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日本人「英語の残念発音」も致し方ない明快な理由 日本語と英語では舌の使い方に大きな違いがある 

東洋経済オンライン / 2023年12月29日 16時0分

英会話は「ネイティブっぽく聞こえる=形から入ること」が重要!(写真:玄武/PIXTA)

いくら勉強しても、なかなか通じにくい日本人の英語。しかし、「アメリカ人やカナダ人のネイティブは実は舌足らずで、話すときにかなり端折(はしょ)る」ということを知ると、グッと発音も上達するかもしれません。

甲斐ナオミさんの書籍『7日間で英語がペラペラになる カタカナ英会話』より一部抜粋・再構成してお届けします。

日本人はなぜ英語の発音が苦手?

突然ですが、日本語に慣れていないネイティブに、

【図解】日本人でもネイティブっぽく話せる方法とは?

「おはようございます」

「こんにちは」

「私の名前はジャックです」

と日本語で言ってみてください、と聞いたらどんな返事をするでしょうか。

おそらく、以下のような発音で返ってきます。

「オウハイヨウ グザイマス」

「カニーチワ」

「ウァターシノ ナマーエウァ ジャッ デス」

いかがでしょうか。日本語っぽくないですよね。

逆に、ネイティブの発音に全く慣れていない日本人に同じ内容を英語で言ってください、と聞いたらこのような発音でかえってくるはずです。

「グッド モーニング」

「ハロー」

「マイ ネーム イズ ジャック」

これもまたネイティブの発音からかけ離れています。

では、なぜこのようなことになるのでしょうか?

実は日本人が英語の発音が苦手な最も大きな理由は、日本語と英語では、舌の使い方に顕著な違いがあるから。日本語では舌をあまり動かさず、くちびるの形と口の中で音を形成することが一般的です。

これに対して、英語では舌を積極的に使ってさまざまな音を作り出します。舌を使うので代表的なのが「r」「l」や「th」の発音です。これらは日本語にない発音で正確に発音することが難しいとされています。

また、日本語は子音と母音の組み合わせが比較的単純で、音の変化が少ない傾向があります。しかし、英語は豊富な子音と母音があり、これを正確に発音するには独特の舌の動きや口の形が求められます。これらの音の違いをきちんと理解し、表現することが容易ではないため、多くの日本人は英語の発音に苦労するのです。

発音を上手にするには「音を端折る」!

では日本人が発音をよりネイティブの発音に近づけるためには何をすればよいのか、という話ですが、それはまず舌の柔軟性を養うことが大事です。舌を使いながらの発音練習や英語の特有の音を繰り返し発声することで、舌の動きに慣れて正確な発音を身に付けることができます。

ほかには、ネイティブスピーカーの発音を積極的に真似することも効果的です。映画や音声教材を利用して、ネイティブの発音に耳を慣らし、口に出して練習することで、自然な英語のリズムやアクセントを身に付けることができます。

さらに、専門的な発音トレーニングを取り入れることで自分の弱点などを改善することができます。

このような取り組みをすると、おそらく発音が上達し、よりネイティブに近い英語になることでしょう。

しかし!

そこに到達するまでには相当な労力と時間が必要とされます。ほとんどの人はおそらく理想の発音にたどり着くまでに挫折してしまうはず。発音に自信がもてないので、文法の知識や語彙が多少あってもいつまでたっても実際のネイティブと会話をするのは難しいと思ってしまいます。

より速くそして苦労せずネイティブの発音に近い発音で英会話ができるようになる方法はないのか?ということですよね。実はあります。

それは「形から」入ること。

たとえば、スポーツを始めるとき、道具やウェアをプロっぽいものでそろえたら、なんとなく気分が上がり、うまくなったような気がしますよね。やる気も出てきます。

あるいは、大事なミーティングの日にとっておきのスーツでビシッと決めたり、ヘアサロンでキレイになったりすると、急に「デキル人」になった気分になりませんか?

英会話もそれと同じ。まずは「ネイティブっぽく聞こえる=形から入ること」が重要なのです。

いつかカッコよく英語が話せるようになることを夢見ながら単語や文法を一生懸命覚えるのではなく、最初にやるべきは、「え? 今の発音、ネイティブっぽい!」とまわりから驚かれるような、カッコいい発音で英語を話せるようになることです。ネイティブっぽい発音が自分の口から出てくることで、自信が持てるようになります。

「ネイティブっぽく話せるなら、苦労しないよ……」なんて声が聞こえてきそうです。それが、誰でもカンタンにできてしまうのです。あの「わかりにくいんだよなぁ」と悪名高い(?)発音記号もいっさい使いません。

