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チョコザップ急拡大の裏で身銭を切った瀬戸社長 「1年強で1000店超」の出店を支える覚悟と自信

東洋経済オンライン / 2023年11月30日 11時0分

「チョコザップに対する覚悟と自信を示すタイミングだと考えた」。瀬戸社長がそう語るのは、今年8月に実施した自身の資産管理会社を通じた劣後ローンでの融資だ。

劣後ローンは「資本性がある」と認められるため、融資を受けた側は借り入れによる財務悪化を抑えることができる。ライザップはこれで55億円を調達した。

このとき、瀬戸社長には約1億円で新株予約権が割り当てられた。今後1年間でライザップが、一度でも四半期連結営業利益の黒字化を達成できたら、1株194円で予約権を行使できる。

すべて行使すると現在の発行済み株式総数の9.89%分を瀬戸社長が取得することになる。ライザップからすると、約107億円の資本増強になる。

ライザップの株価は足元で300円台。今後も上昇するのであれば、瀬戸社長は割安で取得できる権利を得たといえるが、リスクもその分負っている。

ライザップ株の終値の月平均値が一度でも行使価額である194円の半値に下がったら、2033年までの期間中に予約権をすべて1株194円で行使する義務を負う。買いを強いられるわけだ。

そのほかにもライザップは、チョコザップの出店費用を周辺事業の売却で捻出している。「役員会での話題の90%以上はチョコザップ」(ライザップ幹部)。まさに全社挙げての総動員体制だ。

結果は投資回収に入る2024年に

チョコザップの2023年度の売上高は、200億円近くになるとみられる。売り上げではボディーメイクジム「ライザップ」を上回る可能性があるが、損益は先行投資がかさみマイナス。ライザップの通期連結営業損益は45億円の赤字の予想で、そのほとんどがチョコザップの赤字と考えていい。

「今寄せられるM&A(合併・買収)の話の中に、低価格帯の24時間ジムの案件がかなり含まれている。彼らも苦しんでいるのではないか」

競合からはそんな冷ややかな声も聞こえてくるが、チョコザップは2024年度から投資回収期に入る見込み。覚悟を示した瀬戸社長にとっては、結果を証明する年になりそうだ。

緒方 欽一:東洋経済 記者

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