新幹線と在来線特急「自由席・指定席」めぐる歴史 年末年始「のぞみ」全席指定化は必然だった?
東洋経済オンライン / 2023年12月12日 6時30分
止まったと思われた自由席拡大の流れだが、1973年1月号を見ると再び拡大の方向に。山陽新幹線の新大阪ー岡山間開業、東京から房総方面への特急の誕生、エル特急の誕生などのダイヤ改正により、「ひかり」に初めて自由席が登場。在来線の特急では新たに「やくも」、「わかしお」、「さざなみ」、「とき」、「ひばり」、「はまかぜ」、「あさしお」、「あおば」、「南風」、「しおかぜ」に自由席が設定され、「あずさ」にも自由席が復活する。
以降、特急の自由席は拡大の道を進む。1979年1月号を見ると、最後まで全席指定の特急として運行されていた「はつかり」、「みちのく」、「つばさ」、「北斗」、「おおとり」、「おおぞら」に自由席が誕生。季節運行の「そよかぜ」や、座席車のついた臨時夜行特急に全席指定の列車は残ったが、毎日運転される昼間の特急から全席指定の列車は消滅した。
全席指定復活が確認されたのは1987年1月号。室蘭本線経由で函館と札幌を結ぶ「北斗」の早朝函館発(北斗1号)と深夜函館着(北斗16号)の1往復が全席指定となった。前年のダイヤ改正で小樽経由の「北海」2往復が廃止。代替列車が「北斗」となった。廃止直前の「北海1号」の函館発時刻が4時40分、「北海1号」の函館発時刻が4時45分だったため、廃止後は「北海」の代替となる「北斗1号」4時40分、旧「北斗1号」の「北斗3号」が4時45分と2本の列車が同区間をほぼ同時刻に並行で走るため、全席指定にしたと思われる(北斗16号も同様の事情か)。この新しい「北斗1・16号」の途中停車駅は、長万部、東室蘭、千歳空港のみ。当時のディーゼル特急最速の列車となった。
新幹線「のぞみ」が全席指定列車で登場
青函トンネルの開業後の1989年1月号の時刻表を見ると寝台特急「北斗星」の運行開始で全席指定の「北斗」は消滅。代わって登場したのが「かがやき」、「きらめき」だ。「かがやき」は長岡と金沢を結ぶ特急で、途中停車駅は直江津、富山、高岡。上野から長岡までノンストップのタイプの上越新幹線「あさひ」に接続しており、都内から金沢まで早く行ける特急として登場。「きらめき」は米原と金沢を結ぶ特急で途中停車駅は福井。米原に停車する東海道新幹線「ひかり」に接軸しており、東京から金沢まで早く行ける特急として誕生した。
1991年1月号を見ると、観光仕様の新型車両を使った「スーパービュー踊り子」、1992年には「成田エクスプレス」「あさぎり」、そして1993年1月号では「のぞみ」が全席指定の列車として登場する(2003年のダイヤ改正で自由席を設定)。
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