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岸田首相「辞任ドミノ」で支持率下落の"底なし沼" 解散権失い、「ポスト岸田」に動き出す自民

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 10時30分

こうした岸田首相の対応について、党中枢の立場にある森山裕総務会長は「極めて異常な状態になっている。一日も早く、信頼回復に努めることが大事だ」と苦言を呈した。

これも踏まえ、岸田首相は14日午前の閣議では「こういうときこそ、一致結束して頑張らねばならない。国民の信頼を回復せねばならない」と閣僚らに指示。茂木敏充自民党幹事長も14日の党役員連絡会で、神田氏辞任について「大変遺憾なことで、深く反省し、二度とこのようなことがないよう政府与党でより緊張感をもって臨んでいきたい」と頭を下げた。

その一方で泉健太立憲民主党代表は「異常事態だ。(辞任した3人は)まったく適材適所ではなかった。派閥順送りの人事を、そのままのみ込んでしまった総理の罪は大きい」と手厳しく批判、今後の国会審議で岸田首相の任命責任を徹底追及する考えを強調した。

際立つ「辞任理由の異常さ」

そもそも昨年末の辞任ドミノは大臣だったのに、今回は副大臣と政務官で、「本来なら政権への打撃は小さいはず」(自民長老)だった。にもかかわらず、内閣支持率が政権発足以来最低となり、いわゆる「青木の法則」として知られる政権の危険水域にも落ち込みかねない状況となったのは、辞任理由の異常さも原因とみられる。

まずドミノの口火となった参院議員の山田太郎文部科学政務官は、教育行政の責任者なのに「買春」疑惑が報じられての辞任。次いで、衆院議員の柿沢未途法務副大臣は、法の番人のはずが「選挙違反」で東京地検の捜査対象となって辞任という体たらく。そして税理士としての手腕を買われて財務副大臣となった神田氏は、「税金滞納の常習犯」(立憲民主)とあっては、岸田首相へのとどめの一撃ともみえる事態だ。

しかも、政務3役の新たなスキャンダルも噂されるなど、「内閣は学級崩壊状態」(共産党幹部)ともみえる。9月中旬の内閣改造人事以来、岸田首相が繰り返してきた「適材適所」は、「もはや『不適材不適所』といわれても仕方ない」(自民長老)のが現状で、永田町では「最大の不適材は岸田首相自身」(立憲民主)と声まで飛び交う状況だ。

そもそも大臣・副大臣・政務官による「政務3役」という現在の仕組みが制度化されたのは、2001年の中央省庁再編に伴うもので歴史は浅い。それ以前は副大臣・政務官に該当していたのは「政務次官」という役職で、しかも各省庁では大臣と事務次官が中核で、「(政治家が務める)政務次官はいてもいなくても同じという意味で『政権の盲腸』といわれてきた」(自民幹部)のが実態だった。

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