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「七五三」なぜ祝うのか?意外と知らないお金事情 年齢によって異なる儀式、どんな準備が必要か

東洋経済オンライン / 2023年11月15日 19時0分

七五三のお金事情とは?(写真: プリンセススタジオ /PIXTA)

11月は七五三のシーズンですが、七五三にはどのくらいのお金がかかるのでしょうか?今さら聞けない七五三のお金事情について、山陰地方(鳥取・島根)で呉服店「和想館」を経営、『君よ知るや着物の国』の著作がある、着物と日本文化の専門家の池田訓之氏が解説します。

七五三の主な出費項目というと、主に神様への祈願代、衣装代、記念写真代、祝宴代になりますが、各代金の幅はかなりあります。

【写真】『君よ知るや着物の国』(池田訓之著)では奥深い着物の世界について解説する。

それぞれにどのくらいのお金をかければよいのか?それはこれからお話しする七五三という儀式の意味を知り、また相場を知れば、楽しく算出できると思います。

乳幼児が生き延びるのは大変だった

そもそも七五三は何のための行事なのでしょうか。今でこそ乳幼児は育って当たり前ですが、昔は「7歳までは神頼み」と言って、7歳まで生き延びるのは大変なことでした。

現在の乳幼児の死亡率は3%程度ですが、江戸時代にはなんと50%を超えていたのです。例えば、江戸時代の徳川11代将軍家斉公は40人の側室との間に55人の子供をもうけましたが、15歳以上生存者は21人、なんと34人(62%)が2歳未満で亡くなっています。

一般の家庭ではより生き延びるのは大変、死因のほとんどが天然痘やはしかなどの伝染病でした。7歳を超えてはじめて村の台帳に名前を登録したそうです。

そもそも数字には、奇数と偶数がありますが、数字は奇数から始まるので、奇数が陽の数で力が強いと信じられてきました。

そして最初の奇数の年、1歳のときには初誕生祝をします。明治になるまでは、年齢は数えで計算し、お正月がくるごとに1歳ずつ年齢を重ねていくので、誕生日の祝いは本来しませんでした。

しかし1歳だけは例外的に誕生した日に、餅を背負わせて、長く生きながらえるように祈願しました。その後、3、5、7と奇数年ごとに、神頼みを繰り返すのが七五三なのです。11月15日に参るのは「鬼宿」といって鬼が休む日で縁起がいいからです。

男女で儀式が異なる七五三

そして、七五三は、具体的にはそれぞれに儀式が異なります。まず3歳は、髪置きの祝いと呼ばれていて男女児ともに祝います。例えば平安時代には、男女とも生まれて7日目に産毛を剃り、3歳まで坊主頭でした。衛生状態が悪く髪の毛から病気を呼び込む危険が高かったからです。そして当日は、頭にぽんと白い綿帽子を置き、白髪になるまで生きながらえるようにと祈るのです。

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