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「親とわかり合えない」悩む人に知ってほしい真実 ダメ親でも「役目は終わった」と甘え始める

東洋経済オンライン / 2023年12月30日 6時40分

画一的な価値観を教え込まれたことにより、親世代は”内省力(自分の気持ちや考え、行動を顧みる力)”が培われていない傾向にあります。

“内省力”という自分を観察するスキルは、対人関係においてとても重要です。

「自分は日ごろどんな言葉を使っているか」「自分はどんなときにイライラしやすいか」「自分は相手にどう接しているか」など、自分の特性に気づけなければ、人と友好的な関係性を築くことが難しくなります。

親が”内省力”に欠けていると、こちら側の希望は受け入れられず、あちら側の主張は脅迫的であるという事態を招き、親との会話がストレスになってしまいます。

内省力が乏しいと、自分の感情や思考を認めて受け入れることができません。そのため、「自分はこうしてほしい」「しないでほしい」と自分の気持ちとして言語化するスキルも身につかないことになります。

そうしますと、親は親自身の欲求を自分のものと認められなかったり、表現できなかったりします。その結果、「普通はそうする」「これが常識だ」という言い方によって子どもの行動をコントロールし、自分の要求を通そうとするのです。

「普通はそう」「常識はこう」という言い方は、「そこから外れた場合は異常で非常識」となるため、言われたほうは不快になるだけでなく、従わなければ人格的に問題があるかのような気持ちになってしまいます。

そんなしんどい気持ちから、親の言う通りにすると、親側はますますこの”効果的な”言い方をするという、悪循環が起こりがちです。

「普通は」「常識」という言葉は親自身の欲求

まず、「普通は」「常識」と言われたら、発した側がこちらの行動を強烈にコントロールしようとしているセリフだと気づきましょう。

「普通」「常識」は、時代によって、地域によって、家庭によって、個人によって、異なります。どちらもあってないような、形のないあやふやなものです。少なくとも、親に断定できるレベルのものではありません。

「普通はこうするのに」「そんなの常識だ」という言葉に不快になっても、その親の価値観を信じる必要はありません。もしこのような言葉を使用されたら、「過度な一般化」の部分は真に受けないようにしてください。

そして、心の中で「この人は自分の欲求を認められず、素直に言語化できないから、こういう言い方をしているのだな」と考え、「普通も常識も本当の問題ではなくて、親が自分にそう動いてほしいのだな」と結論づけましょう。

そのうえで、ご自身はどうしたいか考えられたらベストだと思います。

もちろん親の要求をすべて断ってもいいですし、できる範囲で応えてもいいでしょう。何より、不必要にご自身を責めることがないように、不快感は軽くしていくことが大切です。

寝子:臨床心理士・公認心理師

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