それが、本稿で提案する「カタカナ発音法」。そのまま読むだけで、ネイティブに近い発音で、カッコよく話せるようになります。そのうちに自信がついて、モチベーションがどんどん上がり、もっと勉強したいと思うようになります。

じつはこのカタカナ表記には「法則」があります。そのためのキーワードは「ネイティブはすぐに端折る」。

日本語と英語の発音は根本的に違うため、そもそもなかなかネイティブの発音が習得しづらいのですが、もうひとつ困るのが、「どこからどこまでが1つの単語なのかがわかりづらい」こと。全部つながって聞こえてしまいます。

これはアメリカ人やカナダ人のネイティブは実は舌足らずで、話すときにかなり「端折る」からなのです。

そこで、「端折り」や「つながり」を逆手にとり、それをカタカナにすることで「まるでネイティブ」な音になるメソッドを考えました。

一瞬、え? と思うカタカナ表記もたくさんありますが、これは教材の音声などのゆっくり、はっきりと話す英語と、ネイティブ同士が話すスピードの英語とで、聞こえ方がまったく違うからなのです。

通常のネイティブ同士の会話を、カタカナで表記しましたので、読むだけでネイティブの耳にはスッと入るはず。カタカナ表記はネイティブ発音の習得を手助けする、言わば道案内役です。

今日から使える「カタカナ発音法」の法則5選

カタカナ表記を読むにあたっては、「端折り方」や「つなげ方」にいくつかの法則があります。共通の「発音ルール(法則)」の代表例をここで紹介しましょう。

発音ルール①「d」「t」の前後に母音(y含む)がくる場合、「ラ」行で発音する。

【例】getting 「ゲッティング」ではなく、「ゲン」

【例】study English 「スタディ イングリッシュ」ではなく、「スタ イングリッシュ」

発音ルール②語尾が「k」「t」「g」「d」、または「k」「t」「g」「d」のあとに子音がくる場合、サッと消して「ッ」と置き換えることが多い。

【例】hot 「ホット」ではなく、「ハ

【例】take it 「テイクイット」ではなく、「テイキ

【例】touch it 「タッチイット」ではなく、「タチ

発音ルール③語尾が「tion」または「sion」の場合、「シュン」「チュン」または「ジュン」と発音する。

【例】solution 「ソリューション」ではなく、「ソルーシュン

【例】station 「ステイション」ではなく、「ステイシュン

発音ルール④「tr」は「チュ」と発音する。

【例】train 「トレイン」ではなく、「チュエイン」

【例】travel 「トラベル」ではなく、「チュアーヴォ―」

発音ルール⑤「dr」は「ジュ」と発音する。

【例】drink「ドリンク」ではなく、「ジュインッ」

いかがでしたか? 実際に発音してみると、「あれ? ネイティブぽいな」と効果を実感できたはず。まずは短い文章を繰り返し練習してみましょう。ネイティブ音にだんだん慣れてきて、ネイティブの「クセ」に気づくはず。発声しているうちに、英語を聞きとる耳も同時に育っていきますよ。

I don’t knowは「アロンノウ」になっている?

ちょっと試してみましょうか。次の英語を、声に出して読んでみてください。

Got it!(わかった!)

「ゴット イット」? いえ、こう読みます。

ガレ !

ね? ネイティブっぽいでしょう? 次はどうでしょうか。

I don’t know.(知らない)

読みましたか? 英語になじみのないほとんどの人は「アイ ドント ノウ」と読んでしまいます。がんばっても「アイ ドンノウ」。でも、ネイティブ発音は根本的に違います。正解は、

アロンノウ

「あっ、なんか私の発音、ネイティブっぽい!」と感じませんか? もう

1つやってみましょう。次の英語を読んでみてください。

I need a taxi.(タクシーを呼びたい)

なんと読みましたか? 「アイニード ア タクシー」ですか? いえ、これは

アニーラ タークスィ

と読むと、とたんにネイティブっぽくなります。カンタンでしょう? さらにアクセントをつけると、カンペキです。カナダ生まれ、カナダ育ちの私が聞いても「うわ、うまい!」と驚いてしまいます。

私が紹介するカタカナ表記を読んでいくうちに、「へぇ~、ネイティブにはこんなふうに聞こえているんだ!」とさまざまな気づきもあるはず。すると、聞こえ方まで「ネイティブ耳」に近づいてきて、どんどん上達します。

このように、大変な苦労をして専門的に英語の発音を学ばなくても、カタカナのみでネイティブの発音になることが可能なのです。

甲斐 ナオミ:ネイティブスピーキングコンサルタント・翻訳家

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