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ホンダの中国合弁会社が「初の人員カット」の深刻 1~10月の生産台数2割減、EVの販売も低迷

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 18時0分

ホンダは中国市場向けのEV「e:NP1」を投入したが、販売が振るわず値引きを余儀なくされている(写真は広汽ホンダのウェブサイトより)

日本のホンダと中国の国有自動車大手、広州汽車集団の合弁会社である広汽ホンダが、900人の派遣労働者を解雇したことがわかった。12月4日、財新の記者の問い合わせに対して同社が事実を認めた。

【写真】ホンダは中国事業のEVシフトを急いでいるが、市場の変化に追いついていない。写真は2021年10月に発表した中国向けEVのコンセプトモデル

1998年5月の設立から25年余りの広汽ホンダが、人員カットに追い込まれたのはこれが初めてだ。解雇された人数は、2022年末時点の従業員数(約1万2600人)の7%強にあたる。同社は対象者に対して中国の法令に基づく金銭補償を行うとともに、再就職を支援していると説明する。

2021年からマイナス成長

広汽ホンダが生産・販売しているクルマは、現時点ではほとんどがガソリンエンジン車だ。中国の自動車市場でEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)など「新エネルギー車」の販売が急拡大するなか、広汽ホンダの販売台数は2021年から前年比マイナスに転じ、凋落傾向が鮮明になっていた。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、PHV、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。日本メーカーが得意とする通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

2023年に入って、広汽ホンダの苦況はさらに深まっている。同年1月から10月までの生産台数は52万500台にとどまり、前年同期と比べて率にして20%、絶対数で13万4400台も減少した。

ホンダ(の本社)は、中国事業の主軸を新エネルギー車に転換する必要性を認識している。2021年10月には、中国市場向けの新型EVのコンセプトカーを発表するとともに、2030年以降は中国市場へのエンジン車の投入をやめ、EVとPHVに注力すると宣言していた。

だが、その後に広汽ホンダから発売されたEVは「e:NP1」の1車種だけで、最近ようやく後続モデルを発表したところだ。市場調査会社のデータによれば、e:NP1の2023年1月から10月までの販売台数は5000台にも届いていない。PHVに関しても、「アコード e:PHEV」や「ブリーズ e:PHEV」の売れ行きは冴えない。

凋落の背後にスマート化の遅れ

「広汽ホンダの現行モデルの開発は、3年前の市場調査に基づいて進められた。(自動運転機能やネットサービスとの連携など)スマート化のペースが遅すぎ、中国の消費者ニーズの変化に対応できていない」。財新記者の取材に応じた広汽ホンダの関係者は、凋落の背景をそう説明する。

中国の日系合弁自動車メーカーは、広汽ホンダに限らずおしなべて(エンジン車に依存した)ビジネスモデルの転換に苦慮している。トヨタと広州汽車集団の合弁会社である広汽トヨタも、(販売減少にともなう生産調整のため)2023年7月に1000人規模の人員カットに追い込まれた。

(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は12月4日

財新 Biz&Tech

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