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東大生語る「意外と間違って理解」ある言葉の意味 「変化」の正しい意味を理解できているか?

東洋経済オンライン / 2024年1月4日 11時0分

この回答であれば、変化前の様子、変化理由、変化後の様子を説明できていますね。これら3つの要素を含んでいないと、「変化」を聞かれたときの回答としては不十分。変化を聞かれたら、このように回答しなくてはいけません。

普段から意識するべき「言葉」の使い方

ここで「変化を聞かれる場面なんてそうないだろう」と思われたかもしれません。

ですが、変化は多くの場面で問われます。たとえば「増加」は変化を示す言葉です。「増えた」は「少なかったものが多くなった」変化を表すからです。

「増加した」といいたいときは、「5人に増えた」と、変化後だけを説明するのは不十分。変化前に何人だったのか、なぜ増えたのかまで入れて、「もともと3人しかいなかったが、遅刻者が参加して5人に増えた」と言うべきです。

また、「○○化」もおしなべて変化です。「砂漠化」を「砂漠が増えること」と変化後だけ説明するのは不十分。「元々砂漠ではない地域が、環境汚染などによって砂漠になること」として、初めて正しい説明になります。

このような「普段使っている言葉が、厳密には間違っている」例はたくさんあります。

「矛盾」と聞いて、わからない人は少ないでしょう。しかし、しっかり意味を理解できている人は意外と多くいません。

「君の発言は矛盾しているぞ」と指摘したときに、重大な情報が抜けていることに気づかなければなりません。変化がAとBの2つの状態を説明したように、矛盾もAとBの2つの状態が対立することを言います。

「矛盾」を指摘するのであれば、AとBの2つの要素に触れなくてはいけません。「君は昔こう言っていたのに、さっきの発言は違っている。矛盾している」と、2つの要素が必要になるのです。

まずは簡単な言葉から理解を深める!

普段から言葉に対する感度を上げて、言葉の使い分けに敏感になったり、使う言葉に気をつけたりする。自分の言葉に対する理解度のレベルを上げると、新しい言葉を覚えるときにも有効になる場合があります。

たとえば、「信用」とついた言葉はたくさんあります。「信用取引」や「信用創造」など。これらの言葉を知るときに、「信用」の意味をそもそも理解していないと、新たに知る言葉の意味を理解することも難しいでしょう。

「変化」に関わる言葉も多いです。先ほど挙げた「〇〇化」のバリエーションは、それこそ無限にあります。

「概念化」「類型化」「酸化」「ドーナツ化」「事業化」「凶暴化」など。一見すると「変化後」だけの意味が先行しますが、実際は変化前が存在しています。

「凶暴化」は、もとから凶暴な動物には使いません。「それまで凶暴ではなかったものが、凶暴になる」のです。これらはすべて、「変化」の意味を理解できていないと間違って使ってしまいます。

簡単な言葉の意味を、しっかりと根本から理解する。そして、それを土台に、難しい言葉を理解していけばいいのです。

みなさんが普段触れている語彙がいかに深いものかを理解できるのであれば、それがきちんと土台になるはず。語彙の勉強は「深く狭く」が原則です。1つひとつの言葉に対して、「深く狭く」向き合い、土台から理解すると、語彙力は高まっていくはずです。ぜひ参考にしてみてください。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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