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ユニクロが「暖冬」でも独り勝ちできるカラクリ 激安衣料店から「世界のユニクロ」へ超絶進化

東洋経済オンライン / 2023年12月12日 7時0分

そこで2000年代をかけてユニクロが取り組んだのが、第3形態への進化です。着ていることが恥ずかしいブランドから、着ていることが誇らしいブランドへと進化させるにはどうすればいいか。結果を見ると2つのルートでユニクロは進化を目指しています。

1つ目はヒートテック、エアリズムといった高機能化ルート。2つ目は有名デザイナーとのコラボによる特別コレクションルートです。

後者のコラボはこれまで何度も店頭で商品が奪い合いになる「事件」と言っていい反響を生み出してきました。今年の冬は英国ブランドのアニヤ・ハインドマーチが即日完売になったことがニュースを賑わせました。

あくまで主観的な観察事実ですが、2010年代前半の特別コレクションでは、ビッグネームとユニクロがコラボすることで世の中を驚かせた反面、ユニクロで発売された商品は正直、デザインは素晴らしいがなぜこの品質(ないしは素材)で出すのか?と疑問符がつくレベルのコラボ商品が少なくありませんでした。

2010年代後半になってようやく、特別コレクションが品質まで特別なレベルに引き上がったのは、ユニクロに高価格帯が定着したことが寄与したと思われます。今年、品切れになったアニヤ・ハインドマーチのカシミヤハイネックセーターは1万2900円ですが、実は今ではユニクロの定番のカシミヤセーターの価格も1万2900円です。

冒頭、ユニクロのお店である種の変化を感じるかもしれないと申し上げたのはこの点で、感謝祭では限定価格で大きく値下げをする一方で、そもそもの通常価格ではユニクロの商品はかなり高い。ユニクロのプレミアム商品はそれに見合った品質を先に決めて、それに合わせて価格を設定する形に変わってきているのです。

海外ではどう見られているのか

さて、ここまでが皆さんがご存知のユニクロの進化で、言葉で表現すれば第3形態は高機能・ブランド化したユニクロです。価格は手頃ですが以前ほどは安くはない。けれどもいいブランドだと思う消費者が押し寄せる。そしてユニクロ製品を着ている人は別に恥ずかしいとは思わない。そこまで進化をしてきました。

さてここからが第4形態の話です。私を含め消費者の立場でかかわっているとユニクロの進化は第3形態までしか目にすることができません。しかし海外に出かけると、違ったユニクロを目にすることができます。

私は10月に香港に出張をしました。出張の際にはついでに現地のショッピングセンターを回るようにしています。香港でもユニクロは賑わっていました。日本よりも価格が高く感じますが、現地のライバルになるグローバルなアパレルブランドと比較すればかなり安く感じます。

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