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2024年の金価格は何回も最高値を更新しそうだ ただし年の前半には「2つの急落リスク」に注意

東洋経済オンライン / 2024年1月4日 14時0分

金に対する需要は、大きく分けて2種類存在する。1つは投資目的の需要であり、もう1つは安全資産としての需要だ。この2つのうちのどちらか、あるいは両方が強まるときには、相場も上昇することになる。2024年はこの2つの需要がともに、どちらも一段と活発になる可能性が高いと思われる。これが、見通しを強気に傾ける大きな理由である。

まず、投資需要に関しては、何よりもアメリカの長期金利の低下が大きい。金にとっての最大のライバルは、金利動向だ。金はそれ自体に金利がつくことはないので、金利が上昇する局面では、債券投資などに比べてどうしても不利になってしまう。また、他の商品のように現物の需給バランスの変化で相場が大きく動くこともないので、金投資に対する魅力は下がってしまうというわけだ。

2023年夏から9月末にかけての金利上昇局面で精彩を欠いていた金相場が、金利が下がり始めた10月以降、急速に騰勢を強めてきたのを見ても、それは明らかだろう。

そしてこの流れは、まだしばらく続く可能性が高いと考える。この先アメリカの景気が一段と減速、インフレ圧力も後退してくれば、FRBはいずれ利下げに踏み切ることになるだろう。

もちろんインフレが再燃し、消費者物価指数が再び前年比で5%を超えてくるようなことがあれば話は別だ。だが、今後はFRBの積極的な利上げの影響が出てくることを考えれば、インフレを押し上げるほどに景気が過熱するとは考えにくい。さすがにこのまますんなりと2%の目標に向けて下がっていくとも思えないが、今の水準でしばらく高止まりするというのが、いちばん現実味があるシナリオだろう。

このように将来的な利下げ見通しに変化がない限り、アメリカの長期金利も低下基調が続く可能性が高いと考える。また、利下げ観測や景気減速に対する懸念が、ドル安の流れを後押しすることも、金にとっては大きな下支え要因となるだろう。

もう1つの押し上げ要因、安全資産としての需要に関しては、改めて細かく説明する必要もないかもしれない。直近では、中東でイスラエルとハマスの戦闘が継続する中、イエメンの武装勢力であるフーシ派は、紅海を航行する船舶に対する無差別攻撃を開始した。

イスラエルの後ろ盾になっているアメリカと、ハマスやフーシ、ヒズボラを支援しているとされるイランとの関係が一段と悪化する懸念は消えていない。また、ロシアとウクライナ問題も、依然解決の糸口は見えていない。

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