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「離婚秒読みの夫婦」向き合うプロの超納得の助言 元家裁の調査官がカウンセラーになって伝えること

東洋経済オンライン / 2024年1月6日 12時30分

家庭裁判所の調査官として20年間、「夫婦関係調整調停」に携わってきた松本尚子さん

誰にでも失敗はある。配偶者選びだって間違えることはあり、一度や二度の離婚で人生は台無しにならない。「35歳以上で結婚した人」を取材し続けている本連載では4度目の結婚で幸せになった人もいた。

寒々とした関係性のまま夫婦を続けるほうが心身の健康に良くないと離婚経験者の筆者は思う。子どもの存在を理由にして別れない破綻カップルもよくいるが、そのような家庭で育った影響で自分は長らく結婚願望が薄かったと明かす人も少なくない。

家庭裁判所の調査官から家庭問題のカウンセラーに

夫婦や家庭問題の解決を専門とするカウンセラーがいる。家庭裁判所の調査官として20年間のキャリアがあり、2023年6月に「横浜ファミリーカウンセリングオフィス」を開業した松本尚子さんだ。

夫婦同席の「カップルカウンセリング」の利用も多いと聞き、筆者はいくつか疑問を持った。カウンセリングまで受けて離婚を思いとどまる必要があるのだろうか。また、本当にカウンセリングやアドバイスを受けさせるべきは相談者ではなくその配偶者であるケースが多い。プライドが高くて非協力的な人だったりしたらどうやってカウンセリングの場に出てきてもらうのだろうか。組織を離れて自由な立場にいる松本さんに率直な話を聞きたい。

――家庭裁判所は夫婦や親族間の争いなどを調停や訴訟などによって解決したり、非行をした少年の処分を決定したりするところですよね。個人的にはなるべく関わりたくない組織です(笑)。調査官の仕事について簡単に教えてください。

家事事件と少年事件のうち、私は家事事件を主に扱ってきました。離婚に関する紛争など夫婦関係調整案件の場合、法律の専門家である裁判官1人と非常勤の調停委員2人が調停委員会というチームで進行を担います。心理や人間関係の専門家である調査官は、紛争性が高かったり精神疾患を抱えた当事者がいたりする難しい案件に関わる立場です。進行困難な一部のケースに関わり、夫婦それぞれの心情の背景を探ったり、話し合いで解決できるように働きかけたり、裁判官に判断材料を提供したりします。私の場合は月30件ぐらいの案件に同時並行で関与していました。

離婚裁判という手続きは最終段階です。その前に双方の話をもとにして話し合いを進めてもらいます。それぞれが納得し、裁判を経ずに合意するのがベストですから。

国民はもっと裁判所を利用していい

日本の離婚の9割は裁判所を介さない「協議離婚」ですが、次に多いのは調停委員を活用する「調停離婚」です。もちろん、話し合いの結果として離婚せずに済む場合もあります。調停ができずに「裁判離婚」に至るケースはごくわずかです。

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