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米大統領選挙後に相場は大きな転換点を迎える!?

トウシル / 2024年9月5日 16時53分

米大統領選挙後に相場は大きな転換点を迎える!?

米大統領選挙後に相場は大きな転換点を迎える!?

今後数カ月の間に何が起こるかは分からないが、何事もなく終わることはないだろう

 ジム・クインは米大統領選挙でどちらが勝っても最終的な結末は同じだと述べている。「危機、大惨事、崩壊へのカウントダウンが始まっている」というのだ。

 彼のブログから、その要点を以下に紹介したい。

 トランプを選ぶことで、米国は破局的な崩壊を一時的に止めることはできるかもしれないが、何十年にもわたる誤った決断や、世界が米ドルへの信頼を失い、今にも崩れ落ちそうな負債の塔を覆すために、彼ができる実質的なことは何もない。

 何十年も前にルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが述べたように、本当に逃げ場はない。35兆ドルの負債があり、数カ月ごとに1兆ドルずつ増えている現状では、信用拡大は限界に達している。崩壊は避けられない。

「信用膨張によってもたらされた好況の最終的な崩壊を避ける手段はない。問題は、さらなる信用膨張を自主的に断念した結果、危機が早く訪れるか、それとも通貨システムの最終的かつ完全な破局として、危機が遅く訪れるかだけである」

(ルードヴィヒ・フォン・ミーゼス)

 今後数カ月の間に何が起こるかは分からないが、何事もなく終わることはないだろう。4thターニング(80年サイクル:独立戦争→南北戦争→第二次世界大戦→2025年?)は常に、暴力的な動乱、死、破壊、そして明確な勝者と敗者に向かって激化する。

世界の大変革を警告する80年周期説

*「4thターニング」は、ウィリアム・ストラウスとニール・ハウによる国家の歴史や盛衰をライフサイクルモデルと世代論で解説した80年サイクル理論。
出所:4thターニング(ウィリアム・ストラウス、ニール・ハウ)

ストラウスとハウの循環史観

春の時代:第一の節目・高揚(High)
夏の時代:第二の節目・覚醒(Awakening)
秋の時代:第三の節目・分解(Unraveling)
冬の時代:第四の節目・危機(Crisis)
出所:Hawramani.com

4thターニング:危機(冬の時代)

80年サイクルは日本にも当てはまる(明治維新→第二次世界大戦敗戦→2025年?)
出所:Hawramani.com

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は9月に利下げを行い、その後も利下げを続けるつもりだと世界中に語った。株式市場は史上最高値、住宅価格は史上最高値(2006年のピークより75%高い)、雇用は史上最高、GDP(国内総生産)は力強い成長、インフレ率はFRBの目標よりまだ50%も高いのに、なぜ彼はそんなことをするのだろうか?

 彼は報告されている数字がうそであることを知っており、彼の上司はインフレを再燃させれば株価が上がり、債務負担が軽くなることを知っているからだ。破滅的な債務と資産の崩壊が待ち構えている。

 しかし、(米大統領選挙までは)音楽はまだ流れている。

 ほとんどの人々は、現在の現実の残酷な事実に直面したがらないか、直視できない。平常心バイアスにしがみつき、目の前にある紛れもない破滅的脅威を信じず、最小化している。

 個人的には、今後6カ月が次の世紀、そしてそれ以降の人類の行く末を左右すると考えている。一歩下がって全体像を観察すれば、それは大げさな表現ではないと思う。この4thターニングは、歴史的な前例に基づけば、2032年前後に血なまぐさい結末を迎える予定だ。

 選挙結果がどうであれ、負けた側が敗北を認めないため暴力が続くだろう。この危機が2008年にFRBとウォール街のオーナーたちによって引き起こされてから24年後の2032年までに、ある種のクライマックスと解決に向けて旅するように、内戦が世界的な紛争と結びつくと私は予想している。

出所:ゼロヘッジ「危機、大惨事、崩壊へのカウントダウンが始まっている」(ジム・クイン)

レイ・ダリオ作成の米国のビッグサイクル

出所:リンクトイン、レイ・ダリオ

 ウォーレン・バフェットのバークシャーハサウェイの6月末時点の現金保有残高(現預金と米短期債の保有額を合計した額)は2,769億ドルと、前期(2024年第1四半期末は1,890億ドル)から約46%増え、過去最高を更新した。

 バフェットが記録的な額の現金を蓄えると、2000年、2008年、2020年、そして今のように、12カ月以内に大規模な株価の暴落が起こる可能性がある。

急増するウォーレン・バフェットの現金の山

出所:Golden Coast

 いま世界中で起きている終末的状況は、負債と資産の両建てで作られたエブリシングバブルに覆い隠され金融市場ではほとんど認識されていない。

 米国が覇権を維持して生き残る唯一の方法は、何兆ドルもの紙幣を印刷することだった。市場をポンジ・スキームに変え、持続不可能で急速に増大する国家債務を管理していた。だが、そんな時代は終わりに近づいている。

民主主義が最終的に国家の衰退を招くのは歴史の必然か?

