鳥取、赤字ローカル線にも「成長余地」はあるのか 地方都市で鉄道が果たす役目はまだまだ大きい
東洋経済オンライン / 2024年1月3日 6時30分
鳥取駅から西へも、山陰地方の主要都市を結ぶ特急「スーパーまつかぜ」が7往復、「スーパーおき」2往復が運転されているうえに、スーパーはくとの5往復は倉吉駅まで行くので、本数で言えば因美線を上回る。
よって鳥取駅のホームにいると、次々に特急が発着するシーンを見ることになる。しかも相応に利用者がいる。彼らが鉄道を選ぶ理由はスピードが大きいだろう。
大阪―鳥取間の所要時間は約2時間30分で、高速バスより30分ほど速く、飛行機は撤退してしまったし、鳥取―米子間は約1時間で、高速バスはなく、マイカー移動ではおよそ30分余計にかかるからだ。
智頭急行の最高速度は山陽本線と同じ時速130kmであり、山陰本線鳥取―米子間、因美線智頭―鳥取間も高速化事業の結果、前者は時速120km、後者は津ノ井ー鳥取間で110km走行が可能だ。
鉄道事業者と自治体などの共同出資によるこうした高速化は、他の地域でも都市間輸送でのバスやマイカーへの対抗策として有効ではないかと思った。
では本線を名乗りながら輸送密度1000人以下の鳥取駅より東側はどうなっているのか。平日日中の浜坂行き普通列車に乗った。キハ47形2両編成の列車は、各車両に10人ぐらいずつ乗っていた。予想以上に多いというのが正直な印象だ。客層も若者から高齢者までさまざまだった。
隣の福部駅までは11.2kmと、山陰本線で最長の駅間距離となる。途中に峠があり、滝山信号場が設けられている。山間部はさすがに家が少ないが、福部駅周辺は、平成の大合併以前は福部村の中心地だったので、駅の近くに地域支所や公民館があり、住宅も立ち並んでいた。
【2024年1月4日15時35分追記】信号場の名称に誤りがありましたので上記の通り修正しました。
とはいえ2023年9月現在で、福部村だった地域の人口は3000人未満。しかも総合支所前から鳥取砂丘や中央病院、県庁を経由して鳥取駅に向かうバスが1時間に1〜2本あり、こちらが公共交通の主役になっているようだった。
鳥取の1駅隣の現状は…
対する福部駅は数人が過ごせる小さな駅舎があるだけで、駅前には丸型ポストや公衆電話がある。とても鳥取駅の隣とは思えない。
ここが鳥取市の最東端で、岩美町を抜けて県境を越え、浜坂駅に至る。両端の駅を除くと岩美駅が、町の中心ということもあり利用者があった。折り返しも同様だが、終点の鳥取駅では、乗客数は行きの列車を上回るほどになっていた。
この記事に関連するニュース
-
地味な路線だった「JR奈良線」、利用者の急増なぜ 沿線自治体も費用負担して複線化など輸送改善
東洋経済オンライン / 2024年5月14日 6時30分
-
深刻赤字ローカル線を「増便」ただし列車以外で!? 異色すぎる「本格的な利用促進」 その狙いとは?
乗りものニュース / 2024年5月10日 17時12分
-
70億円の赤字想定 北陸新幹線・延伸ともに爆誕した「ハピラインふくい」の今後を占う
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月30日 7時30分
-
「おでかけ」おすすめ情報を届けている「駅探おでかけラボ」にて、島根県の主要駅・松江駅と出雲市駅を速く・安く利用する方法と、各駅周辺の観光情報もご紹介した記事を公開しました。
@Press / 2024年4月25日 9時30分
-
東京から1本で行けない三重県へ! 豪華観光列車にユニークなローカル線…乗り換えてこそ楽しい鉄道旅
オールアバウト / 2024年4月20日 20時45分
ランキング
-
1庶民は買えない!?マンション高騰は続くのか? 今後のインフレで日本の不動産はどうなるのか
東洋経済オンライン / 2024年5月17日 19時30分
-
2「株価暴落」引き起こしてしまう意外な"きっかけ" 金融危機のきっかけとなった市場急落のケース
東洋経済オンライン / 2024年5月18日 8時40分
-
3「セブンプレミアム」売上高、累計15兆円を突破…節約志向でPBの存在感高まる
読売新聞 / 2024年5月18日 0時3分
-
4血圧・血糖値・コレステロール値…良くない結果に肩を落とすも「健診の数値は気にしなくていい」ってどういうこと?【有名医師が助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月18日 10時0分
-
5住みたい街の特徴 3位「交通の便がいい」、2位「治安がいい」、1位は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月17日 17時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください