ロードスター「いらない子」と言われた車の奇跡 苦境をはねのけライトウェイト復権の立役者へ
東洋経済オンライン / 2024年1月3日 12時0分
初代(ユーノス)ロードスターの開発担当者である平井敏彦氏の最初の仕事は、社外への委託を“取りやめること”であったという。また、マツダ社内でロードスターの開発をスタートするときは、スタッフを集めるのに苦労したとも聞く。
ときはバブル全盛期に向かう1980年代後半であり、マツダ社内では「売れそうもない」「古臭い」ライトウェイトスポーツカーは、ほぼ“いらない子”扱いであったのだ。
では、なぜマツダは、そんな“いらない子”を開発しようと考えたのか。
「オフライン55プロジェクト」での挑戦
そこには、1980年代のマツダの苦しい台所事情に理由がある。端的に言えば、1980年代前半のマツダのビジネスは停滞しており、車種も限られていた。
1980年に発売された5代目「ファミリア」は大ヒットしたが、それ以外のモデルの売れ行きはいまひとつ。ファミリアの販売がピークに達した1982年は、国内販売の実に48.6%をファミリア1車種で占めていたのだ。
ライバルとなるホンダは、「シティ」や「CR-X」など、次から次へと新規車種を投入し、ヒットを続出する一方、マツダは新規車種がほとんどなく、ファミリアや「カペラ」など、主力モデルのバリエーションで市場のニーズに対応していた。
そこで1983年、マツダは「オフライン55プロジェクト」をスタートさせる。これは、商品化される可能性は五分五分でよいから、ユニークな新商品の提案を優先するというもの。そのうえで、検討や承認といった開発のプロセスを大幅に簡略化。新たな商品が生まれる素地を整えたのであった。
これがロードスター誕生のスタート地点である。ちなみに「MPV」や「オートザム・キャロル」も、このプロジェクトから誕生したクルマだ。
その後、マツダは1983年に「売上高2兆円」「年間生産台数200万台」を目標に掲げるなど、攻勢に転じる。
1985年の「プラザ合意」における急激な円高により経営は悪化するものの、それでも拡大路線を堅持。1988年に「マツダ・イノベーション(MI)計画」を策定。年間販売台数277万台(うち国内80万台)という野心的な目標が設定された。3つあった国内の販売チャンネルを5つに拡大したのも、そうした中での施策の1つだ。
バブルのピークに向かっていく1980年代終盤、マツダは「マツダ」「アンフィニ(元マツダオート)」「オートラマ」「ユーノス」「オートザム」の5つの販売チャンネルを用意し、それぞれから数多くの新型車を大量に投入する戦略に出た。
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