未成年口座で子どものお金を管理するには?大家族FP直伝、口座選びと活用法
トウシル / 2025年1月28日 16時0分
未成年口座で子どものお金を管理するには?大家族FP直伝、口座選びと活用法
2023年にジュニアNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)が廃止され、非課税での新規買付はできなくなってしまいました。新しいNISAの非課税枠が拡大したことで、親の新NISA口座で子どものためのお金をまとめて運用しているという人もいるかもしれません。
とはいえ、なるべく子どものお金は子どもの口座で管理して、分かるようにしておきたいものですよね。我が家では、未成年口座を活用して子どものお金を管理、運用しています。今回は大家族FP直伝の未成年口座の活用法と注意点についてお話します。
未成年口座って何?子どもが運用できるの?
証券の未成年口座とは、未婚の18歳未満(0~17歳)を対象とした証券口座のことです。未成年口座の取り扱いは各金融機関によって異なります。一般的に、口座の名義は未成年者本人でも、運用を行うのは未成年者本人ではなく、親権者が取引主体者となって行うケースが多くあります。
楽天証券では、15歳になると本人が取引主体者となって運用を行うこともできます。高校家庭科では金融教育が始まりました。授業で投資について学んだ高校生本人が、自分で選んだ銘柄で運用を始めてみるのも良いかもしれません。
運用資金が贈与税の対象に!?
未成年口座での投資資金は親や祖父母からもらったお金であることがほとんどでしょう。お年玉やお誕生日のお祝いなど社会通念上相当と認められるものについては基本的に税金がかかりませんが、年間110万円を超える贈与には贈与税が課されてしまいます。未成年口座に資金を入金する際には注意してください。
また、将来的に場合によっては相続税が発生する可能性もありますので、贈与を受けた際には贈与契約書を交わしておくと安心です。
未成年口座の運用益、税金はどうなる!?
ジュニアNISAとは異なり、未成年口座は課税口座となります。売却益や配当金に対して20.315%の税金が発生してしまいます。未成年口座は納税の方法によって、源泉徴収ありの特定口座、源泉徴収なしの特定口座、一般口座の3種類から、口座を選択することになります。これは成人口座の場合も同様です。
源泉徴収ありの特定口座は証券会社が年間取引報告書を作成してくれて、源泉徴収し、納税してくれるので確定申告をする必要はありません。
源泉徴収なしの特定口座も証券会社が年間取引報告書を作成してくれますが、源泉徴収されないので、自身で確定申告をし、納税する必要があります。一般口座の場合は年間取引報告書の作成から確定申告、納税まで全て自身で行わなければいけません。
配当金はどの口座であっても源泉徴収されます。確定申告を行えば、総合課税と申告分離課税を選択することができます。
源泉徴収あり、なし、どっちがお得?
この三つのうちどの口座を選択するのがお得なのでしょうか。
一般口座は年間取引報告書の作成が必要なため、選択する方はあまりいないでしょう。源泉徴収ありの特定口座、源泉徴収なしの特定口座のどちらかを選択することになると思います。それぞれにメリットと注意点がありますのでしっかり押さえておきましょう。
源泉徴収ありの特定口座を開設した場合には証券会社が売却益の計算をし、源泉徴収して、納税をしておいてくれるため確定申告をする必要がないので楽です。ですが、子どもが小さいうちはアルバイトなど他の所得がないことがほとんどでしょう。
その他の所得とも合算しても所得が基礎控除(48万円)以下の場合には、源泉徴収されることで払う必要のない税金を払うことになってしまいます。このような場合は確定申告をすれば税金を還付してもらうことができますが、少し手間かもしれません。
源泉徴収なしの場合、源泉徴収されないため、本来であれば自身で確定申告をしなければいけません。ですが、その他の所得も含め、基礎控除以下の場合には確定申告をする必要がありません。源泉徴収をされていないので、還付のための確定申告もしなくてもいいということになります。
子どもが小さいうちは基礎控除以下におさまることが多いでしょうから、源泉徴収なしの方が手間がかからず、良いような気もしますね。
配当金はどちらの口座であっても源泉徴収されますので、還付を受けたい場合には確定申告をする必要があります。
特に注意しなければいけないのは、16歳以上で扶養控除の対象となる子どもがアルバイトなどを始めたり、予想以上に利益が出たりして、うっかり親の扶養から外れてしまうという事態です。このような事態を避けるためにも源泉徴収ありにしておいて、確定申告をするか、しないかを後で調整できた方が安心なのではないかと思います。
橋本家ではどうしてる?未成年口座活用法
橋本家の子どものお金の管理法をご紹介します。わが家では子どものお年玉や誕生日のお祝いなどは、子どもがもらったお金なので子どものものという認識でいます。とはいえまだ判断力が未熟なうちは大人の目も必要だと思いますし、そもそもすぐに使う必要もないお金なので、長期運用をしておいてあげたいと思い、私が取引主体者となって投資をしています。
手順としては、まず子どもの銀行口座に入金し、いつ、どのようにもらったか(お年玉、誕生日、入学祝いなど)を記帳ページに書き込みます。その後、銀行口座から証券口座に資金移動し、投資をしています。2023年まではもちろんジュニアNISAを利用していました。ジュニアNISA廃止に伴って、今は未成年口座の源泉徴収ありの特定口座を利用しています。
今のところ売却予定はありませんが、売却益が出た場合には必要に応じて確定申告をすればいいかなと思っています。ちなみに、ジュニアNISAで運用していた資金も非課税期間終了まで継続管理勘定で非課税運用を続けるつもりです。
まとめ
未成年口座を利用することで子どもの名義で子どものお金を管理することができ、家計とわけて貯めておくことができるので、お金の置き場として活用できます。
ジュニアNISAは廃止されてしまいましたが、未成年口座であっても確定申告をすることで基礎控除を利用して利益を非課税にすることもできます。非課税運用したいけれど親のお金とまざるのは嫌だなと思っていた方は、今回の未成年口座の活用法を参考にしてみてください。
(橋本 絵美)
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