75歳医師が「最初にたんぱく質」を勧める理由 空腹を感じにくくなり、メタボ予防にも効果的
東洋経済オンライン / 2023年12月8日 14時0分
食事のときに、最初に野菜を食べることを「べジファースト」といいます。
まず食物繊維をとることで糖の吸収をおさえ、血糖値の上昇を防ぐことができるし、食欲をおさえることもできるという考え方です。
ただし、鎌田式はちょっと違う。先に食物繊維をたっぷりとると、たんぱく質の吸収までおさえてしまうことがあります。
筋肉をつけたい人や、フレイルが気になるご高齢の方には、手放しではおすすめできません。
そこで提案したいのが「たんぱくファースト」。
食物繊維と同じように、たんぱく質にも血糖値の上昇をおさえる効果があることがわかっています。肉や魚などの主菜を先に食べ、そのときにサラダなどの副菜も一緒に食べれば、血糖値の上昇をおさえ、たんぱく質もしっかりとれます。
ごはんやパン、麺類などの主食を食べるのはそのあと。
これを「カーボラスト」といって、最近では「べジファースト」以上に大切だといわれるようになりました。「カーボ」=炭水化物(糖質)を最後に食べるから「カーボラスト」です。
食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」は、血管を傷つけて、「慢性炎症」の原因にもなります。認知症には脳細胞の炎症が関係しているし、動脈硬化が進むと、脳の細胞へ血液が十分に届かずに脳機能がおとろえてきます。
「たんぱくファースト」で肉や魚を最初に食べ、「カーボラスト」で最後に主食。こうして食べる順番を変えるだけでも、さまざまな疾患を引き起こす血糖値スパイクの予防に。それが、健康な体をつくり、「元気に長生き」の秘訣です。
「たんぱくファースト」と「カーボラスト」で血糖値を安定させれば、空腹を感じにくくなり、メタボ予防にも効果的。
さらに、集中力が増して仕事や家事の効率アップも期待できるなど、いいことだらけです。
「鎌田式みそ玉」で筋肉を増やす
たんぱく質は、大切なのは三食の中でバランスよくとることが大切です。
とりわけ重要なのが朝のたんぱく質、略して“朝たん”。
高齢女性を対象とした調査(長崎大学と早稲田大学を中心とする研究グループによる調査報告)では、夕食よりも朝食にたんぱく質をとった人の方が、骨格筋指数や握力が高いという報告があり、これには体内時計が関わっていると考えられています。
だから朝食抜きというのが一番いけません。
ところが、日本人の3食のたんぱく量の割合は、若者から高齢者まで、夕食が最も高く、朝食はその半分程度。
この朝と夜のたんぱく量の割合を逆にするだけで、効率よく筋肉をつけ、フレイル予防につなげることができます。
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