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スタバで「フラペチーノ」飲む人が知らない"真実" コーヒーじゃない「看板商品」を持つ凄さとは?

東洋経済オンライン / 2023年12月30日 11時40分

本連載で私が向き合いたいのは、この「特別感」である。

スタバが抱える「矛盾」とは?

ここで私は指摘したい。スタバの「特別感」とはそこに存在する「矛盾」にあるのだ、と。スタバは「矛盾」した存在で、それこそが、その不思議なカフェを考えるヒントになる。これを明らかにするために、少しだけ脱線した話をしたい。

かつて、「木更津キャッツアイ」というドラマがあった。この作品は2002年に放送された宮藤官九郎のテレビドラマで、題名のとおり、千葉県木更津を舞台にした青春群像劇だ。この中のセリフがとても興味深い。ヒロイン的存在である酒井若菜演じるモー子は、神社でこうお祈りする。

「木更津にスタバができますように!」

このセリフは、スタバが持つイメージが詰まっている。それをはっきりさせるためには、例えば、このセリフをこう変えてみるとわかりやすい。

「木更津に吉野家ができますように!」 

たぶん、こう願う人はいないと思う。やはり、このセリフはスタバでなければならない。

では、なぜスタバでないといけないのか。それは、スタバが「そこにしかない」という特別感と関係が深いからだ。このドラマでは木更津が地方・郊外の「何もない」場所として描かれているが、そこに輝きをもたらす存在として「スタバ」は描かれている。スタバは「特別」で、「そこにしかない」なにかがある場所だというわけだ。

しかし、実際のデータを見てみると、興味深いことがわかる。

例えば店舗数だ。公式サイトによると、日本にあるスタバの数は、実に1885店舗(2023年9月末時点の数字)。これは、日本の飲食チェーンにおいてマクドナルド・すき家に続いて多い数字だ。

カフェチェーンとしては一番の数で、ドトールコーヒーは1068店舗だし、タリーズコーヒーは777店舗、コメダ珈琲でも968店舗である(ともに2023年2月末現在。すべて公式サイトによる数値)。ドトールとタリーズを足しても1845店舗なので、スタバのほうが多い。

モー子の願いは叶った、いや叶いすぎた

チェーンストアの数や位置を調べることができるサイト「ロケスマ」で見ると、このようにスタバは数が多すぎて、もはや正しく表示されることは難しい様子だ。

ちなみに木更津にもばっちりスタバはある。しかも、市内に複数だ。

時代が下がっているとはいえ、モー子の願いはかなったわけである。いや、むしろ、かないすぎたと言ってもいい。もし、現実のデータに合わせて考えるなら、モー子の願いは、

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