.50%の利下げを実施する可能性も出てきました。

 市場は、年内3回(0.75%)程度の利下げ実施を予想していますが、一度に0.50%の利下げ実施となれば、8月上旬同様、市場は景気後退(リセッション)を強く意識する可能性はあります。

新NISAで長期投資、お宝銘柄を拾いたい

 日銀は利上げ、FRBは利下げと真逆ですが、日米中央銀行はともに金融政策の大きな転換点を迎えていますので、市場が過敏に反応するのは仕方ないことです。

 乱高下に一喜一憂してしまう気持ちは分かりますが、新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で投資されている方は、短期的な指数の値動きに一喜一憂せず、5年後、10年後といった先を見据えた投資を実践していただければと思います。

 長期投資の基本に立ち返りますと、暴落局面こそ「ドルコスト平均法」に尽きると思います。好業績銘柄も高配当・優待銘柄も根こそぎ下落するのが暴落局面ですので、暴落局面は長期投資からすると好業績のお宝銘柄が安く拾える可能性があります。

 特に9月は中間配当を実施している3月決算企業の権利取りが発生しますので、9月26日の権利付き最終日に向けて、高配当利回り銘柄への関心は高まるでしょう。

 ということで、今回は、中間配当を実施している3月決算企業から高配当利回りで、今後も好業績が期待できる5銘柄をご紹介します。

9月中間配当、高配当×好業績に期待の日本株5選

銘柄名 株価(円)
(8月27日終値)
ポイント
野村不動産HD(3231) 4,118 「脱デフレ」は不動産事業の追い風に
日本製鉄(5401) 3,278 構造改革を評価、USスチール買収の進捗(しんちょく)にも期待
大和工業(5444) 7,211 米国市場で需要拡大
三菱HCキャピタル(8593) 1,049 航空機やロジスティクスリースが好調
ふくおかFG(8354) 3,807 設備投資需要が高い九州を地盤

※HDはホールディングス、FGはフィナンシャルグループの略

野村不動産HD(3231)

「プラウド」ブランドのマンションを中心に展開しています。配当利回りの高さは大手不動産の中でも高水準で、2025年3月期も増配となれば13期連続での増配となります。

 利益に連動する配当方針ではなく、株主資本の4%を下限として配当を支払う指標を設定しているので、安定的な配当が期待できます。本来、金利上昇局面は負債が大きい不動産企業にはデメリットと捉えられがちですが、「脱デフレ」によってインフレが当たり前の時代に変わることは同社など不動段企業の追い風になるでしょう。

日本製鉄(5401)

 言わずと知れた日本トップの鉄鋼メーカーです。NISAで保有している方も多いでしょうが、高配当利回り銘柄として改めてご紹介します。利益率の高い製品の販売増加や損益分岐点の改善で外部環境に左右されない収益構造の再構築に取り組んでいます。

 利益率低下の要因だった鹿島高炉の休止などによって、2026年3月期からは利益率が改善し大幅増益の可能性があります。なお、現在進めている米鉄鋼大手USスチールの買収は政治問題化しており、当初予定より買収完了時期が延期されていますが、現在の業績見通しには含まれていませんので、買収成功となった際は業績への寄与が期待できます。

大和工業(5444)

 鉄道軌道用品や建設向け鉄鋼材を電炉で製造しており、米国やアジア市場ではトップクラスのシェアを占めています。米国市場では、半導体やEV(電気自動車)大型工場建設などに関連した需要が伸びているほか、米国による中国材輸入規制も追い風となっています。

 2025年3月期業績は大幅な減益見通しですが、会社想定は保守的と考えます。株価は暴落前の水準まで回復していませんので、押し目を狙いたいところです。

三菱HCキャピタル(8593)

 三菱と日立のグループをベースとした強固な顧客基盤を有するリース大手です。25期連続で増配を続ける高配当利回り銘柄としても有名で、NISAを通じて保有されている方も多いかもしれません。足元、回復が続く航空機リースやコンテナ船などのロジスティクス事業が業績のけん引役となっており、2025年3月期当期利益予想は過去最高を更新する見込みです。

ふくおかFG(8354)

 金利上昇メリットの高配当利回り金融株から同社をご紹介します。設備投資意欲が旺盛な九州を地盤に複数の地方銀行を展開しており、総資産では地銀トップクラスです。地盤の熊本県は、台湾積体電路製造(TSMC)の進出をきっかけに半導体関連産業の集積が進んでおり、中小企業向けの貸し出しが好調に増加しています。

 今後、ロームが宮崎県に、ソニーグループが熊本県に、京セラが鹿児島県と長崎県でそれぞれ大規模投資を予定しており、九州7県と山口、沖縄を加えた9県の経済効果は今後10年間で20兆円との話もあります。九州を地盤に銀行業を展開している同社への波及効果は大きいと考えます。

(田代 昌之)

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