1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

北九州市が「水素に積極的」になる歴史的必然 日本最大級「洋上風力発電」2025年に稼働予定

東洋経済オンライン / 2023年12月27日 12時30分

そのうえで、GXによって「製鉄の街」から「グリーン成長の街」へと転換し、未来に向けて産業競争力の強化や新たな産業集積を図る中で、九州電力、トヨタ自動車九州、西部ガスなど、地元大手企業とカーボンニュートラルに係わるプロジェクトで連携を強化する流れも出てきた。

環境局・グリーン成長推進部は「カーボンニュートラルの実現は、環境と経済の好循環であり、それがGXそのものだ」という認識を深めているところだ。

では、北九州市が必要とする水素は、どのように調達するのか。

まずは「地産地消」による水素製造を目指しつつ、その先では「海外からの輸入」も視野に入れるという。

現在、北九州市は福岡県や地元企業と連携して設立した「福岡県水素拠点化推進協議会」を軸に、響灘臨海部を中心とした水素拠点形成の議論を進めている。2023年5月11日に行われた第1回総会には、水素拠点を活用したサプライチェーン構築に賛同・推進する企業として、22社が参加した。

時間軸としては、「2030年に向けたアクションプラン」を第1段階の念頭に置いている。市内の事業所から発生する副生ガスや、風力発電等の地域に集積する再エネも活用して地域で水素を生産し、地域で利用する計画も取り入れていく方針だ。

北九州市の「響灘洋上風力発電施設の設置・運営事業者公募」で占用予定者に選定され、2017年4月に設立された特別目的会社、ひびきウインドエナジーが2025年度の営業開始に向けて準備を進めている。

同社ホームページによれば、響灘をA~Dの4エリアに分け、計25基の風車を建設。最大発電出力22万kWの発電所として、20年間にわたって発電事業を行う計画だ。完成すれば、洋上風力発電所としては日本最大級となる。

こうした洋上風力発電に由来する水素を含めて、2030年度には北九州市で年間5700トンの水素需要を見込むという。

こうして見てきたように、北九州市の環境行政は、カーボンニュートラルの実現に向けて再び転換点を迎えていることがわかる。

DX関連でも次世代化を目指す動き

水素利活用のため、環境行政を進めると同時に、DX(デジタルトランスフォーメーション)の分野でも、北九州市は積極的な動きを見せている。

例えば、北九州市を含めて全国13区域(2023年12月現在)で指定されている、国家戦略特区の活用もその1つだ。国が成長戦略の実現に向けて、「世界で一番ビジネスがしやすい環境(内閣府HPより)」を創出することを目的とした制度だ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください