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信玄と家康に仕えた「大久保長安」悲惨すぎる末路 板倉勝重と同じく実力を認められたものの…

東洋経済オンライン / 2023年12月31日 7時20分

亡くなってから数日後に、家康の命令によって葬儀は中止され、長安の陣屋を捜索。その結果、金銀を隠匿し、政府転覆を計画していたとされ、多額の蓄財はすべて没収されてしまう。

それどころか、近親者や親しい者たちは、知行を削られたり、改易させられたりしている。なかには、切腹を命じられた者までいた。

疑惑の真相は明らかになっていないが、長安の奔放ぶりが目に余ったのだろう。

なにしろ、長安は佐渡、石見や諸国の金銀山に出向く際は、豪華な船2隻に250人もの従者を従えた。飲めや歌えやと大騒ぎしながら、好き勝手に振舞ったという。

きちんと働いたものはそれだけ報われるが、不正があれば、どれだけ密な人間関係があろうとも、容赦なく裁く――。そんな姿勢をみなに打ち出すことも、家康が長安に厳罰を処した目的だったのかもしれない。

長安の死去した翌年、慶長19(1614年)に、家康は大坂冬の陣によって、豊臣家と対峙する。豊臣公儀と徳川公儀が併存する二重公儀体制の時代が、いよいよ打破されようとしていた。

【参考文献】
大久保彦左衛門、小林賢章訳『現代語訳 三河物語』(ちくま学芸文庫)
大石学、小宮山敏和、野口朋隆、佐藤宏之編『家康公伝〈1〉~〈5〉現代語訳徳川実紀』(吉川弘文館)
本多隆成『定本 徳川家康』(吉川弘文館)
笠谷和比古『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』 (ミネルヴァ書房)
馬場憲一、村上直『論集代官頭大久保長安の研究』 (揺籃社)
川上隆志『江戸の金山奉行 大久保長安の謎』(現代書館)

真山 知幸:著述家

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