 世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツの創設者で、著名投資家のレイ・ダリオがリンクトインに「Where Will the Money and Productivity Come From?(「お金と生産性はどこから生まれるのか?」)」と題するコラムを掲載した。

 以下、一部を抜粋してご紹介したい。

「トランプ対ハリスの対立:混乱する世界における極右と極左の対立」

 民主党大会では、党が多くの点で団結し、感動的な印象が伝えられたが、その印象は、通常予備選挙で同じ党のメンバーが互いに自分たちの信念や具体的な政策について争う際に浮き彫りになる党内の対立が表面化しなかったことに助けられている。これは、彼らが何を信じ、当選した場合にどのように政策を行うのかを理解する助けとなる。

 民主党の92ページにわたる綱領(ちなみに、これはバイデンのために書かれたもので、ハリス向けに更新されていない点に注目すべき)を詳しく調べ、裏で何が起こっているのかに注意を払えば、民主党が提供しているものの全体像がより明確になる。

 それは、オバマ、バイデン、そして民主党が以前に提供したものと同じで、ただし、より「進歩的」(つまり、極左的)であり、国が最も必要としている、広範な生産性を生み出し、それによって国が必要とする広範な強さと繁栄を創出するための計画が欠けている。

 同様に、トランプ・バンス共和党の極右的な選択肢に対しても深い懸念を抱いている。現実的な考えを持つ者として、私は知りたい:「繁栄をもたらすお金と生産性はどこから生まれるのか?」

 両陣営からは、どのようにして繁栄をもたらすかについて多く語れているが、それに必要なお金や生産性がどこから来るのかについてはあまり語られていない。左派は、富裕層や企業に対して大規模な課税を行うつもりだが、その金額がどれほどになるのか、そして所得税だけでなく、富裕税の形でも課されるのかは明確ではない。

 また、右派は富裕層や企業への課税を減らし、輸入品への課税や社会保障支出の削減に傾く傾向がある。どちらの場合でも、私には、赤字、増税、そして給付金の削減という不吉な組み合わせが待ち受けているようにみえ、どちらの党も、私たちが最も必要としている広範な生産性を提供するための良い計画を持っていないように思える。

 歴史と論理の研究を通じて、国が成功するために最も重要な要素は、広範な生産性であり、それが広範な繁栄を生み出すことを学んだ。その広範な生産性は、1)スキルと礼儀を教える優れた教育と、2)比較的広範で平等な機会から生まれる。

 歴史を通じて、成功した社会はこれらを持ち、持たなかった社会は失敗してきた。しかし、どちらの陣営にも、これを私たちにもたらす信頼できる計画が見当たらない。

 右派も左派も、現在遅れを取っている大多数の人々をより生産的にするための良い計画を持っていないように思える。

 歴史が示しているように、1)ほとんどの人々に生産的になるための訓練、スキル、機会を与えない限り、どんなシステムや秩序も持続可能ではないこと、そして、2)広範な生産性が軽視されればされるほど、富と機会の格差が広がり、社会が何らかの内戦状態に近づくことになるということだ。これは「機械」が動く仕組みそのものである。

 国の繁栄につながる唯一の道は、賢明で強力な超党派の指導者が、中道の合理的な人々を団結させ、システムをより良く機能させるための大規模な改革を実施することだと確信している。しかし、その見込みはない。現在起きていることは一見すると狂気のように思えるが、実は歴史を通じて何度も繰り返されてきたことである。

 中央政府による大量のお金と信用の供給(これは中央銀行から印刷され、借り入れされたもの)によって、住宅や食料のコストが急騰した。その結果、両陣営は互いにこの問題の責任を押し付け、非常に異なるイデオロギーに基づいた解決策を約束している。

 具体的には、ハリス・ウォルツ民主党は、これらの価格上昇を地主や企業による価格の不当引き上げだと見なし、住宅や食料に価格上昇の上限を設けたいと考えている。また、企業や富裕層への課税で資金を賄う補助金を提供しようとしている。これに対して、トランプ・バンス共和党側は、自信を持って、インフレは自由市場に任せるのが最善だと考えている。

 こうした動きは、記録が残る限り歴史を通じて繰り返されてきたし、現在もあらゆる場所で何らかの形で起こっている。例えば、紀元前375年にプラトンが『国家』で説明したように、民主主義は悪い統治につながり、最終的には国家の退廃を招く可能性がある。

 彼は、民主主義が個人の自由を優先しがちであり、それが規律の欠如を招き、理性よりも大衆の欲望や感情に訴えるリーダーの台頭をもたらすと主張した。

 私にとって、今迫られている政治的選択の最大の問題は、多くの人々が一方の悪い選択肢を他方と比較して、より悪くない方を良いものと誤解してしまっていることだ。彼らはまるで沸騰する水の中にいるカエルのように、悪化する状況やその背後にある問題、そしてそれをどう解決すべきかを見失っている。

 再び、歴史の教訓に立ち返るべき時が来たと思う。私たちは今、その教訓が展開される様子を目の当たりにしているはずだ。

出所:リンクトイン『お金と生産性はどこから生まれるのか?』(レイ・ダリオ)

 レイ・ダリオは、現在、私たちが目にしている極右と極左の対立は歴史的になんども見られてきたことであり、プラトンの主張を引用しつつ民主主義は理性よりも大衆の欲望や感情に訴えるリーダーの台頭をもたらし、最終的には国家の退廃を招く可能性があると論じている。

9月4日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」

 9月4日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、愛宕伸康さん(楽天証券経済研究所チーフエコノミスト)をゲストにお招きして、「日銀は何を考えているのか」「米国経済をどう見るか」「相場も経済も循環」というテーマで、愛宕さんに根掘り葉掘り聞いてみました。ぜひ、ご覧ください。

出所:YouTube
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 ラジオNIKKEIの番組ホームページから出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。

9月4日:楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー

出所:YouTube

<セミナーのお知らせ FX・CFDアカデミーin札幌>

2024年9月7日(土)10:00~15:15
札幌ビューホテル 大通公園/オンラインセミナー

 私も登壇します。

『大変動相場への対処法』石原順
13:10~

 ぜひ、ご参加ください。

☆YouTubeでのライブ配信は、お申し込み不要・全国どこからでもご視聴いただけます。

出所:YouTube

(石原 順)

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