「ドル円相場」予測のカギになる"16.5年ルール" 大局的な視点で見た場合、どう変動するのか
東洋経済オンライン / 2023年12月28日 6時40分
そこから今度は15年9カ月後の1998年8月に147円のドル高値となった。
これは16.5年よりも若干短いのだが、その次の125円の高値を打ったのが16年10カ月後、2015年6月となった。この2つを合わせると32年7カ月となって帳尻が合う。
したがって、このルールに従うならば、次に到来するドル高円安の時期は2032年あたりとなる。ということで、先に示したドル安円高のルールと併せて勘案すると、2028年の4月頃に向けて強烈な円高が進み、その後は2032年にかけて円安に戻っていく。これがドル円為替の大局観である。
どの通貨に対しても行き過ぎた円安状態
ところで、いま我々はどのような為替のステージにいるのだろうか?
2022年10月21日に151円95銭というとんでもないドル高値となった。なぜか。その理由を、掘り下げて考えてみよう。
ここで俎上に上げたいのが1995年の4月。これは1968年の米ドル紙切れ化から27年が経ったところであった。27は54の半分だから、日柄分析における大事な数字だ。そのちょうど27年目に超ドル安が起こった。
相対的に滅茶苦茶な円高、超円高と当時言われたものだが、どれぐらい円高だったかと言うと、80円を割って79円台となった。日本のGDPはこのとき、1995年には500兆円程度であった。日本のそれはいまでも500兆円程度だから、この27年間、いったい日本は何をやってきたのかと揶揄される所以でもある。
同じ1995年のアメリカのGDPは7兆ドルだった。当時の為替はどうだったかというと、1ドル80円をちょっと切っていた。1ドル80円で換算すると、80円×7兆=560兆円である。つまり、アメリカのGDP560兆円と日本のGDPが500兆円で拮抗していたのだ。
信じられないが、アメリカと日本のGDPがほぼ並んだ。これは為替相場が1ドル80円と異常に歪んだことからこそ、こうした格好となった。
それはこういうことである。アメリカのような大国と日本とのあいだで、通貨の換算率が異常に捻じ曲がってしまった結果、両国のGDPがほぼ同等の約500兆円になったわけだが、これは冷静に考察するならば、この当時にいかに円高が無理矢理進んでいたかを映し出している。
それではいまはどうなのか。そこから27年が経過した。今度は27.5年で半年ずれたが、2022年10月になると151円95銭と、1995年4月時とは真逆に壮烈な円安となった。ここで述べる円安とは、別に1ドル140円が円安という意味でなく、相対的に世界のどんな通貨に対しても円が弱い、円全面安になってしまったということである。そしてこれが2022年初めからの円の実態といえる。
27年のサイクルで起こっている
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